3連単が導入された2004年以降、2010年までの福島記念では計7回のうち5回で3連単の配当が20万円を超えていた。一方、2011年から2023年までの計13回を見ると、3連単の配当が20万円を超えたのは2014年(36万750円)のみ、10万円を超えたのも2014年と2022年(10万7530円)の2回だけである。実績に応じた負担重量を課されるハンデキャップ競走だが、どちらかと言うと大きな波乱が起きづらい一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、枠番が1枠から5枠だった。一方、6枠から8枠だった馬は3着内率8.3%と苦戦している。外寄りの枠は劣勢とみるべきだろう。〔表1〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜5枠 | 10-7-8-74 | 10.1% | 17.2% | 25.3% |
6〜8枠 | 0-3-2-55 | 0% | 5.0% | 8.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中15頭は、前走がGⅠ・GⅡだった。該当馬は3着内率も32.6%と優秀な水準に達している。前走が当レースより格の高いレースだった馬は、マークしておいた方がよさそうだ。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ・GⅡ | 4-6-5-31 | 8.7% | 21.7% | 32.6% |
その他 | 6-4-5-98 | 5.3% | 8.8% | 13.3% |
なお、前走がGⅠ・GⅡ以外だったにもかかわらず3着以内に入った15頭のうち11頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下でも1着馬とのタイム差が0.4秒以内だった。前走がGⅠ・GⅡではなかった馬のうち、そのレースで勝ち馬に0.5秒以上のタイム差をつけられてしまった馬は、過信禁物とみておきたい。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.4秒以内 | 5-3-3-32 | 11.6% | 18.6% | 25.6% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.5秒以上 | 1-1-2-66 | 1.4% | 2.9% | 5.7% |
過去6年の福島記念における前走の距離別成績を見ると、前走が2100メートル超だった馬が3着内率36.4%と優秀な成績を収めている。一方、1800メートル以下だった馬は3着内率6.5%と苦戦している。前走の距離が長かった馬ほど信頼できると言えるだろう。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1800m以下 | 0-2-0-29 | 0% | 6.5% | 6.5% |
2000m〜2100m | 2-2-4-35 | 4.7% | 9.3% | 18.6% |
2100m超 | 4-2-2-14 | 18.2% | 27.3% | 36.4% |
過去6年の優勝馬6頭は、いずれも年齢が4歳から6歳、かつ前走との間隔が中6週以内だった。3歳馬や7歳以上の馬、休養明けの馬は評価を下げるべきだろう。また、この6頭は枠番が1枠から5枠だった点、前走の距離が2000メートル以上だった点も共通している。〔表1〕、〔表4〕などで挙げた傾向も考慮したうえで絞り込みたいところだ。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 年齢 | 前走との間隔 | 枠番 | 前走の距離 |
---|---|---|---|---|---|
2018年 | スティッフェリオ | 4歳 | 中3週 | 1枠 | 2000m |
2019年 | クレッシェンドラヴ | 5歳 | 中6週 | 5枠 | 2200m |
2020年 | バイオスパーク | 5歳 | 中4週 | 2枠 | 2400m |
2021年 | パンサラッサ | 4歳 | 中3週 | 4枠 | 2000m |
2022年 | ユニコーンライオン | 6歳 | 中4週 | 1枠 | 2400m |
2023年 | ホウオウエミーズ | 6歳 | 中2週 | 3枠 | 2200m |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。