クラシック最終戦となる菊花賞は、春の二冠を盛り上げた実績馬と夏場に力をつけてきた上がり馬との対決の構図になることが多く、昨年は重賞初挑戦となったドゥレッツァがダービー馬タスティエーラを3馬身半突き放す快勝劇を演じた。果たして今年はどのような結末が待っているのか、阪神競馬場で行われた年を含む過去10年のデータを中心に傾向を調べていく。
過去10年の3着以内馬の多くは前走で3着以内に入っていた。前走4着以下で馬券に絡んだのはわずか3頭で、この3頭にはいずれもGⅠで4着以内に入った実績があった。つまりGⅠ実績がなく、前走で4着以下に敗れている馬は、大きく評価を下げることができる。〔表1〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 9-9-9-75 | 8.8% | 17.6% | 26.5% |
4着以下 | 1-1-1-74 | 1.3% | 2.6% | 3.9% |
過去10年の出走馬の前走を調べると、前走がトライアルの神戸新聞杯とセントライト記念だった馬が3着以内馬30頭中21頭を占めている。トライアル以外の重賞から臨んで馬券に絡んだのは3頭だけだ。条件クラスから臨んだ馬では昨年ドゥレッツァが優勝しているが、過去10年で見ると50頭が出走して3着以内が6回だけなので軸には推しづらい。臨戦過程を比較する際は、トライアル組を重視したい。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
日本ダービー | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
神戸新聞杯 | 5-4-4-52 | 7.7% | 13.8% | 20.0% |
セントライト記念 | 3-3-2-39 | 6.4% | 12.8% | 17.0% |
その他の重賞 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% | 14.3% |
オープン特別 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
3勝クラス | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
2勝クラス | 0-1-4-35 | 0% | 2.5% | 12.5% |
1勝クラス | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬のうち3着以内が多いのはキャリア5戦から8戦の馬。それに対し、キャリア9戦以上の馬は好走率が大きく下がる。キャリア5戦から8戦の馬が中心と言えそうだ。〔表3〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3戦 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
4戦 | 0-1-0-6 | 0% | 14.3% | 14.3% |
5戦 | 2-1-1-14 | 11.1% | 16.7% | 22.2% |
6戦 | 4-2-1-19 | 15.4% | 23.1% | 26.9% |
7戦 | 2-1-4-28 | 5.7% | 8.6% | 20.0% |
8戦 | 1-3-4-26 | 2.9% | 11.8% | 23.5% |
9戦 | 0-1-0-27 | 0% | 3.6% | 3.6% |
10戦以上 | 0-1-0-28 | 0% | 3.4% | 3.4% |
“長距離戦は騎手で買え”という格言があるが、近年の菊花賞ではC.ルメール騎手が大活躍。過去10年で3勝を挙げ、近年は2020年2着アリストテレス、2021年2着オーソクレース、2023年1着ドゥレッツァと騎乗機会3連続で連対を果たしている。〔表4〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
C.ルメール | 3-2-1-2 | 37.5% | 62.5% | 75.0% |
M.デムーロ | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
武豊 | 1-0-2-6 | 11.1% | 11.1% | 33.3% |
横山武史 | 1-0-1-1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
田辺裕信 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
北村宏司 | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
酒井学 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
過去8年の優勝馬は全て前走で3番人気以内に支持されていた。また、この8頭中7頭は当レースでの単勝人気が4番人気以内だった。勝ち馬を予想する際にはこの傾向も考慮に入れたい。〔表5〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 単勝人気 | 前走の単勝人気 |
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2016年 | サトノダイヤモンド | 1番人気 | 1番人気 |
2017年 | キセキ | 1番人気 | 2番人気 |
2018年 | フィエールマン | 7番人気 | 1番人気 |
2019年 | ワールドプレミア | 3番人気 | 3番人気 |
2020年 | コントレイル | 1番人気 | 1番人気 |
2021年 | タイトルホルダー | 4番人気 | 1番人気 |
2022年 | アスクビクターモア | 2番人気 | 1番人気 |
2023年 | ドゥレッツァ | 4番人気 | 1番人気 |
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