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農林水産省令で、年間36開催、1開催につき12日以内(1日12競走以内)、年間288日が開催の最高限度数と定められており、原則として土曜日、日曜日または祝日を開催日としています。
2024年度の競走実績は、36開催・288日・3,454競走となっています。
競馬施行規程により開催する競馬場、開催日、各競走の種類・条件等は競馬番組で定められることとなっており、JRAの発行する会報で公示します。その時期については、概ね重賞競走は前年の10月下旬、春季競馬番組(1月から5月)は前年の11月中旬から下旬、夏季競馬番組(6月から9月)は3月下旬から4月上旬、秋季競馬番組(9月から12月)は7月下旬に発表します。
現在、JRAで実施している競走には、平地競走および障害競走の2種類があります。さらに、同じような能力の馬を集めて伯仲した競走を実施するために、獲得した収得賞金(Q5-4.参照)によるクラス分けを行っています。平地競走を例にとると、春は3歳馬と4歳以上馬、夏以降は2歳馬と3歳以上馬に分類して、新馬・未勝利→1勝クラス→2勝クラス→3勝クラス→オープンと収得賞金が増えるにつれてクラスが上がっていく仕組みになっています。
第1着(重賞競走は第1着および第2着)を得た競走について競走条件(クラス)毎に定められた額を算定した額が収得賞金で、各馬の競走条件(クラス)は収得賞金を基に決定されます。
競走による重要性の違いをより明確にするために、平地競走、障害競走別に賞金・負担重量・歴史と伝統・競走内容等によりそれぞれ格付けしています。なお、平地競走については日本グレード格付管理委員会によりGⅠ、GⅡまたはGⅢに格付けされ、格付けを得られない場合は新設重賞または重賞と表記されます。また、障害競走についてはJ・GⅠ、J・GⅡ、J・GⅢ競走に格付けします。
GⅠ競走(J・GⅠ競走を含む)は、原則として各距離体系における最優秀馬を選択するための最高峰の競走であり、かつ生産の指標として最も重要な意義を持つ競走です。GⅡ競走(J・GⅡ競走を含む)は、GⅠ競走に次いで重要な競走であり、GⅠ競走の優勝馬が比較的容易に出走できる競走です。GⅢ競走(J・GⅢ競走を含む)は、原則としてGⅠ、GⅡ競走へのステップとなる競走であり、3(4)歳以上の競走については、出走資格・負担重量・距離等に多様性を備えた競走です。
競走で負担する重量の種別には、馬齢重量、別定重量およびハンデキャップの3種類があります。馬齢重量とはその名のとおり馬の年齢によって負担重量が定められているものです。別定重量とは馬齢のほか、性別・収得賞金・勝利度数等によって競馬番組で負担重量を定められたもので、この重量で争われる競走がいわゆる「別定戦」と呼ばれます。ハンデキャップとは馬の能力に応じて各馬の負担重量を人為的に加減し、優勝の機会均等を図った競走で、この重量で争われる競走がいわゆる「ハンデ戦」です。〔競馬施行規程第71条参照〕
3歳(11月以降)および4歳以上の未出走馬・未勝利馬は、2023年度まで中山・東京・京都および阪神競馬の平地競走に出走できませんでしたが、2024年度より出走制限を解除したため、全ての競馬場で出走可能となっております。(一部の競走条件では引き続き出走できない競走がありますので、詳細は各開催の競馬番組をご確認ください)
各競走における馬番(枠順)は、公開抽選で行われる有馬記念競走をのぞき、全てコンピュータにより自動的に決定されます。また、出馬投票馬が出走可能頭数を超過した時に出走できる馬を抽選する際にも、全てコンピュータにより自動的に決定されます。
馬の適性、調教状況等を判断し、出走すべき競走と騎乗する騎手を選定したうえで、馬主から競走馬を預託されている調教師が、馬主の代理人として出馬投票を行います。従って、馬主が直接出馬投票を行うことはありません。
出馬投票は通常、競走当該週木曜日の正午から14時45分の間、美浦・栗東両トレーニング・センターおよび夏季の札幌・函館競馬場(北海道開催期間中に限る)で行われます。
また、特別競走に出走しようとする馬については、これとは別に、通常1週前(GⅠ競走は2週前)の日曜日に特別登録をしなくてはなりません。
なお、3歳クラシック競走に出走しようとする馬については、5大特別登録が必要です。
