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牝5歳
調教師:高野友和(栗東)
昨年のマイルチャンピオンシップで念願のGⅠ初制覇。その後香港マイル3着、ドバイターフ2着とその実力は世界レベルに達している。今回は国内に舞台を移して牝馬同士の一戦。マイル女王へ譲れぬ一戦となる。
一昨年の牝馬三冠は10着、3着、2着。エリザベス女王杯では5着とビッグタイトルこそつかめなかったが、牝馬のトップクラスとして世代をけん引した。初の牡馬相手となった昨年の東京新聞杯で2着に入り、秋は富士Sで重賞2勝目をマーク。続くマイルチャンピオンシップはほぼ最後方という位置取りからの追い込み勝ちでGⅠ初制覇を果たした。ここ2戦は香港マイル(G1・芝1600メートル)、ドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)を3着、2着。本格化を示すとともに、その末脚が世界トップレベルであることを示している。今回は国内。しかも牝馬限定戦で重賞勝ちの舞台でもある。当然の主役候補だ。
牝4歳
調教師:辻野泰之(栗東)
昨年秋、ローズSをJRAレコードで勝利すると秋華賞はリバティアイランドを凌ぐ上がりで2着。牝馬トップクラスへ成長を遂げた。前走の阪神牝馬Sで2度目の重賞制覇。GⅠ制覇へ向け視界は良好だ。
一気に注目の的となったのが昨年のローズSだ。当時2勝クラス在籍の身ながら、1分43秒0のJRAレコード勝ち。馬場コンディションの良さを加味しても極めて優秀と言え、それは2着のブレイディヴェーグが次走のエリザベス女王杯を勝ったことからも明らかだ。本馬は秋華賞へと向かい、リバティアイランドに迫る脚を見せての2着。敗れたとはいえ、非凡な脚力をあらためて示す力走だった。今年初戦の東京新聞杯は枠内駐立不良を見せて6着だったが、前走の阪神牝馬Sは発馬を決めて好位からの押し切り勝ちと、ここにきて競馬が上達している。不安なくGⅠを迎えられそうだ。
牝5歳
調教師:高野友和(栗東)
一昨年の秋華賞勝ち馬。昨年の当レースは12着。前走の大阪杯は8着だったが、長期休養明けに加えて牡馬相手を思えば健闘と言えるだろう。使っての上積みが見込める今回は躍進の公算が大きい。
一昨年のフラワーCで重賞勝ちを収めると、オークスは2着。秋は紫苑S、秋華賞を連勝してGⅠウイナーの仲間入りを果たした。その秋華賞の2着馬が、翌年にGⅠを勝つナミュール、3着馬が二冠牝馬スターズオンアースだった。本馬も一層の活躍が期待されたが、直後のエリザベス女王杯は14着。中山記念こそ5着と気を吐いたものの、昨年のヴィクトリアマイルは12着と精彩を欠き、その後は故障で休養に入った。復帰戦となった前走の大阪杯は、積極果敢な逃げで8着。一昨年の活躍を思えば物足りないかもしれないが、復調の兆しは窺えた。今回はもっとやれていいはずで、再度先行なら距離短縮もプラスに思える。
牝4歳
調教師:友道康夫(栗東)
昨年の牝馬三冠で4着、2着、3着。初の他世代相手だったエリザベス女王杯でも3着に入るなど牝馬同士での実力上位は誰が認めるところで、ここ2戦は牡馬相手。牝馬限定戦で見直しが必要だ。
ここ2戦は有馬記念9着、大阪杯13着とひと息だが、それまではデビュー以来全て4着以内という堅実な走りを見せていた。その唯一の4着も桜花賞でのもの。対応力はもちろん、距離、舞台を問わずに走れることが地力の証明と言えそうだ。昨年の成績のなかで高く評価できるのが、今回と同舞台のクイーンCでの優勝。直線はゴチャついた内の馬に寄られて一度は減速するシーンがありながら、再度加速しての差し切りで、決め手の鋭さに加えて集中力を切らすことなく走り切った精神力の強さも特筆できる。それ以来となる東京マイル。大きく変わっていいはずだ。
