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せん5歳
調教師:堀宣行(美浦)
3勝クラス、日経賞を連勝中。特に前走の日経賞は、重賞初挑戦ながら直線で馬群を割って抜け出してくる強い内容での勝利だった。去勢を経て素質馬が本格化。重賞連勝が期待される。
初勝利は3歳夏の新潟と遅かったが、その後は2着、1着、1着、2着、2着、7着、1着、1着。唯一崩れた7着の3勝クラス・日本海S(新潟・芝2200メートル)は4コーナーで進路を失い、力を出せなかったもの。まったく能力の底を見せておらず、特に去勢手術後のここ2戦は抜群の末脚を発揮。鋭さが増している印象で、何より最後まで集中して走り切れていることが大きい。それが端的に表れたのが前走の日経賞の勝ち方。直線はなかなか進路を確保できず、並の馬なら馬群をさばくのに精いっぱいという状況から一気に突き抜けてみせた。今回の舞台は3戦2勝、2着1回の東京。ここも勝ってさらなる高みを目指す。
牡7歳
調教師:尾関知人(美浦)
長期休養を経て4着、1着、3着、2着。GⅡだったここ2戦でも差のない競馬をしており、地力強化はもちろん、安定感も強調できるところだ。全4勝中2勝が東京。前走の走りなら距離も問題ないだろう。逆転を期す。
長期休養を複数回経験し、出世が遅れたが、これまでの2桁着順はダートだった3勝クラス・立夏S(東京・ダート1600メートル、14着)だけ。父が短距離王のロードカナロア、母が2015年のクイーンSで3着のイリュミナンスという良好な血統背景からも、確かな素質を感じる。昨年11月の3勝クラス・ノベンバーS(東京・芝1800メートル)を勝ってオープンクラス入りを果たすと、重賞初挑戦だったアメリカジョッキークラブCで3着、続く日経賞は初距離ながら2着。ここにきての充実はもちろん、順調にレースに使えている点も推せるところだ。7歳馬だが今回が13戦目。まだ伸びしろを残しており、重賞制覇の可能性は十分にある。
牡4歳
調教師:友道康夫(栗東)
昨年秋の神戸新聞杯で重賞2勝目。今年初戦の日経新春杯で3着に入り、改めて能力を示した。海外遠征を行った前走も正攻法の競馬で3着に入っており、日本ダービー(11着)を除けば2400メートルで常に好走している。この距離でも好勝負になりそうだ。
一昨年12月の未勝利を皮切りに、1勝クラス、京都新聞杯と3連勝。日本ダービーは大外枠も響いて11着だったが、秋初戦の神戸新聞杯では中団追走から直線で馬群を縫うように差して優勝した。菊花賞で10着後、立て直された日経新春杯は長距離戦では珍しいハイペースになったなか、57.5キログラムのハンデを背負いながら積極的な立ち回りで3着。前走のアミールT(G3・カタール・芝2400メートル)も再度積極的な立ち回りで3着に好走しているあたり、2400メートル前後の距離が最適とみてよさそうだ。海外遠征後だが十分な調教量をこなして成長を感じる動き。体調面に不安は感じられず、重賞3勝目が視野に入る。
牡7歳
調教師:友道康夫(栗東)
昨年の本レースの勝ち馬。2021年にも2着があり、さらに同条件で行われているアルゼンチン共和国杯では2年連続の3着。まさにベストの舞台と言っていいだろう。昨年より1キログラム重い59キログラムのハンデ克服が鍵になる。
一番の強調点はコース適性の高さ。ともに東京・芝2500メートルで行われている目黒記念とアルゼンチン共和国杯では、合計4度走って2着、3着、1着、3着の成績を残している。勝った昨年の目黒記念は日経賞6着からの臨戦。今年も日経賞(7着)からと、ここを目標にしているローテーションも推せるところだ。一昨年の天皇賞(春)で4着に健闘。古馬GⅠで掲示板(5着以内)に入った経験がある馬は、今回のメンバーの中で本馬だけ。前記の舞台適性面だけでなく、実績面でも一枚上という評価ができるだろう。59キログラムのハンデは3着だった昨年のアルゼンチン共和国杯と同じ。力は出せそうで、連覇を狙う。
牡8歳
