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牡6歳
調教師:清水久詞(栗東)
1800メートル前後の距離を活躍の場にしてきたが、4走前の京都記念(4着)で2200メートル以上に矛先を向け、前走の京都大賞典で待望の重賞初制覇を達成。3600メートルは未知数だが、折り合いに不安はなく、すんなり対応できそうだ。
2走前の目黒記念は、ケイアイサンデラ(9着)が離して逃げるなかで3番手をキープ。ペースの緩んだ向正面で先頭との差を詰め、直線は横一線の追い比べ。勝ったシュトルーヴェの瞬発力には屈したものの、一度は前に出られたサトノグランツ(4着)を差し返し、最後までしぶとく脚を伸ばしてクビ差の2着に好走した。約4か月半の休み明けだった前走の京都大賞典は、速い流れで馬群が縦長になったなか、脚をためて中団を追走。直線では外から一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前でディープボンドを捕らえてアタマ差で重賞タイトルを獲得した。目下の充実ぶりは著しく、主役の座は譲れない。
牡7歳
調教師:上村洋行(栗東)
昨年のステイヤーズSで念願の重賞タイトルを獲得。今回はドバイゴールドC(G2・UAE・芝3200メートル、8着)以来約8か月の休み明けで仕上がりがポイントになるが、調教では好調時と遜色のない動きを見せており、力の出せる態勢が整っていそうだ。
昨年のステイヤーズSは、アフリカンゴールド(11着)を行かせて2番手に控えたが、600メートル過ぎから先頭に並びかけて2頭で後続を引き離すと、1周目の3コーナーでハナを奪取。そこから大逃げを打ち、2周目の3コーナーで後続を引きつけると、直線入り口で再び引き離し、最後はテーオーロイヤル以下の追い上げを楽に振り切って2馬身1/2差で快勝した。その後は有馬記念で11着、海外遠征となったレッドシーターフH(G3・サウジアラビア・芝3000メートル)が12着、ドバイゴールドC(G2・UAE)は8着と好成績を残せなかったが、環境の変化もあり度外視できるだろう。休み明けでも仕上げに抜かりはなし。ステイヤーズS連覇を狙う。
牝4歳
調教師:田中克典(栗東)
今春の阪神大賞典は勝ち馬テーオーロイヤルには離されたものの、3着ブローザホーンとは0秒4差の5着に健闘した。3勝クラスからの格上挑戦になるが、重賞でも引けを取らない能力を示している。
2走前のオープン特別・タイランドC(札幌・芝2600メートル)は、スタートで後手を踏み後方を追走。2周目の向正面から外を回って追い上げ、4コーナーで先頭に並びかけると、直線はショウナンバシットとのマッチレースに。わずかに競り負けたが、3着以下を5馬身引き離しており“負けてなお強し”を印象づけた。前走の3勝クラス・古都S(京都・芝3000メートル)はスローペースで、勝ったコパノサントスとは位置取りの差が出たが、メンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマークして2着に入り、長距離への適性を改めて示した。4歳秋を迎えて馬体がひと回り成長し、地力強化は明らか。格上挑戦でも目が離せない存在だ。
牡5歳
調教師:本田優(栗東)
父譲りのスタミナを受け継ぎ、今年1月のオープン特別・万葉S(京都・芝3000メートル)を勝利。天皇賞(春)でも8着に入っており、長距離適性は証明済みだ。堅実な末脚が持ち味で、上がりのかかる展開になればチャンスは広がる。
秋初戦となった2走前の京都大賞典は、ハイペースで縦長の馬群になるなか、脚をためて後方のインを追走。優勝馬シュヴァリエローズの直後から懸命に差を詰め、最低人気の低評価を覆して0秒1差の3着に好走した。前走のアルゼンチン共和国杯も後方待機策。直線に入ってから馬場の中ほどに出すと、インに切り替えながら一度は上位争いに加わって見せ場は十分。勝ち馬から0秒7差の7着に敗れたが、レース内容は悪くなかった。秋3戦目の今回、状態面はさらに上向いているうえ、3000メートルで勝ち鞍があるように距離延長もプラスに働くはずだ。
