今週の注目レース

アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)

東京競馬場 1800メートル(芝)別定 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

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ブレイディヴェーグ

牝4歳

調教師:宮田敬介(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:インナーアージ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

叔母にミッキークイーン(GⅠ2勝)、近親にエピファニー(2024年小倉大賞典V)などがいる優秀な母系の出身。本馬は昨年、3歳でエリザベス女王杯を優勝した。その後は脚元の不安があり、ここは約11か月ぶりの実戦。レース勘は鍵だが、地力で突破可能だろう。

昨年のエリザベス女王杯は、重賞未勝利、GⅠ初挑戦の身で1番人気に支持された。最内枠からインの好位を確保し、ラストは豪快に突き抜けて優勝。イクイノックスと並ぶ最少キャリア(5戦目)での古馬GⅠ制覇を達成した。騎乗したC.ルメール騎手は「手応えがとても良かったし、勝つ自信がありました」と振り返った。2度の骨折を乗り越えての戴冠だったが、その後は再び脚元の不安で長期休養へ。中間は懸命な調整で昨秋の状態を取り戻そうとしている。じっくり構えて持ち味を生かせる東京コースではこれまで2戦2勝。女王の復帰戦にふさわしい舞台だ。馬名の由来は「広い道(オランダ語)」。

マスクトディーヴァ

牝4歳

調教師:辻野泰之(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:マスクオフ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

昨年のローズSを上がり3ハロン33秒2(推定)の末脚で制すなど、終いの切れ味は相当。秋華賞(2着)でリバティアイランドを0秒1差まで追い詰めたのは記憶に新しい。東京の長い直線で、持ち味を全開する。

GⅠで1番人気に支持された前走のヴィクトリアマイル。道中は中団を追走し、いつも通りの直線勝負へ。あとはいつものように末脚を伸ばすだけだったが、結果は3着だった。騎乗したJ.モレイラ騎手は「イメージしたポジションから競馬ができたのですが。最後まで馬は頑張ってくれて感謝しています」と振り返った。約5か月の休み明けで臨む秋初戦。これまで東京では勝ち星を挙げられていないが、末脚を生かせるコース形態を思えば適性が低いということはないはず。2023年のローズSを1分43秒0のコースレコードで優勝しており、時計勝負は望むところだろう。馬名の由来は「仮面の歌姫」。

フィアスプライド

牝6歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ストロベリーフェア
  • 母の父:Kingmambo
ここに注目!

全姉に2020年秋華賞3着のソフトフルートがいる。本馬は東京のヴィクトリアマイルで2着、安田記念でも勝ち馬から0秒5差の7着と善戦した。昨年からトライしてきた先行策が板についた印象。完成度の高まった6歳秋初戦に注目したい。

13番人気だった前走・安田記念。スッと好位3番手を確保し、リズム良く道中をクリアした。好走を予感させる隙のない立ち回りだったが、結果的には差し・追い込み勢が上位を独占する決着に。香港の強豪・ロマンチックウォリアーから0秒5遅れた7着でゴールを駆け抜けた。騎乗した坂井瑠星騎手は「一番欲しいポジションが取れて道中もいい感じでした。この馬の力は出せたと思います」と話した。2走前ヴィクトリアマイルも差し勢が台頭するなか、好位から2着を死守。展開不向きのGⅠ2連戦で崩れなかった事実は大きい。地力確かなディープインパクト産駒が、ここでもしぶとい走りを見せる。馬名の由来は「断固としたプライド」。

コンクシェル

牝4歳

調教師:清水久詞(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ザナ
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

スピード上位で展開の鍵を握る一頭。近3戦でハナを奪い、今年3月の中山牝馬Sでは鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた。強敵がそろった前走のクイーンSも勝ち馬から0秒1差に好走。開幕序盤の芝コンディションを加味すれば、簡単には止まらない。

