馬事振興・生産育成馬事振興への取組み

日本の様々な馬文化の発展に貢献しています。

歴史を紐解くと、人類は「馬」と出会ったことで文明を飛躍的に発展してきたと言えます。その関わり方は変化しているものの、現代の社会に至るまで、馬の力強さや美しさは世界中の人々を魅了し、その生活を豊かなものにしてきました。日本においても、かつて多くの馬たちが農業をはじめとして産業を支え、神事や祭事といった場でも活躍してきました。しかしながら、現在の日本においては、そのほとんどが競馬に関連した馬たちになってしまったのが実状です。このように馬と出会う機会が少なくなった現代において、「馬」と直接ふれあい、馬の魅力を知っていただくことは、人と馬との関わりを振り返り、馬文化への理解を深めていただくことにつながると考えています。

これらを踏まえ、馬事公苑や全国の事業所において、馬とのふれあいイベントや初心者・少年団への乗馬指導などの活動を実施しています。また、日本の在来種の保存、伝統馬事芸能の保存、及び内国産乗用馬の生産振興などの取組みを通じて日本の馬事文化発展にも貢献しています。

馬事公苑(整備工事のため休苑中)

馬事公苑は、馬事の普及、馬術の振興、及び騎手の養成を主業務として昭和15年に設立され(騎手養成業務は昭和57年に競馬学校へ移管)、昭和39年の東京オリンピックでは馬場馬術競技が開催されるなど、長きに亘り日本の馬術競技の拠点としての役割を担ってきました。
そして、日本で開催される夏季オリンピックとしては、前回の東京大会から56年振り2回目となる東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」)において、馬事公苑は、馬術競技会場(クロスカントリーを除く)に決定されており、再び世界最高峰の競技大会の舞台となります。
そのため、現在、馬事公苑は、東京2020大会に向けた整備工事を行っており、再開苑は2022年秋を予定しています。

また、馬事公苑は、約18万平方メートルの敷地を有する「馬のいる公園」として、年間を通して一般開放された都市部の憩いの場として多くの来苑者にご利用いただくとともに、災害時の広域指定避難場所として地域社会に貢献してきました。東京2020大会後の再開苑時には、オリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)として、ユニバーサルデザインに配慮し、どなたにも安心してご利用いただけれる公園的施設として、馬事普及・馬術振興の拠点となる計画としています。

馬事公苑 完成予定図

各事業所での馬事イベント

全国の競馬場等において、土・日曜日を中心に、体験乗馬、馬車運行、及び馬とのふれあいなどの馬事アトラクションを充実させ、お客様に好評を博しています。競馬場におけるイベントの一つとして、毎年秋には東京競馬場において、全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」を行っています。これは、全国各地で乗馬に励む子供達によるポニー競馬の全国大会で、イベントを通じて幼少の頃から馬にふれ、乗る機会が増えるよう取り組んでいます。また、「馬に親しむ日」を開催して馬とふれあう機会を設けたり、さらには幼稚園・小学校へのポニー等の出張や地域主催のお祭りへの馬車派遣などを通じて地域社会への貢献に努めています。

ジョッキーベイビーズ
小学校での馬とのふれあい

馬の利活用のための取り組み

従来の乗馬機会の拡充や子どもたちと馬とのふれあいの場の創出などに加え、障がい者乗馬・ホースセラピー活動、引退競走馬のセカンドキャリア利活用促進のための施策や馬術競技会、医療や教育等の現場における馬を介在とした事業、馬に関わる活動の環境整備や人材養成などに対する支援を、助成対象団体を通じて取り組んでいます。また、引退競走馬のサードステージについては、「養老・余生等を支援する事業」として諸活動を行っている団体に対し、活動奨励金の支援を行っています。

馬術競技の健全な発展のための取り組み

自国開催となる”東京2020大会”は、馬術競技に対する人々の関心を高め、本競技への参加意欲や馬に係わる馬事文化・競馬事業等への理解を醸成する最大の機会でもあります。そのため、より一層の競技力強化を図るため、馬術競技・パラ馬術及び近代五種(馬術競技関連等)に対する競技強化支援を行っています。また、大学馬術部に対しては、繋養費、飼養管理費や競技活動等支援を行っています。

馬の博物館・競馬博物館

根岸競馬記念公苑「馬の博物館」では、人と馬との関わりをあらわす歴史的な資料が保存されており、「馬に関する歴史・文化」における調査研究展示活動を行っています。また苑内は広く一般来苑者に開放されており、春秋の特別展等をはじめ、ポニーセンターでは数品種の馬が展示され、「馬にふれあえる」機会を提供しています。また、平成3年秋には「競馬」というスポーツの素晴らしさをより多くの人々に理解していただくため、東京競馬場内に「JRA競馬博物館」をオープンしました。館内には、競馬を楽しむユニークなアトラクションの他、顕彰馬や顕彰者の栄光の日々を回想できるメモリアルホール、競馬の歴史や競馬のしくみをわかりやすく解説する展示室等があり、様々な視点から競馬の魅力を体感することができます。

在来馬の保存

「道産子(どさんこ)」という呼び名を聞いたことがある方もいるかもしれません。現在では北海道出身の方をこのように呼ぶこともありますが、元々は北海道和種という馬のことを指します。北海道和種のように日本の地域に根付いた馬のことを在来馬と呼んでおり、現在は8馬種が存在しています。これらの在来馬は農耕用や荷物の運搬用としてそれぞれの地域で活躍してきましたが、現在ではその需要が少なくなり、飼養頭数も減少しているのが実状です。しかしながら、在来馬は、日本において人と馬が共存して生活してきたことの証であり、馬文化を次代に継承していくためにも大切に保存していく必要があると考えており、在来馬の保存事業を行っています。

  • 注記:人と長い間共栄してきた日本の在来馬たちを紹介する映像です

日本在来馬について(公益社団法人 日本馬事協会)

伝統馬事芸能の保存

「チャグチャグ馬コ」と聞いて馬のお祭りを思い浮かべることができたでしょうか。このチャグチャグ馬コを含め、日本各地には馬に因んだ神事や祭事が数多く継承されています。こうした伝統馬事芸能を通じて、文化や歴史的な側面にふれていただくことは、人と馬との深い関わり合いや馬の幅広い魅力について理解を深めていただくことにつながると考えています。このため、日本の伝統馬事芸能を広く紹介することなどにより、馬事文化の振興や保存に取り組んでいます。

  • 注記:日本に昔から伝わる伝統の馬事芸能を紹介する映像です

馬事文化賞

JRA賞馬事文化賞は1987年に創設した賞であり、当該年度において文学、評論、美術、映画、音楽、写真、公演等を通じ馬事文化の発展に特に顕著な功績のあった者に授与するものです。

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