せん8歳
調教師:野中賢二(栗東)
8歳となったが、2月のオープン特別・小倉日経オープン(小倉・芝2000メートル)で通算5勝目を挙げ、前走の福島記念では3着に入ったように、年齢的な衰えは皆無だ。昨年のステイヤーズSは6着に敗れたが、操縦性が高く、長距離に不安はない。
3走前の七夕賞は、ハイペースのなか、縦長の馬群の5番手を追走。前に行った組に厳しい展開ながら、ラスト200メートルで一度は先頭のシーンを作り、最後までしぶとく粘って4着に健闘した。2走前のオープン特別・ケフェウスS(中京・芝2000メートル)は6着に敗れたが、前走の福島記念は脚をためてレース序盤は後方を進み、向正面半ばからジワッと進出を開始。4コーナーで先頭に並びかけると、レースの上がり3ハロンが37秒2という消耗戦となったなか、長く脚を使って3着に好走した。距離の融通が利くタイプで、今回も上位争いが濃厚だ。
牡5歳
調教師:辻野泰之(栗東)
1勝クラスから破竹の4連勝で昨年のダイヤモンドSを優勝。脚部不安で約1年7か月の長期休養を余儀なくされ、復帰後2戦の成績はひと息だが、レースを使うごとに調子を上げており、軽視はできない。
2番人気に支持された昨年のダイヤモンドSは、脚をためて中団のインを追走。4コーナー手前から徐々に外へ出し、直線はシルブロン(3着)と併せるように脚を伸ばすと、最後は内を突いたヒュミドールとの追い比べを制して重賞タイトルを獲得した。このダイヤモンドSでは3分29秒1のコースレコードを樹立しており、長距離適性の高さは折り紙付き。長期休養明けとなった2走前のオールカマーは11着、前走のアルゼンチン共和国杯は16着と大敗を喫しただけに、中間の復調度は鍵になるが、ステイヤーとしての資質は相当なものがある。3600メートルへの距離延長でガラリ一変しても不思議はない。
牡6歳
調教師:稲垣幸雄(美浦)
2400メートル以上を使うようになってから頭角を現し、昨年のダイヤモンドSではコースレコード決着の3着に好走した。休み明けの前走は思わぬ大敗を喫したが、本来のパフォーマンスを発揮できれば巻き返しが可能だ。
昨年のステイヤーズSは、アイアンバローズの大逃げにほんろうされて7着に敗れたが、2走前のアメリカジョッキークラブCでは、不良馬場のタフなコンディションをものともせず、直線でインからしぶとく脚を伸ばし、見せ場十分の6着に入った。約7か月半の休み明けとなった前走のオープン特別・タイランドC(札幌・芝2600メートル)は11着だったが、大幅な馬体減もあり、度外視できる結果だろう。その後、3か月の休養で立て直しを図り、状態面はグンと良化。ダイヤモンドS3着の実績があるように、長距離への適性は高く、改めて注目したい。
牝4歳
調教師:上原佑紀(美浦)
2400メートル以上の距離を使い出してからはグンと安定感が出て、2走前のリステッドで2着に好走。デビュー当時から20キログラム以上増えた馬体重が成長力の証で、展開に左右されない自在性も長所に挙げられる。
2走前の札幌日経オープン(リステッド・札幌・芝2600メートル)は、2頭が後続を離すなかで脚をためて中団を進み、2周目の3コーナー手前からジワッと進出を開始。2番手から抜け出したショウナンバシットとは位置取りの差が出たが、直線もしっかり脚を伸ばして連対を果たした。約3か月の休み明けとなった前走の3勝クラス・古都S(京都・芝3000メートル)は瞬発力勝負となり、勝ち馬と0秒5差の3着だったが、先行策からしぶとく粘っておりレース内容は悪くない。実戦型で調教の動きは目立たないが、秋2戦目で状態面の上積みは大きく、重賞でも遜色のない競馬ができそうだ。
(京増 真臣)
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