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レベルスロマンス/シャフリヤール
芝2400メートルという競走条件ならば、ヨーロッパvs日本という戦いの構図になると見る。
日本馬の前に立ちはだかる最大の敵となるのは、2022年に続く2年ぶり2度目の優勝を目指すレベルスロマンスだろう。5歳時はパフォーマンスを落としたが、6歳となった今年は復活し、シーズン前半はドバイシーマクラシック(G1・UAE)など2つのG1を含む3連勝。欧州におけるこの路線の前半の最高峰であるキングジョージY世&クイーンエリザベスS(G1・イギリス)で3着になると、その後はほぼ2か月の休養をはさみ、9月22日にケルンで行われたオイロパ賞(G1・ドイツ)を制し6度目のG1制覇を果たしての参戦となる。まさに、ここを狙いすましたローテーションだ。
昨年のこのレースで3着だったのがシャフリヤールだ。3月のドバイシーマクラシックでは、逃げるという意表をつく手に出たレベルスロマンスを捉えきれず2着に終わったが、そのレベルスロマンスを徹底マークするはずのここでは、逆転も可能とみている。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
エミリーアップジョン/レベルスロマンス
1番人気は2年前のこのレースを含めて世界4か国で6つのG1を制しているレベルスロマンスだが、筆者は同じ欧州勢でも牝馬のエミリーアップジョンを1番手にあげたい。
今年はここまでG1ばかり6戦し、勝利はない一方、このうち5戦において掲示板を確保し、この戦線では上位の力量を維持していることを実証している。最大の魅力は、L.デットーリとのコンビが復活する点にある。同馬はここまで2度にわたってG1制覇を果たしているが、鞍上はいずれもL.デットーリだった。L.デットーリはまた、昨年のBCでは、エミリーアップジョンと同じくJ.ゴスデンが管理するインスパイラルで、フィリー&メアターフを制している。ここは、J.ゴスデンとL.デットーリという黄金のコンビに期待したい。
2番手には、史上3頭目となる、このレース2度目の優勝を目指すレベルスロマンスをとる。セレクションからは外れたが、イギリス調教馬のジェイアービーにも、大きな魅力を感じている。今が上昇中の3歳馬で、管理するのはこのレースを2勝しているB.ミーハンだ。絶好の枠順を引いた同馬が、セレクションにあげた2頭を逆転する可能性も、おおいにあるとみている。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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