今週の注目レース

菊花賞(GⅠ)

京都競馬場 3000メートル(芝・外)馬齢 牡・牝 3歳オープン

出走馬情報

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ダノンデサイル

牡3歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:トップデサイル
  • 母の父:Congrats
ここに注目!

春よりも明らかに馬体が大きくなり、厚みも出ているように感じられる。単純にスケールアップしている印象だ。京都コースは〔1・0・0・1〕だが、未勝利勝ちは今回と同じ芝の外回りコース。この舞台がマイナスになるとは思えない。

返し馬直後に発症した右前肢跛行のため、皐月賞は競走除外。重賞初制覇を決めた1月の京成杯以来のレースとなった前走の日本ダービーだが、そんな不安を感じさせない強さで第91代ダービー馬の栄誉に輝いた。ポテンシャルの高さを改めて示す勝利であったと言えるだろう。暑さの厳しい時季を避け、帰厩時期を遅くしたマネージメントの結果が休み明けでの菊花賞挑戦。だが、昨年のタスティエーラも日本ダービーからの直行で2着に好走したように、現在はこのローテーションがマイナスにはなりにくい。二冠制覇を期待したいところだ。

アーバンシック

牡3歳

調教師:武井亮(美浦)

  • 父:スワーヴリチャード
  • 母:エッジースタイル
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

肉体的な変化はそこまで感じられず、馬体重は休養前との比較で2キログラム減だった前走。初の関西遠征になる今回は、前走時の数字から大きく減らさないことがポイントになる。最初のコーナーが近いコース設定。スタートも課題となりそうだ。

4番人気の支持を受けた前々走の日本ダービーでは、後方から少し差を詰めただけの11着に敗れたが、夏を越して精神面が成長したようで、前走のセントライト記念では遅れ気味のスタートだったものの、その後のリカバリーは完璧。それまでのレースでは見せてこなかったようなスムーズな立ち回りで、初の重賞制覇を果たした。母系には名牝ウインドインハーヘアの名があり、ダンスインザダーク、ハービンジャー、スワーヴリチャードと掛け合わせてきた配合は、3000メートルの長距離で魅力たっぷり。3度目のGⅠ挑戦で真価を発揮したい。

メイショウタバル

牡3歳

調教師:石橋守(栗東)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:メイショウツバクロ
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

おそらくは今回もハナを切る形。最初のコーナーからホームストレッチまでを自分のリズムで上手に走れるかどうかが一番のポイントになるだろう。これまでの内容から、水分を含んだ馬場状態は得意とみてよさそう。当日の馬場状態次第で評価を大きく上げたい。

2番人気で出走した前走の神戸新聞杯で逃げ切りを決め、2つ目の重賞タイトルを獲得するとともに、クラシック最終戦となる菊花賞の有力馬へと浮上した。ハイペースの逃げで失速した皐月賞(17着)、左後肢挫石のため出走取消となった日本ダービーと春のクラシックは残念な結果とはなったが、振り返れば、重賞初制覇を決めた毎日杯では、シンザン記念の勝ち馬ノーブルロジャーに6馬身差をつけた脚力の持ち主。自分のペースでレースを運ぶことができれば、強い相手ともやれるはず。今回も思い切った競馬で押し切りを狙う。

コスモキュランダ

牡3歳

調教師:加藤士津八(美浦)

  • 父:アルアイン
  • 母:サザンスピード
  • 母の父:Southern Image
ここに注目!

すっきりとした仕上がりだった前走。あの馬体を維持できているかは確認したいところだ。皐月賞ではコースレコード決着のクビ差2着。重馬場での勝ち鞍があるとはいえ、速い時計での決着のほうが自身のパフォーマンスを出しやすいはずだ。

1番人気で出走した前走のセントライト記念だったが、結果はアーバンシックの2着。瞬発力の差が出た格好ではあるが、直線まで脚をためていた勝ち馬に対し、こちらは勝負どころから外を回して前を捕まえに行く形。決して悲観する内容ではなかっただろう。前走のようなレース運びは、坂の下りで徐々に加速し、その勢いが鈍らない直線平坦の京都コースで生きてくるもの。それを確認できたことは大きく、前哨戦としては満点の内容とも言えそうだ。父は皐月賞馬で距離延長に課題のあったアルアイン。3000メートルの距離を克服できるかどうかがGⅠ制覇の鍵と言えそうだ。

ヘデントール

牡3歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:コルコバード
  • 母の父:ステイゴールド
ここに注目!