ステークスマネーに由来するもので、馬主は特別競走に出走しようとする馬について、特別登録の申込み時に競馬番組で定めた特別登録料を納付しなくてはなりません。特別登録料は、競走の格に相応しい馬の出走による競走を行うために、3歳馬5大特別競走をはじめ、重賞競走および特別競走について、それぞれ競走の格に応じた額となっています。特別登録により徴収した登録料は、競走ごとに第1着から第3着までの馬主に7:2:1の割合で付加賞として交付されます。
競馬の開催に関する事柄は、競馬法・競馬法施行令・競馬法施行規則・競馬施行規程等により定められていますが、さらに競走の実施に必要な事項を細かく定めたものが、日本中央競馬会会報別冊「競馬番組」の中で一般事項として記載されています。この一般事項によって、出走資格に関わる事項、出走可能頭数、各種賞金等が定められています。
3歳以上の未勝利馬が2019年1月1日以降に出走した中央競馬の平地競走において3回連続して8着以内の着順を得なかった場合は、当該3回目の競走の実施日の翌日から起算して2ヵ月間平地競走に出走できません。
ただし、未出走馬として出走したとき、競走中止となったとき、裁決委員がやむを得ないと認めたとき等は、当該競走は回数に含みません。
競馬を開催するために、JRAの役職員は以下の開催執務委員となり、それぞれの業務に従事しています。競馬を公正かつ円滑に施行するために、開催執務委員が馬主、調教師をはじめとする関係者に対して与える種々の指示を開催執務委員の指示事項といい、この指示事項に従わなかった場合には、規定により罰せられることがあります。〔競馬施行規程第178条参照〕
参考開催執務委員
委員長、副委員長、裁決委員、馬場取締委員、ハンデキャップ作成委員、検量委員、発走委員、決勝審判委員、勝馬投票委員、獣医委員、来場促進委員、整理委員、総務委員、情報管理委員、広報委員、走路監視委員、施設委員、システム統括委員
極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって競走に重大な支障を生じさせたと裁決委員が判断した場合や、馬の競走能力を一時的に高め、または減ずる薬物などを使用した場合、正当の理由がないのに馬の全能力を発揮させなかった場合や後検量で計量した重量が前検量で計量した重量よりも1キログラムを超えて減っていた場合等、裁決委員が施行規程に従って決定します。失格になった場合は、賞金等を受け取ることはできません。〔競馬施行規程第123条参照〕
入線した馬について、「その走行妨害がなければ被害馬は加害馬に先着していた」と裁決委員が判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着とします。
降着制度は諸外国にならって1991年1月1日より導入され、2013年1月1日から降着の判断基準を上記のとおり変更しております。これにより、競走馬がレースで示したパフォーマンスや到達順位をより尊重するルールとなりました。〔競馬施行規程第124条参照〕
競馬はブラッドスポーツと賭事というふたつの側面を持ち合わせており、公正確保が大前提です。各出走馬がそれぞれ本来持っている全能力を発揮して競走することが必須条件となります。そのため薬物の力を借りて馬の競走能力が一時的に高められ、または減じられた状態で出走することは禁じられています。そのような作用を持つ薬物は競馬施行規程において禁止薬物と定められており、競走後の理化学検査で禁止薬物が検出された場合、馬は失格となり、賞金等を受け取ることができないほか、関係者には競馬への関与禁止または停止等の処分がなされ、競馬法の処罰対象にもなります。
なお、飼料を原因とする薬物陽性事案を未然に防ぐため、本会施設内で競走馬が口にする飼料は、飼料薬物検査監理委員会が定める飼料薬物検査実施要領に則ったものであって、理事長が認めた者が厩舎に納品したものに限って使用を認めております。加えて本会施設内で競走馬に使用できる薬物は本会の認めた獣医師が処方、もしくは直接投与するものに限られます。そのため、飼料や薬物については馬主を含め外部から一切厩舎へ持ち込むことができませんので、御理解、御協力いただきますようお願いいたします。
アスリートである競走馬は日々のトレーニングのなかで、運動器疾患(筋肉痛や関節炎、骨折など)に悩まされることが少なくありません。このような疾患の痛みを薬の効果でおさえたまま競馬に出走してしまうと症状を悪化させるだけでなく、大きな事故につながりかねないため、競走馬の福祉や事故防止の観点から規制しなければなりません。そのため、消炎鎮痛作用のある糖質コルチコイドと非ステロイド性抗炎症薬等が規制薬物に指定されており、出走前の使用を規制しています。また、抗アレルギー薬や気管支拡張薬などの治療薬についても新たに指定対象となっています。規制薬物は、禁止薬物とは異なり競走能力には影響しませんが、出走当日に薬物の影響下に無いことが重要であるため、規制薬物を施用する場合には、使用の必要性や出走までの期間を含めて適切に管理するように調教師および本会外獣医師に対して指示しています。
