過去10年の京都大賞典では、3着以内馬延べ30頭中28頭が単勝6番人気以内と比較的順当な決着が多い。中でも1番人気は〔2・3・3・2〕と上々の成績を残し、優勝した2015年のラブリーデイと2016年のキタサンブラックは次走でGⅠを制した。その一方で、2019年は11番人気のドレッドノータスが勝利を収め、3連単180万馬券を演出。2021年にも9番人気のマカヒキが優勝するなど、波乱となった年もある。今回は、阪神競馬場で行われた2021年、2022年を含む過去10年の結果を分析し、その攻略法を探ってみたい。
過去10年では4歳馬と5歳馬が9頭ずつ馬券に絡んでいるので、年齢の若い馬が中心であることは間違いなさそうだ。ただ、番狂わせを演じたドレッドノータスは6歳、マカヒキは8歳での勝利だった。2017年にも7歳牝馬のスマートレイアーが優勝しているので、6歳以上の馬も軽視は禁物だろう。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 3-4-2-17 | 11.5% | 26.9% | 34.6% |
5歳 | 4-3-2-28 | 10.8% | 18.9% | 24.3% |
6歳 | 1-2-3-28 | 2.9% | 8.8% | 17.6% |
7歳以上 | 2-1-3-30 | 5.6% | 8.3% | 16.7% |
京都大賞典には実績馬の出走が多く、JRA・GⅠで5着以内に入ったことのある馬が過去10年で8勝を挙げている。特に活躍が目立つのがJRA・GⅠの優勝経験があった馬で、〔4・1・3・5〕(勝率30.8%、3着内率61.5%)という好成績を収めている。これには9番人気で優勝したマカヒキも含まれているので、GⅠウイナーは人気にかかわらず押さえておいた方がいいだろう。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-8-44 | 12.3% | 20.0% | 32.3% |
なし | 2-5-2-60 | 2.9% | 10.1% | 13.0% |
過去10年の前走別成績ではJRA・GⅠ組が強く、3着内率は40%を超えている。馬券に絡んだ延べ18頭中12頭は前走6着以下からの巻き返しだったので、GⅠ組は前走の着順を気にする必要はなさそうだ。また、この18頭のうち13頭は宝塚記念からの臨戦で、宝塚記念組が単勝3番人気以内に支持された場合、〔4・3・4・3〕(3着内率78.6%)と好走率が高いことも覚えておきたい。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-6-7-25 | 11.6% | 25.6% | 41.9% |
GⅡ | 0-1-1-27 | 0% | 3.4% | 6.9% |
GⅢ | 3-1-1-27 | 9.4% | 12.5% | 15.6% |
オープン特別 | 1-1-0-19 | 4.8% | 9.5% | 9.5% |
3勝クラス | 1-1-1-3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
その他 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
一方、JRA・GⅠ以外からの臨戦で3着以内に入った12頭のうち、11頭は前走で5着以内に入っていた。GⅠ以外のレースで6着以下に敗れていた馬の巻き返しは厳しいようだ。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 5-3-3-38 | 10.2% | 16.3% | 22.4% |
6着以下・競走中止 | 0-1-0-41 | 0% | 2.4% | 2.4% |
京都競馬場で行われた過去8回のうち、2014年から2020年の優勝馬は京都競馬場での重賞勝利歴、もしくはGⅠ4着以内の実績を持っていた。2年以上に及ぶ整備工事を経て4月にグランドオープンを迎えたばかりの昨年は、京都競馬場未経験のプラダリアが優勝したが、さらに1年が経過した今年はコース適性も重要なファクターとなってきそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 京都競馬場での主な実績 |
---|---|---|
2014年 | ラストインパクト | 菊花賞(GⅠ)4着 |
2015年 | ラブリーデイ | 京都記念(GⅡ)1着 |
2016年 | キタサンブラック | 天皇賞(春)(GⅠ)1着 |
2017年 | スマートレイアー | 秋華賞(GⅠ)2着 |
2018年 | サトノダイヤモンド | 菊花賞(GⅠ)1着 |
2019年 | ドレッドノータス | 京都2歳S(GⅢ)1着 |
2020年 | グローリーヴェイズ | 日経新春杯(GⅡ)1着 |
2023年 | プラダリア | 京都不出走 |
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