上がり3ハロン33秒台(推定)をマークして勝ち切った近2走の内容から、軽い芝での瞬発力勝負に強いイメージがあるが、1勝クラスの勝利はタフな重馬場でのもの。馬場への適応力が高い馬であることは大きなプラスポイントだろう。

日本ダービーの優先出走権を目指した3走前の青葉賞は、スタートの出遅れが響き8着。ただ、馬群の大外から押し上げていった末脚には見るべきものがあった。2着に敗れたデビュー戦の勝ち馬は、今年の皐月賞馬となったジャスティンミラノ。ここまで6戦4勝の本馬の戦績はそれだけでも魅力的なものだが、2度の敗戦をしっかりと吟味すれば、戦績以上の評価が必要であることがわかる。母コルコバードは2400メートルの距離で3勝をマークしたステイゴールド産駒。父のルーラーシップも代表産駒のキセキが菊花賞を制している。本馬が距離をこなす可能性は高そうだ。

シュバルツクーゲル

牡3歳

調教師:鹿戸雄一(美浦)

  • 父:キズナ
  • 母:ソベラニア
  • 母の父:Monsun
ここに注目!

後方からレースを運んだ前走は、道中のペースをジョッキーが判断してのもの。それまでのレースでは先行策を取ることも多く、自在に動けるタイプという認識でいいだろう。水分を含んだ馬場状態のほうが自身のキャラクターを生かせるはずだ。

1番人気の支持を受けた前走のワールドオールスタージョッキーズ第2戦(札幌・芝2000メートル)は、大外からの差し切り勝ち。派手な内容でオープン馬の仲間入りを果たした。中距離戦でもレースの上がり3ハロンタイムは37秒5。タフな流れへの対応力を示した一戦だったと言えるだろう。血統に目を移しても、長距離への高い適性を示す母系はかなり魅力的。母の父Monsunはスタミナ勝負に絶対の自信を持つドイツ産馬で、母のソベラニアは独オークス(G1)2着馬。叔父にはバイエルン大賞(G1・ドイツ)を圧勝したSeismosがいる。全馬が初距離となる今回の一戦で台頭するシーンは十分にありそうだ。

アドマイヤテラ

牡3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:レイデオロ
  • 母:アドマイヤミヤビ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

前走で初めての出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。これまでに最も速い上がりの数字はデビュー戦の34秒2で、極端に上がりが速くなるレース展開では力を発揮できない可能性がある。道中の展開が鍵になりそうだ。

前走の2勝クラス・茶臼山高原特別(中京・芝2200メートル)も強い内容だったが、このレース以上に菊花賞への適性を感じさせたのは、クビ差の2着だった前々走の2勝クラス・阿寒湖特別(札幌・芝2600メートル)だろう。洋芝の稍重馬場で距離的にもタフな一戦のなか、猛然と押し上げたラスト200メートルの脚は見どころ十分だった。スタミナ勝負に強いタイプであることは間違いないだろう。父はダービー馬レイデオロ、母はオークス3着馬のアドマイヤミヤビという配合だが、それ以上に血統表で目を引くのは名牝ウインドインハーヘアの4×4というインブリード。底力が大舞台で輝く可能性は低くない。

メリオーレム

牡3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:シュヴァルグラン
  • 母:メリオーラ
  • 母の父:Starspangledbanner
ここに注目!

調教で抜群の動きを見せる馬。ただ、稍重だった前走の走りを見る限り、水分を含んだ馬場状態への適性はそれほど高くないように見えた。良馬場が理想のタイプだろう。右にモタれる癖があり、右回りコースに戻ることも課題となりそうだ。

複数の重賞勝ち馬が出走していたにもかかわらず、自身にとって重賞初出走となった前走の神戸新聞杯で1番人気の支持を受けた。完勝だった前々走の2勝クラス・西部スポニチ賞(小倉・芝2600メートル)の内容が濃かったことが理由だろうが、重賞メンバーでの中距離戦では勝負どころの加速力に差があった印象。それでも、大きくバテることなく、ゴール前でジワジワと伸びていた前走の内容から、3000メートルの今回こそが自身の真価を出せるレースだろう。父は晩成タイプで長距離戦に強さを見せたシュヴァルグラン。産駒のJRA重賞初制覇がGⅠのタイトルになっても不思議はないはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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