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デルマソトガケ/ウシュバテソーロ
強力なメンバーが揃った中、一番手に挙げたいのはデルマソトガケである。前走サウジカップ(G1・サウジアラビア)は5着に敗れたが、約3か月半の休み明けだったことに加え、輸送中に負った外傷の影響で現地到着後の調整過程にも狂いが生じ、本調子一歩手前だったようだ。一度使われての上積みは大きいはずで、しかもメイダンは、3歳だった昨年にUAEダービーを5馬身半差で快勝している舞台だ。父もドバイゴールデンシャヒーンを連覇している馬で、血統的にもメイダン適性は高く、ここは悲願の海外G1初制覇の、好機到来と見る。
相手は、ディフェンディングチャンピオンのウシュバテソーロ。この馬が持つ末脚の爆発力と、キックバックをものともしない精神力には、目を見張らされるばかりである。ハマったと思った前走サウジカップは僅差で敗れたが、前走の1800メートルよりは今回の2000メートルの方により高い適性があるはずで、ここも怒涛の追い込みが見られることと思う。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ウシュバテソーロ/デルマソトガケ
5週間前のサウジカップ(G1・サウジアラビア)で1着、2着、5着となったセニョールバスカドール、ウシュバテソーロ、デルマソトガケの3頭に、カビールカーン、ローレルリバーを加えた5頭による優勝争いと見ている。
とても興味深いのがカビールカーンという馬で、ファッションフライデー(1月26日)のアルマクトゥームチャレンジ(G1・UAE)を快勝しているだけでなく、その前走ではドバイワールドカップと同距離の条件戦も楽勝。父カリフォルニアクロームが、2016年のドバイワールドカップ優勝馬というのも強調材料の1つとなりそうだ。
スーパーサタデー(3月2日)のブルジュナハール(G3・UAE)を楽勝したローレルリバーのレース振りも見事だった。ここは2ハロンの距離延長が鍵となるが、管理するB.シーマー調教師は、2000メートルへの対応に何も不安はないと自信をみなぎらせている。
だが、私がセレクションにあげる2頭は、いずれも日本馬とした。前述した馬たちが精一杯の競馬をしたとしても、今や世界の競馬を牽引している日本馬をこの競走条件で打ち負かすのは難しいというのが、私の出した結論である。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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