近年遺伝子治療の悪用や血液の再投与など、これまでの薬物検査では取り締まることができない行為が、国際的に課題となっています。また、動物福祉の観点から馬に対し過度の苦痛を与えるような行為、正常な成長に影響を与える可能性のある行為、獣医療行為の中で調教や競走時の事故に繋がりかねない行為なども国際協約の中で制限することが掲げられております。JRAにおいてもこれらの行為を抑止するため、「公正確保」、「馬の福祉」、「事故防止」の観点から、馬に対して行うことを制限する行為を「禁止行為」として規定し、本会施設内に限らず、すべての馬関係者へ行われることがないよう周知・指導しています。
競走が行われた日の翌日から5年以内に(1)禁止薬物等の使用、(2)馬の全能力不発揮、(3)不正協定が判明した場合に当該馬を失格とする制度で、1994年1月1日から制度化されました。
事後失格の裁定は裁定委員会が行い、事後失格があった場合には事後失格とされた馬より後の馬の着順が順次繰り上がります。また、賞金等についても精算・再交付が行われ、場合によっては収得賞金の変更も行われます。ただし、この場合において事後失格となった馬主が指定された期間内に賞金等を返還しない場合には、その全ての所有馬が競走に出走できないこととなります。なお、事後失格の裁定については、裁定があった日の翌日から30日以内に理事長に対してアピール(Q5-22.参照)を行うことができます。なお、これにより的中勝馬投票券が変更されることはありません。〔競馬施行規程第128条参照〕
不服申立て(アピール)制度とは、着順が確定した後に、(1)失格・降着の裁決およびこれに伴う制裁、(2)失格又は降着の裁決を求める申立て(Q5-20.参照)の棄却の裁決、(3)騎乗停止の裁決、(4)事後失格(Q5-21.参照)の裁定についてアピールができるというもので、(1)(2)(4)は1994年1月から、(3)は2016年4月から制度化されました。
アピールできるのは、(1)および(4)については当該馬の馬主・調教師・騎手、(2)については、失格又は降着の裁決を求める申立て(Q5-20.参照)をした馬主・調教師・騎手、(3)については騎乗停止となった騎手となっています。
申し立て期間は、(1)(2)(3)についてはそれらの裁決が行われた日の翌日から2日以内、(4)についてはその裁定があった日の翌日から30日以内となっています。保証金10万円((2)の場合は保証金7万円)を添えて裁定委員会宛てに書面で行うことが必要となります。ただし、申立てが棄却された場合には保証金は没収となります。
この申立てが認められた場合には、失格・降着の取消または新たな失格・降着馬の認定が行われますので、着順は変更されることとなり、賞金等については精算・再交付が行われ、1着馬(重賞競走においては2着馬も該当)の着順が変更された時には、収得賞金(Q5-4.参照)の変更も行われます。しかし、これにより的中勝馬投票券が変更されることはありません。〔競馬施行規程第10章参照〕
第1着馬の走破タイムから一定の時間を超えて馬が入線することをいいます。重賞競走、騎手招待競走(ワールドオールスタージョッキーズ、ヤングジョッキーズシリーズ)、その他競馬番組で定められた競走以外の平地競走に出走した馬が、当該競走の第1着馬の競走に要した時間より、表1に定める時間を超えて決勝線に到達したとき、当該競走の実施日の翌日から起算して表2に定める期間平地競走に出走できません。ただし、裁決委員がやむを得ないと認めたときにはこの限りではありません。
距離 | 右欄に掲げる競走 以外の平地競走 |
新馬競走 | ||
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芝コースにおいて 行う競走 |
ダートコースに おいて行う競走 |
芝コースにおいて 行う競走 |
ダートコースに おいて行う競走 |
|
1,400メートル以下 | 3秒 | 4秒 | 4秒 | 5秒 |
1,400メートル超 2,000メートル未満 |
4秒 | 5秒 | 5秒 | 6秒 |
