2010年以降のアルゼンチン共和国杯における3連単の配当を振り返ってみると、計14回のうち10万円を超えたのは1回だけで、3着同着となって的中組番が2通りあった2023年を含むちょうど半数の7回が2万円未満である。ハンデ戦ではあるものの、どちらかと言えば堅く収まりがちなレースと言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ31頭中26頭は、負担重量が55キログラム以上だった。一方、55キログラム未満だった馬は3着内率8.9%と苦戦している。比較的軽いハンデとなった馬は、疑ってかかった方がよさそうだ。〔表1〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
55kg未満 | 2-1-2-51 | 3.6% | 5.4% | 8.9% |
55kg以上 | 8-9-9-79 | 7.6% | 16.2% | 24.8% |
過去10年の3着以内馬延べ31頭中17頭は、前走の着順が3着以内だった。一方、4着以下だった馬は3着内率12.4%とやや苦戦している。基本的には前走好走馬を重視するべきだろう。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 5-5-7-30 | 10.6% | 21.3% | 36.2% |
4着以下 | 5-5-4-99 | 4.4% | 8.8% | 12.4% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走の着順が4着以下だった馬に限定した前走別成績を見ると、前走がGⅠだった馬は3着内率が35.7%に達している。一方、GⅠ・GⅡ以外だった馬は3着内率が4.3%にとどまっている。GⅠ・GⅡ以外のレースで4着以下に敗れた直後の馬は、上位に食い込む可能性が低いとみておきたい。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 3-1-1-9 | 21.4% | 28.6% | 35.7% |
GⅡ | 2-3-2-45 | 3.8% | 9.6% | 13.5% |
その他 | 0-1-1-45 | 0% | 2.1% | 4.3% |
過去10年の3着以内馬延べ31頭中14頭は、通算出走数が13戦以内だった。該当馬は3着内率が50.0%と優秀な水準に達している。キャリア13戦以内の馬は、有力とみてよさそうだ。〔表4〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
13戦以内 | 6-1-7-14 | 21.4% | 25.0% | 50.0% |
14戦以上 | 4-9-4-116 | 3.0% | 9.8% | 12.8% |
なお、通算出走数が14戦以上だったにもかかわらず3着以内に入った延べ17頭のうち9頭は、同年のJRAの2500メートルのレースにおいて5着以内となった経験がある馬だった。この経験がなかった馬は3着内率7.9%と苦戦しているので、過信禁物とみるべきだろう。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-4-2-23 | 9.4% | 21.9% | 28.1% |
なし | 1-5-2-93 | 1.0% | 5.9% | 7.9% |
過去6年の3着以内馬延べ19頭中15頭は、前走の4コーナー通過順が3番手から7番手だった。一方、2番手以内だった馬は全て4着以下に敗れており、8番手以下だった馬も3着内率10.0%とやや苦戦している。〔表6〕
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番手以内 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
3〜7番手 | 3-5-7-29 | 6.8% | 18.2% | 34.1% |
8番手以下 | 3-1-0-36 | 7.5% | 10.0% | 10.0% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走の4コーナー通過順が8番手以下だったにもかかわらず3着以内に入った4頭は、いずれも前年以降の東京・芝2500メートルのレースにおいて4着以内となった経験がある馬だった。前年以降に当コースで好走した実績のある馬でない限り、前走の4コーナーを8番手以下で通過していた馬は、評価を下げたい。〔表7〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-1-0-6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
なし | 0-0-0-30 | 0% | 0% | 0% |
過去5年の優勝馬延べ5頭は、いずれも5歳以下だった。また、この5頭は前走の馬体重が470キログラム以上510キログラム未満だった点、前走の距離が2000メートル超だった点も共通している。6歳以上の馬、極端に小柄な馬や極端な大型馬、そして前走が2000メートル以下のレースだった馬は、割り引きが必要だ。〔表8〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 年齢 | 前走の馬体重 | 前走の距離 |
---|---|---|---|---|
2019年 | ムイトオブリガード | 5歳 | 490kg | 2500m |
2020年 | オーソリティ | 3歳 | 500kg | 2400m |
2021年 | オーソリティ | 4歳 | 506kg | 3200m |
2022年 | ブレークアップ | 4歳 | 498kg | 2400m |
2023年 | ゼッフィーロ | 4歳 | 472kg | 2200m |
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