3歳のダート路線は今年、三冠競走を中心とした体系整備が行われた。レパードSは開催時期・コースともこれまでと同じだが、地方競馬を含めた3歳ダート重賞路線全体に変更が加えられたことで、各馬のここまでの出走過程は変わってくるだろう。まずは過去10年の結果から、レースの特徴をしっかりと把握しておこう。
過去10年の前走別成績で3着内率42.1%の成績を残すジャパンダートダービーは今年、レース名を変えて秋に移設された。その代わり、同じく大井・ダート2000メートルで行われる6月の東京ダービーがJpnⅠとなったので、このレースから出走してくる馬がいれば注目しておいた方がいいかもしれない。また、ユニコーンS組が4勝を挙げているが、同レースは今年から4月に開催時期が繰り上げられたことで、直接臨んでくる馬は減ることが考えられる。条件クラス組に目を向けると、2023年は前走3勝クラス4着のライオットガールが勝利を収め、2着と3着には前走で1勝クラスを勝ったばかりの馬が入った。2022年優勝のカフジオクタゴン、2021年優勝のメイショウムラクモは2勝クラスを勝っての参戦だった。条件クラスを勝ったばかりの馬の勢いも無視できないだろう。〔表1〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ユニコーンS | 4-0-0-17 | 19.0% | 19.0% | 19.0% |
その他のJRA重賞 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
オープン特別 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
3勝クラス | 1-0-1-1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
2勝クラス | 2-2-2-41 | 4.3% | 8.5% | 12.8% |
1勝クラス | 0-4-1-30 | 0% | 11.4% | 14.3% |
ジャパンダートダービー | 2-3-3-11 | 10.5% | 26.3% | 42.1% |
その他の地方のレース | 0-0-2-5 | 0% | 0% | 28.6% |
海外のレース | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
前走別の傾向からもわかるように、レパードSでは早い時期からダートのオープンクラスで戦ってきた馬と、条件クラスを勝ち上がったばかりの馬が一堂に会するため、力関係の把握が難しい。過去10年の全てで単勝6番人気以下の馬が馬券に絡み、2桁人気馬が2勝を含む3着以内7回と、下位人気馬の好走が多くなっている。気になる馬は人気にかかわらず押さえておくといいだろう。〔表2〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-3-1-3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
2番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
5番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 2-1-5-32 | 5.0% | 7.5% | 20.0% |
10番人気以下 | 2-3-2-51 | 3.4% | 8.6% | 12.1% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、26頭はJRAで行われたダート1800メートルのレースを勝っていた。その勝利数が多いほど好走率が高く、3勝していた馬は2023年優勝のライオットガールをはじめ半数が馬券に絡んでいる。一方、JRAのダート1800メートル戦で未勝利だった馬は3着内率が10%に届かず、特にここ5年は〔0・0・1・19〕と厳しい戦いを強いられている。〔表3〕
勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3勝 | 2-0-1-3 | 33.3% | 33.3% | 50.0% |
2勝 | 4-7-4-36 | 7.8% | 21.6% | 29.4% |
1勝 | 2-2-4-36 | 4.5% | 9.1% | 18.2% |
0勝 | 2-1-1-43 | 4.3% | 6.4% | 8.5% |
過去10年の優勝馬の共通点として、通算出走回数が6戦から8戦の範囲だったことが挙げられる。また、2019年のハヤヤッコを除く9頭には、JRA重賞もしくは地方競馬のダートグレード競走で3着以内、オープン特別勝利、2勝クラス勝利の実績が少なくとも1つあった。キャリアの少ない馬や、前走で1勝クラスを勝ったばかりの馬に優勝例がないことを見ても、勝つにはそれ相応の経験値が必要といえそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 通算出走回数 | 主な実績 |
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2014年 | アジアエクスプレス | 6戦 | 朝日杯フューチュリティS1着 |
2015年 | クロスクリーガー | 7戦 | 伏竜S1着、兵庫CS1着、ジャパンダートダービー2着 |
2016年 | グレンツェント | 6戦 | 青竜S1着、ユニコーンS3着 |
2017年 | ローズプリンスダム | 8戦 | 鳳雛S1着 |
2018年 | グリム | 6戦 | 青竜S1着 |
2019年 | ハヤヤッコ | 8戦 | 1勝クラス1着 |
2020年 | ケンシンコウ | 6戦 | ユニコーンS3着 |
2021年 | メイショウムラクモ | 7戦 | 2勝クラス1着 |
2022年 | カフジオクタゴン | 7戦 | 2勝クラス1着 |
2023年 | ライオットガール | 8戦 | 2勝クラス1着 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。