春に争われた桜花賞、オークスからひと夏を越し、秋の京都のターフを舞台に3歳牝馬が最後の一冠を懸けて集う一戦。栄冠を手にするのは、春の実績馬か、それとも夏に成長を遂げた馬か。阪神競馬場で開催された2021年と2022年を含めた過去10年の結果から、好走馬の共通点を探っていこう。
過去10年の勝ち馬はいずれも前走で3着以内に入っていた。また、3着以内馬で見ても30頭中25頭が前走3着以内で、前走3着以内の各グループは好走率でも4着以下の馬を上回っている。なお、前走で6着以下だった馬のうち3着以内に入ったのは1頭のみなので、大きく評価を下げざるを得ないだろう。〔表1〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 5-4-5-38 | 9.6% | 17.3% | 26.9% |
2着 | 4-0-2-17 | 17.4% | 17.4% | 26.1% |
3着 | 1-3-1-15 | 5.0% | 20.0% | 25.0% |
4、5着 | 0-3-1-19 | 0% | 13.0% | 17.4% |
6〜9着 | 0-0-1-25 | 0% | 0% | 3.8% |
10着以下 | 0-0-0-29 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の単勝人気別成績において、勝ち馬10頭はいずれも前走で3番人気以内に支持されていた。3着内率でも前走1番人気と2番人気が30%以上をマークしており、前走での単勝人気が上位なほど好走率もアップする傾向にある。前走の着順に加え、単勝人気もしっかりチェックしておきたい。〔表2〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 7-2-2-23 | 20.6% | 26.5% | 32.4% |
2番人気 | 2-3-2-16 | 8.7% | 21.7% | 30.4% |
3番人気 | 1-1-1-11 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
4、5番人気 | 0-2-3-28 | 0% | 6.1% | 15.2% |
6〜9番人気 | 0-2-1-38 | 0% | 4.9% | 7.3% |
10番人気以下 | 0-0-1-27 | 0% | 0% | 3.6% |
過去10年の出走馬の前走の4コーナー通過順別成績では、10番手以下組が5勝を挙げ、勝率でトップとなっている。次いで優勝回数が多いのが5番手から9番手組の4勝で、同組は3着以内馬30頭中17頭を占め、3着内率が高くなっている。一方で、4番手以内組は3着以内馬が7頭出ているものの、3着内率は9.7%とやや苦戦傾向にある。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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4番手以内 | 1-3-3-65 | 1.4% | 5.6% | 9.7% |
5〜9番手 | 4-6-7-45 | 6.5% | 16.1% | 27.4% |
10番手以下 | 5-1-0-33 | 12.8% | 15.4% | 15.4% |
過去10年の出走馬の春の二冠(桜花賞・オークス)での最高着順別に成績を調べてみると、桜花賞・オークスのいずれかで2着以内に入っていた馬は3着内率が50%を超えている。また、3着だった馬も同42.9%と高い数値になっているので、まずは春の二冠で上位に入った実績のある馬を高く評価すべきだろう。なお、春の二冠に不出走だった馬も9頭が3着以内に入っているので、ひと夏を越して力をつけてきた上がり馬の精査も怠らないようにしたい。〔表4〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 4-1-1-5 | 36.4% | 45.5% | 54.5% |
2着 | 2-2-3-5 | 16.7% | 33.3% | 58.3% |
3着 | 1-2-0-4 | 14.3% | 42.9% | 42.9% |
4着 | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
5着 | 0-1-0-10 | 0% | 9.1% | 9.1% |
6着以下 | 0-0-2-54 | 0% | 0% | 3.6% |
両レース不出走 | 2-3-4-59 | 2.9% | 7.4% | 13.2% |
過去10年の優勝馬10頭は、過去2走のうち1度はオープンクラスの競走に出走し、該当した全てのレースで4着以内に入っていた。近走でオープンクラスのレースを好走しているような馬から、優勝候補を見つけたい。〔表5〕
(河野 道夫)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 過去2走のオープンクラスでの着順 |
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2014年 | ショウナンパンドラ | 紫苑S2着 |
2015年 | ミッキークイーン | ローズS2着、オークス1着 |
2016年 | ヴィブロス | 紫苑S2着 |
2017年 | ディアドラ | 紫苑S1着 |
2018年 | アーモンドアイ | オークス1着、桜花賞1着 |
2019年 | クロノジェネシス | オークス3着、桜花賞3着 |
2020年 | デアリングタクト | オークス1着、桜花賞1着 |
2021年 | アカイトリノムスメ | オークス2着、桜花賞4着 |
2022年 | スタニングローズ | 紫苑S1着、オークス2着 |
2023年 | リバティアイランド | オークス1着、桜花賞1着 |
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