調教師:宮徹(栗東)
2021年の福島民報杯(リステッド・新潟・芝2000メートル)を制した後は勝てていないが、重賞での2着が4回。そのうち3回が東京・芝2500メートルというコース巧者だ。前走の日経賞は勝ったシュトルーヴェから0秒2差の3着。ハンデ戦なら逆転も見えてくる。
一昨年の目黒記念で2着に入り、続く函館記念も2着だったが、繋靱帯炎のため約1年の長期休養へ。復帰後すぐには軌道に乗れなかったが、昨年のアルゼンチン共和国杯2着後はステイヤーズS3着、アメリカジョッキークラブC5着、日経賞3着と、GⅡで連続好走。復調なったとみてよさそうだ。実際、好調ぶりは調教にも表れており、昨年末あたりからずっと動きが良く、8歳ながら体調の良さがうかがえる。前走の日経賞は手応えほど伸び切れなかったようだが、動くタイミング次第で逆転が見込める範囲。何より勝ち馬シュトルーヴェとは今回1キログラムの斤量差がある。待望の重賞制覇は今回かもしれない。
牡6歳
調教師:清水久詞(栗東)
全3勝が2000メートル以下だが、ここ2戦は芝2200メートルの京都記念で4着、芝2400メートルのメトロポリタンS(リステッド・東京)で3着と、距離を延ばして再上昇中。引き続きの東京なら、上積みが見込めるだろう。
2歳時にホープフルS5着の実績。以前は前進気勢が強かったこともあり、2000メートルまでのレース選択がされていたが、初距離だった前々走の京都記念で4着に入ると、さらに距離を延ばした前走のメトロポリタンS(リステッド)でも3着に好走。6歳のこの時期にして長めの距離に適性を見いだした印象だ。3、4歳時と比べて折り合いがスムーズになったことに加えて、“ギアはなかなか上がらないがバテない”というワンペースな面が、長い距離でプラスに働いているよう。2022年1月以来勝ち星から遠ざかっているが、上昇は確か。久しぶりの勝利の美酒となるか、注目だ。
牡5歳
調教師:本田優(栗東)
年明けのオープン特別・万葉S(京都・芝3000メートル)でオープンクラス初勝利。前走の天皇賞(春)はタイム差こそ大きかったが、後方からよく追い上げて8着に入り、改めて長距離適性の高さを証明した。持久力勝負になれば台頭の余地は十分だ。
初勝利と3勝目が芝2600メートル、3勝クラスからの格上挑戦で勝ったオープン特別・万葉Sが3000メートルという生粋のステイヤー。少し驚かされたのが前走の天皇賞(春)だ。勝ち馬から1秒1離されての8着だったとはいえ、ラストは内を突いて上々の伸び。力を出せる距離であったことも確かだが、万葉Sを勝った時が54キログラムのハンデだったことを思えば、地力強化もまた確かと言えるはずだ。東京は昨年の3勝クラス・六社S(芝2400メートル)で経験済み。出遅れが響いての6着だったが、上がり3ハロン最速タイ(推定)の脚で追い込んできたあたり、適性はうかがえた。躍進があっても不思議はない。
牡4歳
調教師:松下武士(栗東)
2勝クラスを勝利した後、休養を挟んで3勝クラスを連勝。パワーアップはもちろんのこと、立ち回りのうまさとセンスの良さは特筆ものだ。一気の相手強化でも、自身の力を出し切ることができそう。勢いを含めて軽視できない。
着差の印象以上に強さを感じたのが前々走の2勝クラス・許波多特別(京都・芝2200メートル)。レースの前半1000メートル通過タイムが1分04秒7というかなりのスローペースだったとはいえ、レースのラスト2ハロン10秒9、11秒0のラップを差した点はなかなか立派。次走で3勝クラスを連勝したのもうなずける好パフォーマンスだった。これまで10戦して掲示板(5着以内)を外したのは1度だけという安定感。また、初勝利が不良馬場で、馬場状態を問わず力を発揮できるタイプだ。オープンクラス入り初戦での重賞挑戦、さらには初コースと条件は簡単ではないが、ハンデ戦のここなら上位争いも可能ではと思わせる。
(山下 健)
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