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牡3歳
調教師:友道康夫(栗東)
ここまで無傷の3連勝。1分57秒1のコースレコードで皐月賞を制した。今回の東京コースも、メイクデビュー東京(芝2000メートル)と共同通信杯でクリア済み。堂々の主役候補として世代の頂点を取りにいく。
2番人気で挑んだ前走・皐月賞。大逃げに出たメイショウタバル(17着)が刻んだ前半1000メートル通過タイム57秒5は、1986年以降の皐月賞で最速のハイペースだった。その流れを道中5番手付近で果敢に追走し、最後は迫るコスモキュランダをクビ差振り切ってゴール。1分57秒1のコースレコードで一冠目を手にした。騎乗した戸崎圭太騎手は「いいスタートを切っていい位置を取れました。馬とのリズムを大事に乗りました」と、会心の騎乗を振り返った。今回と同じ東京の2走前・共同通信杯(1着)では一級の切れ味をアピール。2020年コントレイル以来4年ぶり8頭目の“無敗二冠”達成で、世代最強を証明する。馬名の由来は「冠名+イタリアの地名」。
牡3歳
調教師:国枝栄(美浦)
母はアメリカのG1を制したフィンレイズラッキーチャーム。本馬は無傷の3連勝でスプリングSを制した後は、皐月賞を見送ってここに照準を合わせてきた。狙い澄ました大舞台で、渾身の走りを見せる。
1番人気の前走・スプリングS。抜群のスタートからスッと好位につけて手応え良く道中をクリアすると、直線では悠々と独走態勢。余裕たっぷりに後続を3馬身1/2突き放し、無傷の3連勝で初重賞タイトルを手にした。騎乗したC.ルメール騎手は「向正面でペースが遅くなると思った。前に馬を行かせて、いい位置につけられました。能力が高いですね」と高く評価した。気になるのは全3戦が中山という点か。中山デビュー組は1990年のアイネスフウジン以来、日本ダービー勝利から遠ざかっている。それでも、大仕事を期待したくなるポテンシャル。名伯楽・国枝栄調教師、悲願のダービー初勝利となるか。馬名の由来は「イギリス旧硬貨の名。幸運をもたらすお守り。母名より連想」。
牡3歳
調教師:清水久詞(栗東)
半兄にGⅠ7勝の名馬キタサンブラック(父ブラックタイド)がいる良血馬。距離を延ばし続けた近3戦を連勝し、前走・青葉賞で日本ダービーの優先出走権をゲット。兄をほうふつとさせるスタミナで、青葉賞組初の優勝を目指す。
2番人気だった前走・青葉賞。鮮やかに逃げ切った2走前の1勝クラス・大寒桜賞(中京・芝2200メートル)とは違い、好位のインで折り合った。直線ではスッと反応すると、迫るショウナンラプンタをアタマ差振り切ってゴール。半兄キタサンブラックを思い起こさせるレースセンスを見せた。騎乗した武豊騎手は「いろいろなレースをしてきたし、今日も流れに乗れればと思っていました」と相棒を称えた。兄同様にデビューは遅かったが、そこからメキメキと成長。勝てば2000年アグネスフライト以来の“年明けデビュー馬のダービー制覇”となる。いまだ青葉賞組からダービー馬は出ていないが、兄の果たせなかったダービー制覇に挑む。馬名の由来は「母名の一部+時(フィンランド語)」。
牡3歳
調教師:加藤士津八(美浦)
弥生賞ディープインパクト記念を制しながら7番人気の評価だった前走・皐月賞。中団から鋭く弾け、勝ち馬ジャスティンミラノとタイム差なしの2着なら、ここでも高い評価が必要になる。前走で泣いたクビ差を埋めてみせる。
7番人気の前走・皐月賞。道中は中団でじっと自分のリズムを刻み、直線は外へ。一完歩ずつ前との差を詰めたが、最後はジャスティンミラノにクビ差だけ屈した。騎乗したJ.モレイラ騎手は「前のポジションを取れてリズム良く行けました。最後まで一生懸命走ってくれたけど、強い馬が1頭いましたね」と納得の表情だった。デビュー戦では最下位の12着に敗れたが、そこから着実に力をつけて世代の頂点を狙える位置に。デビュー戦を2桁着順で敗れた馬の戴冠となれば、2014年ワンアンドオンリー以来2頭目となる。昨年の日本ダービーは皐月賞2着のタスティエーラが逆転で制しており、本馬も堂々と戦う。馬名の由来は「冠名+オーストラリア北東部の熱帯雨林。世界遺産」。
牝3歳