牝4歳
調教師:木村哲也(美浦)
昨年のNHKマイルCはアタマ差の2着。前走の阪神牝馬Sではマスクトディーヴァに半馬身差の2着と重賞未勝利だがGⅠを勝つだけの力は優に備える。前記NHKマイルCと同じ舞台で勝機を掴めるか。
成績面で最もピックアップできるのが昨年のNHKマイルCでの2着だろう。アタマ差で涙をのんだが、出負け気味のスタートから直線の末脚勝負。ゴール前は際立つ伸びを見せたが、惜しくも届かなかった。その後は骨折のため休養に入り、復帰初戦だった東京新聞杯は9着に敗れたが、続く阪神牝馬Sでは一変の2着。1キログラムの斤量差があったとはいえ、勝ち馬マスクトディーヴァと0秒1差なら再びGⅠで好走できるだけの状態に戻ったと判断してよさそうだ。全兄は2018年のマイルチャンピオンシップを勝ったステルヴィオ。兄と同様、ビッグタイトル獲得へ期待がかかる。
牝4歳
調教師:武藤善則(美浦)
一躍、注目を集めたのが昨年の紫苑S。後方の位置取りから鮮やかな追い込み勝ちを決めた。前走の阪神牝馬Sでも上がり最速タイの32秒9の脚で3着。直線の長い東京でどんな末脚を見せてくれるか注目だ。
驚かされたのが昨年の紫苑Sの末脚だ。レースの前半1000メートル通過タイム58秒1のハイペースだったとはいえ、4コーナー14番手からの追い込み勝ちは強烈なインパクトがあった。続く秋華賞は5着。前々走のアメリカジョッキークラブCは歴戦の牡馬が相手に加えて不良馬場という厳しい条件がそろっていたが、しっかりと脚を伸ばして勝ち馬から0秒2差の4着に入り、地力強化を印象づける走りを見せた。前走の阪神牝馬S(3着)は久しぶりのマイル戦に対応し切れなかったが、続けて同じ距離ならもう少し前のポジションが取れるはず。コース替わりも含めて魅力は大きい。
牝4歳
調教師:清水久詞(栗東)
3勝クラス、中山牝馬Sを連勝中。特に前走は積極的な逃げを打ち、危なげなく押し切っての快勝だった、地力強化は間違いなく、折り合いからはマイルも良さそう。展開面からも要注目の一頭だ。
昨夏に1勝クラスと2勝クラスをともに5馬身差で快勝して注目を集めたものの、ローズS(12着)、秋華賞(18着)は2桁着順。当時はまだオープンクラスとは差があるかに思われた。3勝クラス2戦目となった前々走の初音S(東京・芝1800メートル)は、2番手から悠々と押し切り快勝。再び上昇気流に乗ると、続く中山牝馬Sを逃げ切って重賞タイトル獲得となった。東京のマイル戦では勝利こそないが、過去4戦して2着1回、3着1回。抜群に切れる脚を持っているわけではないが、すんなり先行なら粘り込めるだけのしぶとさを備えており、速い時計に対応できるタイプでもある。あっと驚く逃走劇が見られるかもしれない。
牝6歳
調教師:国枝栄(美浦)
オープンクラス入りを果たしたのが4歳秋でターコイズSを勝って重賞初制覇となったのが5歳冬。遅咲きだけにまだ上昇余地は大きい。前走はハンデ差と距離に泣いた印象。マイルに戻り巻き返しを期す。
半姉ミッドサマーフェア(父タニノギムレット)は2012年のフローラS勝ち馬で、全姉ソフトフルートは2020年の秋華賞3着馬。良血であることはもちろん、牝馬限定重賞に縁がある血筋と言える。姉らとは違い、本馬は爪の不安もあって出世が遅れたが、ゆっくりと力をつけて前々走のターコイズSで重賞初制覇を果たした。1分32秒7の勝ちタイムは過去10年の同レースで2位タイ。2位タイのもう1頭が2018年のミスパンテールで、同馬は同年のヴィクトリアマイルで勝ち馬から0秒3差の5着に入っていた。時計だけの比較なら本馬GⅠで走れるだけの資質がありそう。晩成ゆえに、さらなる伸びしろも見込める。軽視できない一頭だ。
(山下 健)
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