昨年の2着馬テーオーロイヤルは、今春にダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞(春)と3連勝し、GⅠウイナーの座に上り詰めた。また、2022年の勝ち馬シルヴァーソニックは、次走でサウジアラビアに遠征してレッドシーターフハンデキャップ(G3)を制している。JRAの平地競走としてはもっとも距離の長い名物重賞であると同時に、国外を含めた年明け以降の長距離路線につながる重要な一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は、JRAの平地の2600メートル超のレースにおいて3着以内に入った経験がある馬だった。この経験を持っていた馬は3着内率も45.2%と優秀な水準に達している。2600メートルを超える距離のレースで馬券に絡んだことがある馬は、高く評価するべきだろう。〔表1〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-8-3-23 | 19.0% | 38.1% | 45.2% |
なし | 2-2-7-85 | 2.1% | 4.2% | 11.5% |
なお、JRAの平地の2600メートル超のレースにおいて3着以内に入った経験がなかったにもかかわらず3着以内となった11頭のうち9頭は、前走の着順が4着以内だった。2600メートルを超える距離のレースにこれといった実績がなく、前走が5着以下だった馬は、割り引きが必要だ。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 2-1-6-12 | 9.5% | 14.3% | 42.9% |
5着以下 | 0-1-1-73 | 0% | 1.3% | 2.7% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、前走の単勝人気が9番人気以内だった。一方、10番人気以下だった馬は3着内率4.8%と苦戦している。〔表3〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
9番人気以内 | 9-9-9-49 | 11.8% | 23.7% | 35.5% |
10番人気以下 | 1-1-1-59 | 1.6% | 3.2% | 4.8% |
なお、前走の単勝人気が10番人気以下だったにもかかわらず3着以内に入った3頭は、いずれも前走が京都大賞典だった。前走が京都大賞典だった馬でない限り、前走で単勝10番人気以下にとどまっていた馬は、過信禁物とみておきたい。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
京都大賞典 | 1-1-1-5 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
その他 | 0-0-0-54 | 0% | 0% | 0% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭中6頭は、過去のステイヤーズSにおいて3着以内に入った経験がある馬だった。該当馬は3着内率も60.0%と優秀な水準に達している。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
なし | 3-5-4-62 | 4.1% | 10.8% | 16.2% |
なお、過去のステイヤーズSにおいて3着以内に入った経験がなかったにもかかわらず3着以内となった12頭のうち11頭は、年齢が5歳以下だった。前年以前のステイヤーズSで馬券に絡んだことがある馬でない限り、6歳以上の馬は疑ってかかった方がよさそうだ。〔表6〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5歳以下 | 3-5-3-36 | 6.4% | 17.0% | 23.4% |
6歳以上 | 0-0-1-26 | 0% | 0% | 3.7% |
過去7年の優勝馬7頭は、いずれも馬番が7番から12番だった。また、この7頭は前走と異なる騎手が騎乗していた点も共通している。ここまで述べた傾向から強調できる馬であっても、内寄りの馬番や、極端な外寄りの馬番となった馬、前走と同じ騎手が騎乗している馬が勝てていない点は留意するべきだろう。〔表7〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 馬番 | 騎手 | 前走の騎手 |
---|---|---|---|---|
2017年 | アルバート | 9番 | R.ムーア | A.シュタルケ |
2018年 | リッジマン | 11番 | 蛯名正義 | 松岡正海 |
2019年 | モンドインテロ | 12番 | W.ビュイック | 荻野極 |
2020年 | オセアグレイト | 11番 | 横山典弘 | 三浦皇成 |
2021年 | ディバインフォース | 11番 | 田辺裕信 | 藤岡康太 |
2022年 | シルヴァーソニック | 7番 | D.レーン | 川田将雅 |
2023年 | アイアンバローズ | 7番 | 石橋脩 | 北村友一 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。