今週の注目レース

アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)

東京競馬場 1800メートル(芝)別定 (牝) 3歳以上オープン

データ分析

現役屈指の強豪牝馬が東京に集結

昨年の府中牝馬Sを制したディヴィーナは、同年春のヴィクトリアマイルで4着に好走していた。また、2着のルージュエヴァイユは次走のエリザベス女王杯でも2着に食い込んでいる。既に大舞台で好走したことのある実績馬と、これから大舞台を目指す新興勢力が激突する一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

前年以降の重賞実績が重要

過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前年以降にJRAの2000メートル未満の重賞で2着以内に入った経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.4%と苦戦している。今年で言うと、2023年以降にJRAの2000メートル未満の重賞で連対を果たしていない馬は評価を下げるべきだろう。〔表1〕

〔表1〕前年以降にJRAの2000メートル未満の重賞で2着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 7-9-9-44 10.1% 23.2% 36.2%
なし 3-1-1-63 4.4% 5.9% 7.4%

前走好走馬が中心

過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、前走が国内かつ着順が1着、もしくは前走が2着で1着馬とのタイム差が0.6秒以内だった。一方、前走が国内かつ着順が2着以下で1着馬とのタイム差が0.7秒以上だった馬は3着内率11.6%とやや苦戦している。〔表2〕

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表2〕前走が国内だった馬の、前走の着順ならびに1着馬とのタイム差別成績(過去10年)
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 成績 勝率 連対率 3着内率
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.6秒以内 10-8-6-68 10.9% 19.6% 26.1%
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.7秒以上 0-1-4-38 0% 2.3% 11.6%

なお、前走が国内かつ着順が2着以下で1着馬とのタイム差が0.7秒以上だったにもかかわらず3着以内に入った5頭は、いずれも前年以降のJRAのGⅠで3着以内に入った経験がある馬だった。2023年以降のビッグレースで馬券に絡んだことのある馬でない限り、大敗直後の馬は割り引きが必要だろう。〔表3〕

〔表3〕前走が国内、かつ着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.7秒以上だった馬の、前年以降にJRAのGⅠで3着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 0-1-4-7 0% 8.3% 41.7%
なし 0-0-0-31 0% 0% 0%

同年に東京で15頭以上のレースを走っていない馬が不振

過去5年の3着以内馬延べ15頭中13頭は、同年の東京競馬場の出走頭数が15頭以上のレースに出走した経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率8.3%と苦戦している。年明け以降に今回と同じ東京コース、かつ15頭以上のレースを走っていない馬は、過信禁物とみておきたい。〔表4〕

〔表4〕同年の東京競馬場の出走頭数が15頭以上のレースへの出走経験の有無別成績(過去5年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 4-4-5-32 8.9% 17.8% 28.9%
なし 1-1-0-22 4.2% 8.3% 8.3%

馬番に注目

過去5年のうち出走頭数が9頭以上だった4回(2019年、2021年から2023年)における3着以内馬12頭中10頭は、馬番が1番から8番だった。一方、9番から18番だった馬は3着内率6.9%と苦戦している。多頭数になった場合は内めの馬番に入った馬が優勢なレースと言えるだろう。〔表5〕
〔表5〕過去5年のうち出走頭数が9頭以上だった年における馬番別成績(2019年、2021年から2023年)
馬番 成績 勝率 連対率 3着内率
1〜8番 4-4-2-22 12.5% 25.0% 31.3%
9〜18番 0-0-2-27 0% 0% 6.9%
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前走の距離などが明暗を分けそう

過去6年の優勝馬6頭は、いずれも前走の距離が2000メートル未満、かつ前走の4コーナー通過順が4番手から10番手だった。前走が今回より長い距離のレースだった馬、前走の4コーナーを3番手以内や11番手以下で通過していた馬は、勝つ可能性が低いとみてよさそうだ。また、この6頭は前走の着順が1着、もしくは2着以下だったとしても1着馬とのタイム差が0.5秒以内だった点、当レースでの馬番が4番から8番だった点も共通している。〔表2〕や〔表5〕などで挙げた傾向も考慮したい。〔表6〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表6〕優勝馬の前走の距離、前走の4コーナー通過順、前走の着順(1着馬とのタイム差)、馬番(過去6年)
優勝馬 前走の距離 前走の4コーナー通過順 前走の着順(1着馬とのタイム差) 馬番
2018年 ディアドラ 1800m 7番手 1着 4番
2019年 スカーレットカラー 1800m 10番手 2着(0.0秒) 8番
2020年 サラキア 1800m 9番手 1着 4番
2021年 シャドウディーヴァ 1600m 7番手 7着(0.5秒) 7番
2022年 イズジョーノキセキ 1800m 4番手 1着 6番
2023年 ディヴィーナ 1600m 4番手 2着(0.1秒) 7番

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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