前走のクイーンSは初の洋芝コースに加え、雨の残る稍重馬場。戸惑いもあっただろうが、逃げてまずまず締まったペースを演出した。ラストは4頭に差されたが、3歳馬の1着コガネノソラ、2着ボンドガールは自身より5キログラムも軽い51キログラムでの出走。その2頭から0秒1差なら、力は示した形だろう。騎乗した横山武史騎手は「スタートは速くないと聞いていたけど、何とかハナに行けて、この馬の競馬はできました。もう少しでした」と悔しがった。全5勝のうち、3勝が逃げ切り勝ちで、4勝が今回と同じ1800メートル戦と、この条件で逃げられれば粘り強い。馬名の由来は「ピンク色の美しい真珠を生み出す母貝」。

コスタボニータ

牝5歳

調教師:杉山佳明(栗東)

  • 父:イスラボニータ
  • 母:レディイン
  • 母の父:Kendor
ここに注目!

近親には今年のフェアリーSを優勝し、NHKマイルCで5着だったイフェイオンがいる。本馬は今年4月の福島牝馬Sを優勝し、前走の小倉記念でも2着に好走。安定して力を出せるタイプだけに、ここも上位争いが濃厚だ。

4番人気だった前走の小倉記念。道中は逃げ馬から離れた2番手を追走。直線で一度は先頭に立ったが、中団から伸びたリフレーミングにクビだけ差されて2着に敗れた。それでも、牝馬で56キログラムのハンデを背負いながら、コースレコード決着の2着は地力の証明だろう。騎乗した坂井瑠星騎手も「すごくうまくいきました。牡馬相手によく頑張ってくれたと思います」と相棒を称えた。2走前のマーメイドSは位置を取れずに10着に敗れたが、本来は先行力が安定感につながるタイプ。重賞馬として挑む今年は、昨年(8着)以上の結果を期待したい。馬名の由来は「美しい海岸(スペイン語)。父名より連想」。

モリアーナ

牝4歳

調教師:武藤善則(美浦)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ガルデルスリール
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

前走のクイーンSこそ12着に敗れたが、4月の阪神牝馬Sで3着など、重賞で差のない競馬を披露している。昨年の紫苑S(1着)で見せた強烈な末脚が売り。2走前のヴィクトリアマイル(7着)で鋭く伸びていたように、東京への不安もないだろう。

8番人気だった前走のクイーンSは、大外枠から外めを回る形となった。それでも最後まで懸命に脚を伸ばし続け、12着でも勝ち馬コガネノソラとは0秒7差。着順ほど悲観する内容ではなかったはずだ。東京は2022年メイクデビュー東京(芝1600メートル)で鮮烈な初陣Vを飾り、2走前のヴィクトリアマイルでも勝ち馬から0秒5差の7着。2023年のNHKマイルC6着、秋華賞5着など、GⅠタイトルにもあと少しのところまで迫っている。その血を後世に残すため、年内で引退の予定。集大成の秋へ、まずは始動戦で格好をつけたいところだ。馬名の由来は「スラブの伝承に登場する風の女神」。

ハーパー

牝4歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:セレスタ
  • 母の父:Jump Start
ここに注目!

半姉は2022年のJBCレディスクラシック(JpnⅠ)を制したヴァレーデラルナ(父ドゥラメンテ)。本馬は昨年の牝馬三冠で存在感を放ち、エリザベス女王杯でも3着に好走した実力馬だ。

昨年の牝馬三冠は桜花賞4着、オークス2着、秋華賞3着と、三冠を制したリバティアイランドには及ばなかった。その後、エリザベス女王杯でも3着に好走。勝ち馬ブレイディヴェーグから0秒2差と力を示した。近3戦は苦戦を強いられているが、有馬記念(9着)、大阪杯(13着)は強豪牡馬が相手。前走・ヴィクトリアマイル(15着)は、久々のマイル戦の流れに対応できなかった印象だ。それだけに、1800メートルへの距離延長は歓迎だろう。年齢を重ねて実力が伴ってくる馬が多いハーツクライ産駒。4歳秋初戦でたくましくなった姿を期待したい。馬名の由来は「ハープを弾く人」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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