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ソジー/シンエンペラー
上位陣の力が拮抗した混戦模様で、なおかつ、例年のことながら天気予報がアテにならず、馬券的には実に難解な一戦だ。
そんな中、水準が高いと言われる3歳世代から入るのが王道と思われ、中でも、地元フランスの3歳世代で最強と目されるソジーは、馬券の軸として信頼に足る馬とみる。前哨戦のニエル賞(G2・フランス)の内容は、夏を越しての成長が感じられるもので、パリロンシャンは3戦3勝と抜群のコース適性を誇ることからも、この馬が大きく崩れる姿は想像しにくい。
二番手には、これも3歳世代からシンエンペラーを推したい。世界基準に到達しつつある日本調教馬の中でも、トップグループの一角にいる同馬。シャンティイでの調教や、愛チャンピオンS(G1・アイルランド)でのレースぶりから、期待した以上にヨーロッパ競馬への適性が高いことをみて取ることができた。前走を使われての上積みがあることを考えれば、日本競馬界の悲願とされる凱旋門賞制覇が手の届くところにあると思う。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ソジー/シンエンペラー
凱旋門賞歴代最多勝調教師のアンドレ・ファーブルが、今年は3頭出しで臨む。私の本命馬は、そのうちの1頭であるソジーだ。今年の凱旋門賞は混戦模様とみられているが、ソジーの近2戦(パリ大賞(G1・フランス)、ニエル賞(G2・フランス))の内容を見ると、この馬が頭ひとつ抜けている印象を私は抱いている。78歳を迎えたファーブル師が、自身9度目となる凱旋門賞制覇を果たす公算が大きい。
二番手には、2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟となるシンエンペラーを挙げたい。ヨーロッパにおける初戦となった愛チャンピオンS(G1・アイルランド)では、3着に敗れはしたものの、内容の非常に濃い競馬をしており、私を含めて多くの関係者が同馬に好印象を持った。ヨーロッパ中距離路線の最高峰にあるとされる凱旋門賞の勝者に、史上初めて日本調教馬の名が記される可能性もおおいにありそうだ。
2頭のセレクションからは外れたが、愛チャンピオンSでシンエンペラーからわずかの差の4着となったロスアンゼルス、ニエル賞でソジーの2着となったデリウス、追加登録してきたブルーストッキングらも争覇圏にいる馬とみている。もう1頭、穴馬としてサンウェイの名前を挙げておきたい。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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