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その年の欧州年度代表馬ガイヤースが制した2020年に「ロンジンワールドベストレース」の座についた、10ハロン路線における最重要競走の一つがインターナショナルステークスだ。今年も豪華な顔触れが集まった。
中心視されているのは、3歳世代のシティオブトロイだ。昨年度の欧州最優秀2歳牡馬で、今年春のクラシック戦線の最有力候補と目されていたが、三冠初戦の英2000ギニー(G1・イギリス)ではよもやの9着に大敗。しかし、二冠目の英ダービー(G1・イギリス)では見事な巻き返しを見せて快勝している。古馬との初対決となった前走のエクリプスS(G1・イギリス)でも、渋り気味だった馬場にてこずりながらも勝ち切り、能力の高さを見せつけた。
3歳馬では、英ダービーが2着、愛ダービー(G1・アイルランド)が3着と、世代屈指の実力馬であることを実証しているアンビエンテフレンドリー、6馬身差で圧勝した前走ロイヤルアスコットのキングエドワードⅦ世S(G2・イギリス)を含めて、目下重賞3連勝中という上がり馬カランダガンも、争覇圏にいる馬と見られている。
古馬勢の筆頭格と目されるのが、7月27日にヨークで行われた地元の前哨戦ヨークS(G2・イギリス)を制し、このレース連覇を果たすとともに4度目の重賞制覇を飾っての参戦となるアルフレイラだ。G1勝ちの実績はない一方、ヨークではここまで4戦し、3勝、2着1回と、抜群のコース適性を誇る。
フランスにおけるこの路線のG2・アルクール賞の勝ち馬がザラケムだ。初めてのイギリス遠征となったロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズS(G1・イギリス)では、6度目のG1制覇を果たしたオーギュストロダンに3/4馬身差まで迫る2着に健闘。一線級に入っても戦えることを示している。
ここに日本から挑むのがドゥレッツァだ。2歳11月にデビュー2戦目で初勝利を挙げると、そこから破竹の5連勝で菊花賞を優勝。重賞初挑戦でクラシック制覇を果たすという離れ業を演じた。前走の天皇賞(春)では生涯初の大敗を喫した(15着)が、前半から折り合いを欠き、まったく自分の競馬ができなかった。その後、脚元の不安もあったが症状は軽微で、すぐにここを目標に乗り込みを開始。現地時間8月4日早朝に現地での拠点となるニューマーケットに到着後も、順調に調整されている。ほとんどの競馬場にきつい起伏があるイギリスにあって、比較的平坦なのがヨークだ。日本馬が本来のパフォーマンスを発揮しやすい舞台だけに、大きな期待をかけたい。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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