2,000メートル以上 | 5秒 | 6秒 | 6秒 | 7秒 |
未勝利馬 | タイムオーバー1回目は1ヵ月間、2回目は2ヵ月間、3回目以上は3ヵ月間 |
---|---|
その他の馬 | 1ヵ月間 |
1眼または両眼の失明馬は出走できません。ただし、JRAの競走馬登録を受けた後に1眼を失明した馬は、平地競走に限って出走することができます。
また、JRAの競走馬登録(再登録を受けた馬にあっては当該再登録以前のJRAの競走馬登録を含む)を受けている期間の競走中において、装鞍所ひき付け時から競走終了後馬場を出るまでの間に、鼻出血(外傷性のものを除く)を発症したと認められる馬は、競走の実施日の翌日から起算して発症1回目は1ヵ月間、2回目は2ヵ月間、3回目以上は3ヵ月間それぞれ出走できません。
地方競馬との交流競走に出走することができます。1994年以前は中央競馬に登録のあるまま地方競馬に出走できたのは、帝王賞(大井競馬場)等ごく一部の競走に限られていましたが、1995年以降は地方競馬との交流競走が条件クラスの競走も含めて徐々に拡大され、2024年は12主催者でダート交流重賞競走46競走を含む合計169競走が行われました。なお、実施する競走内容につきましては、四半期毎に発行しております「地方競馬指定交流競走のご案内」でご確認ください。
通常、地方競馬指定交流競走への申込は、出走しようとする競走が実施される前週の日曜日(重賞は前々週の日曜日)の9時から15時の間、美浦・栗東両トレーニング・センターおよび各開催競馬場で受け付けています。申込については出馬投票(Q5-10.参照)と同様、預託先の調教師が行います。
申込の結果、条件クラスの競走では出走間隔等あらかじめ定められた条件により、ダート交流重賞競走では出走申込日翌日に地方主催者が開催する出走馬選考委員会により出走できる馬が決定します。
また、枠順については概ね2日前から3日前に、地方競馬主催者によって行われる出走投票で決定されます。
地方競馬指定交流競走に出走した場合、地方競馬主催者からの賞金および諸手当の交付があります。また、条件クラスの競走で地方競馬主催者からの交付額がJRAの競走条件毎に定めた基準額よりも少ない場合は、JRAから差額相当分が交付されます。
なお、差額相当分の交付額につきましては、競走終了後にJRAから発行される明細書ならびに預託先の調教師にご確認ください。
賞金には、競馬番組に記載された本賞のほかに、距離別出走奨励賞・内国産馬所有奨励賞・出走奨励金および付加賞があり、また、一部の競走では、特別出走奨励金や褒賞金が交付される場合があります。その他、諸手当として競走に出走した馬の馬主に対し、特別出走手当が交付されます。
賞金につきましてホームページの賞金シミュレーターもご参照ください。
良質な競走馬資源の確保のため、国内の生産者または、現にJRAの登録を受けている馬主に対し、優秀な繁殖牝馬の所有を奨励することを目的として交付しています。
サラブレッド系の馬が競走に出走し、第1着から第5着までとなった場合に、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルの繁殖登録原簿に当該馬が生まれたときのその母馬の所有者として記載されている者であって、現に軽種馬の生産飼養のために必要な設備を有しているとともに繁殖の用に供する牝馬を飼養管理して軽種馬の生産に従事している者またはJRAの馬主登録を現に受けている者に交付されます。ただし、当該馬が外国産馬の場合には交付されません。
なお、繁殖牝馬所有者賞については、交付のための調査期間を要しますので、交付までに競走から約1ヵ月から2ヵ月程度かかります。
進上金とは、馬主の預託馬が競走に出走して賞金を取得した時に、馬主が管理調教師や騎乗騎手等、厩舎関係者に支払う成功報酬的な金員のことをいいます。
競馬賞金等は、すべて馬主指定の銀行口座に振込みます。振込みは、競走終了後の翌平日(通常月曜日)で、併せて馬主本人宛てに振込通知書が送付されます。振込時には、厩舎関係者への進上金(Q5-30.参照)をあらかじめ差引いた金額を源泉徴収のうえ、振込みます。
なお、振込先は馬主本人名義のものに限られております。振込先の変更等については本部馬主登録課までお問い合わせください。
全ての競走の第1着馬の馬主に対して、賞品および競走を記録したDVDが交付されます。
賞金と同様に課税対象となります。なお、JRAの競走で交付された賞品については、毎年1月末頃に前年分の一覧を各馬主あてに送付しています。