阪神ジュベナイルフィリーズには2歳女王を目指す若き牝馬が集結する。2022年の覇者リバティアイランドは圧倒的な強さで翌年の牝馬三冠を制覇した。また、2020年優勝のソダシが桜花賞を、2016年優勝のソウルスターリングがオークスを制するなど、翌年の3歳牝馬戦線を占ううえでも見逃せない。今年は京都競馬場で行われるが、阪神競馬場で行われた過去10年の結果からレースの特徴を探っていく。
過去10年の単勝1番人気は5勝を挙げている一方で、残る5頭がいずれも4着以下と両極端な成績となっている。また、優勝馬を見ると5番人気以内の馬に限られているので、馬券の軸は上位人気馬から選びたい。ただし、6番人気以下の伏兵馬が配当を引き上げた例も少なくないので、相手は手広く流す必要がありそうだ。リバティアイランドが1番人気に応えた2022年も、2着と3着には2桁人気馬が入っていた。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-0-0-5 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-4-1-4 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 2-1-3-4 | 20.0% | 30.0% | 60.0% |
4番人気 | 1-0-4-5 | 10.0% | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 0-2-1-37 | 0% | 5.0% | 7.5% |
10番人気以下 | 0-2-1-85 | 0% | 2.3% | 3.4% |
過去10年の前走別成績を見ていくと、牝馬限定の前哨戦であるアルテミスS組の成績が良く、そこで2着以内だった馬は〔5・2・2・7〕と過半数が好走している。同じく牝馬限定重賞のファンタジーS組は全体の成績こそいまひとつだが、1着だった馬に限れば〔2・0・1・5〕と侮れない。また、近年は牡馬が相手の重賞から臨んだ馬の活躍も目立ち、昨年は新潟2歳Sを勝っての参戦だったアスコリピチェーノが優勝したが、2022年にドゥアイズ(前走札幌2歳S2着)が10番人気で3着、2021年にラブリイユアアイズ(前走京王杯2歳S3着)が8番人気で2着と、人気薄で好走した例もある。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
アルテミスS | 5-3-3-19 | 16.7% | 26.7% | 36.7% |
ファンタジーS | 2-0-2-31 | 5.7% | 5.7% | 11.4% |
上記以外のJRA重賞 | 1-1-4-17 | 4.3% | 8.7% | 26.1% |
オープン特別 | 1-1-0-10 | 8.3% | 16.7% | 16.7% |
1勝クラス | 1-4-1-46 | 1.9% | 9.6% | 11.5% |
新馬 | 0-1-0-13 | 0% | 7.1% | 7.1% |
未勝利 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
地方のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、26頭は芝1600メートル以上のレースで優勝経験があり、このうち20頭には“芝1600メートルでの優勝経験”があった。ただ、2016年優勝のソウルスターリングや2018年2着のクロノジェネシス、2022年3着のドゥアイズは、ここまで芝1800メートル戦にのみ出走してきた馬だった。中距離で実績を残してきた馬も侮れない存在となりそうだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-8-69 | 9.5% | 18.9% | 27.4% |
なし | 1-1-2-79 | 1.2% | 2.4% | 4.8% |
なお、芝1600メートル以上で優勝経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った4頭は、前走が“芝1400メートルの重賞で3着以内”だったことも覚えておきたい。〔表4〕
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前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1400mの重賞で3着以内 | 1-1-2-15 | 5.3% | 10.5% | 21.1% |
上記以外 | 0-0-0-64 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬はいずれも、これまで出走した全てのレースで3着以内に入っていた。一度でも4着以下に敗れたことがあった馬は2015年2着のウインファビラスと2020年3着のユーバーレーベンしか3着以内に入っておらず、この2頭も4着以下だったのは重賞での1回だけ。4着以下が複数回ある馬や、重賞以外で4着以下に敗れた経験がある馬は割り引いた方がよさそうだ。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-1-1-78 | 0% | 1.3% | 2.5% |
なし | 10-9-9-70 | 10.2% | 19.4% | 28.6% |
過去10年の優勝馬はキャリアが2戦または3戦で、2014年のショウナンアデラを除く9頭には重賞で2着以内、もしくはオープン特別1着の実績があった。少ないキャリアで重賞やオープン特別を好走していた馬を狙いたい。〔表6〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 通算出走回数 | オープンクラスでの主な実績 |
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2014年 | ショウナンアデラ | 3戦 | 出走なし |
2015年 | メジャーエンブレム | 3戦 | アルテミスS(GⅢ)2着 |
2016年 | ソウルスターリング | 2戦 | アイビーS1着 |
2017年 | ラッキーライラック | 2戦 | アルテミスS(GⅢ)1着 |
2018年 | ダノンファンタジー | 3戦 | ファンタジーS(GⅢ)1着 |
2019年 | レシステンシア | 2戦 | ファンタジーS(GⅢ)1着 |
2020年 | ソダシ | 3戦 | アルテミスS(GⅢ)1着 |
2021年 | サークルオブライフ | 3戦 | アルテミスS(GⅢ)1着 |
2022年 | リバティアイランド | 2戦 | アルテミスS(GⅢ)2着 |
2023年 | アスコリピチェーノ | 2戦 | 新潟2歳S(GⅢ)1着 |
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