調教師:木村哲也(美浦)
ディープインパクトの半妹ランズエッジを祖母に持つ重厚な母系で、近親には今年の桜花賞を制したステレンボッシュがいる。グレード制導入後では初となる牝馬による皐月賞、ダービーの連戦。歴史に名を刻むことができるのか、注目だ。
76年ぶりの牝馬Vがかかった前走・皐月賞は1番人気に。後方待機の苦しい位置取りとなり、さらに、ハイペースでうまく脚をためることもできなかった。それでも6着確保なら、地力は示した形だろう。騎乗した北村宏司騎手は「1歩目が速くないので、前に入られる形になってしまいました。4コーナーではモタれる面がありながらも伸び始めてくれたのですが、最後は思ったより苦しい伸びになって前を捕らえられませんでした」と振り返った。前回が決して力負けではないとの見立てがあってこその日本ダービー挑戦。2007年ウオッカ以来、史上4頭目となる牝馬のダービーVを狙う。馬名の由来は「ポルトガル中西部の都市シントラにある宮殿」。
牡3歳
調教師:武井亮(美浦)
レガレイラと同じ祖母ランズエッジという筋の通った母系。京成杯2着から挑んだ前走・皐月賞では、強烈な末脚を繰り出して4着に善戦した。1勝クラス・百日草特別(芝2000メートル)勝ち以来の東京で、その末脚が輝く。
6番人気だった前走・皐月賞。中団後方でじっと末脚をためて直線勝負へ。前が止まらないなかでもじわじわと差を詰め、勝ち馬から0秒4差の4着まで追い上げた。騎乗した横山武史騎手は「今日の馬場だともうひとつ前のポジションが欲しかったですね」と振り返った。祖母にランズエッジを持つ血統は桜花賞馬ステレンボッシュ、ホープフルS勝ち馬レガレイラと同じで、スタミナ豊富な母系。奇しくも父スワーヴリチャード、祖父ハーツクライがどちらも日本ダービーで2着に敗れている因縁もある。前走の末脚は、いかにも東京の長い直線向き。スムーズに伸びてくれば、強敵ぞろいの一戦でもチャンスは十分にありそうだ。馬名の由来は「洗練された。母名より連想」。
牡3歳
調教師:堀宣行(美浦)
半姉が2020年東京新聞杯など重賞3勝を挙げたプリモシーン(父ディープインパクト)という血統で、2022年のセレクトセールで5億円近い額で取引された素質馬。前走・プリンシパルS(リステッド・東京・2000メートル)からの連勝を目指す。
1番人気に支持された前走のプリンシパルS(リステッド)。スローペースを中団で折り合い、直線で満を持して追い出されると、上がり3ハロン33秒4(推定)の瞬発力でスパッと差し切った。騎乗したJ.モレイラ騎手は「外枠(8枠13番)が心配だったけど、好スタートからいいポジションが取れました。精神面も成長しているし、一度使ってさらによくなると思う。2400メートルのほうがよりポテンシャルを発揮できる」と、日本ダービーの舞台での活躍を予言した。3走前のアイビーS(リステッド・東京・芝1800メートル)ではレガレイラ(3着)に先着して勝利。史上初のプリンシパルSからのダービー制覇をイメージできる器の持ち主だ。馬名の由来は「冠名+オーストラリアの一枚岩の名前」。
牡3歳
調教師:矢作芳人(栗東)
2020年の凱旋門賞(G1・フランス)を制したソットサスの全弟という良血馬。前走・皐月賞も5着に頑張り、ここまで重賞3連対の地力は世代上位だ。母系から受け継いだスタミナを生かして逆転Vを狙う。
5番人気の前走・皐月賞は中団を追走。直線はしぶとく脚を使ったが、上位馬たちとは勢いで見劣りした(5着)。騎乗した坂井瑠星騎手は「勝ち馬をマークしながら道中はいい感じで運べましたが、ペースが速かったです。現状の力は出し切れたと思います」と敗因を分析。好位から好走した3走前のホープフルS(2着)、2走前の弥生賞ディープインパクト記念(2着)とは異なるペースが影響した印象も受けた。ヨーロッパに祖を持つ重厚な母系。これまで外国産馬の日本ダービー最高着順は2002年シンボリクリスエスの2着となっているが、そのスタミナを武器に史上初の快挙達成となるか。デビュー戦勝ち以来の東京コースにも不安はない。馬名の由来は「真の皇帝、新しい皇帝」。
(高木 翔平)
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