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ドゥレッツァ/シティオブトロイ
過去10年の平均出走頭数は7.1頭と、少数精鋭となることが多いのがインターナショナルSだ。ところが今年は13頭立てと、12頭が揃った2016年に続き、ここ10年では2度目の二桁頭数となった。今年の英ダービー(G1・イギリス)勝ち馬シティオブトロイという、確固たる軸馬がいるのにもかかわらず、だ。
これが意味するものは、果たして何か。 シティオブトロイの前走エクリプスS(G1・イギリス)が勝つには勝ったものの、いささか手薄なメンバーを相手に手こずっており、これならば「シティオブトロイ恐れるに足らず」と見た陣営が、少なくないということだろう。
良馬場のヨークが舞台ならば、シティオブトロイは本領を発揮するというのが、筆者の見解だ。だがそれでも、ヨーロッパ現役最強とうたわれる同馬を倒す可能性があるのが、ドゥレッツァと見ている。8月4日早朝にニューマーケット入りして以降の状態がすこぶる良好で、なおかつ、良馬場のヨークはドゥレッツァにとってもおあつらえ向きの条件であることが、その根拠である。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
カランダガン/シティオブトロイ
見どころの大変多い今年のインターナショナルSだが、その1つが、エプソムを舞台とした英ダービー(G1・イギリス)1、2着馬の再戦にある。シティオブトロイに関しては、英ダービー後に2ハロンほど距離が短いエクリプスSを走った時のレースぶりが、期待が高かった割には案外だったという声も聞かれているが、このレースで入着した馬たちが、その後にG1競走で好パフォーマンスを見せており、私自身の中ではエクリプスSの評価が高まっている
フランスから2頭が参戦してくるのも、さらなる見どころの1つだ。中でもロイヤルアスコットのキングエドワードⅦ世Sを6馬身差で制しての参戦となるカランダガンを、筆者は高く評価している。
残念ながら、ドゥレッツァを2頭の推奨枠に入れることはできなかったが、イギリスにおける前売りマーケットで、この馬が過小評価されていることは明らかだ。そのドゥレッツァ、もう1頭のフランス調教馬ザラケム、そして、抜群のコース実績を誇るアルフレイラの3頭は、セレクションには名前がないが、私自身の馬券の対象にしたいと考えている。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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