写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。
牡4歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
ダートではこれまで5戦4勝、2着1回と底を見せておらず、目下2連勝でオープンクラス入りを果たした好素材。今回は初めての東京コースに加えて相手も一気に強くなるが、展開に左右されない自在性があり、主役の座は譲れない。
断然の1番人気に支持された前走の3勝クラス・御影S(阪神・ダート1400メートル)は、スッと前に取りつき、レースの前半600メートル通過タイム33秒6というハイペースのなか、道中の手応えは抜群。3コーナー手前から徐々に進出を開始して、ラスト200メートル付近で先頭に躍り出ると、最後は力強く突き放して3馬身1/2差の快勝だった。前走後は本レースを目標に、栗東坂路で自己ベストをマークしており、状態面はさらに良化している。がっちりとした好馬体の持ち主で、フットワークは雄大。父はロードカナロアと血統背景も上質で、大物感たっぷり。今後の活躍を占う意味でも重要な一戦になりそうだ。
牡4歳
調教師:石坂公一(栗東)
デビュー2戦目の1勝クラス(東京・ダート1600メートル)こそパライバトルマリンの3着に敗れたが、その後は破竹の4連勝。前走ではオープン特別を快勝した。初の重賞挑戦だが、ポテンシャルの高さは折り紙つきで、先々まで目が離せない。
秋初戦となった2走前の3勝クラス・大阪スポーツ杯(阪神・ダート1400メートル)を勝ち上がってオープンクラス入り。1番人気に推された前走のオープン特別・オータムリーフS(京都・ダート1400メートル)は、スタートで後手を踏み後方2番手を追走。直線勝負に徹すると、レースの上がり3ハロンタイムを1秒4上回る35秒6(推定)の豪脚で一気に差を詰め、最後は1馬身1/2差突き抜けて快勝した。現時点では気性が幼くまだ粗削りだが、半兄はドライスタウト(父シニスターミニスター、全日本2歳優駿などダートグレードレース3勝)と、スケールは相当なものがある。ダート界を引っ張る存在となれるか、真価が問われる一戦だ。
牝4歳
調教師:林徹(美浦)
昨年6月の関東オークス(JpnⅡ・川崎・ダート2100メートル)で重賞タイトルを獲得。今回は初距離になるが、昨春の1勝クラス(東京・ダート1600メートル、1着)では、逃げて1400メートル通過タイムが1分23秒7。スピードの絶対値はここでも互角以上だろう。
昨夏のブリーダーズゴールドC(JpnⅢ・門別・ダート2000メートル)では、逃げ切ったテリオスベル(1着)には離されたが、直線でしぶとく脚を伸ばして2着に入った。約3か月半の休み明けとなった前走のクイーン賞(JpnⅢ・船橋・ダート1800メートル)は、二の脚を利かせて先手を奪ったものの、テリオスベルにピタリと並ばれて息の入らない流れ。ラスト200メートルでライオットガールにかわされ、最後はテリオスベルにも競り負けて3着だったが、4着以下と9馬身差ならレース内容は悪くない。2勝目を挙げた昨春の1勝クラスでは、現オープン馬のブライアンセンス、サンライズフレイムを退けており、牡馬相手でも引けを取らない。
牡7歳
調教師:西園正都(栗東)
昨年のコーラルS(リステッド・阪神・ダート1400メートル)で約1年9か月ぶりの勝利を挙げ、かしわ記念(JpnⅠ・船橋・ダート1600メートル)と武蔵野Sで2着に好走。堅実な末脚を誇り、東京もベストな舞台と言える。
秋初戦となった2走前のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ・盛岡・ダート1600メートル)は、逃げ切ったレモンポップが別格の強さで大きく離されたものの、4コーナー10番手から懸命に脚を伸ばして2着イグナイターと0秒2差の4着に健闘した。前走の武蔵野Sはスタートで後手を踏み、いつもの後方待機策。直線に入って徐々に外へ持ち出し、メンバー中最速となる上がり3ハロン35秒6(推定)の末脚で2着に追い上げた。2歳時から活躍を続けて今年で7歳を迎えたが、年齢的な衰えは皆無だ。全7勝中5勝を東京で挙げているコース巧者で、根岸Sは過去2年で3着、4着。3度目の正直で、待望の重賞制覇を狙う。
牝5歳
調教師:佐々木晶三(栗東)
キャリアを積みながら末脚に磨きがかかり、昨夏以降はオープン特別で2勝を挙げて本格化ムード。今回は初めての重賞挑戦で相手も強化されるが、前が止まる展開になれば、まとめて差し切っても不思議はない。
3走前のオープン特別・NST賞(新潟・ダート1200メートル)は、4コーナー11番手から鮮やかな差し切り勝ち。秋初戦となった2走前のオープン特別・ペルセウスS(東京・ダート1400メートル)は、ヘリオスが逃げ切る展開で末脚不発の9着に敗れた。前走のオープン特別・霜月S(東京・ダート1400メートル)もスッと控えて後方待機策のなか、レースの前半600メートル通過タイムは34秒4の速い流れ。馬群は縦長になったが、直線はレースの上がり3ハロンタイムを1秒6上回る34秒7(推定)の末脚で一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前できっちり前を捕らえて6勝目をマークした。脚質から展開は鍵になるが、瞬発力はここでも互角以上だ。
牡6歳
調教師:松下武士(栗東)
2022年の東京スプリント(JpnⅢ・大井・ダート1200メートル)を皮切りに、地方交流重賞で4勝をマーク。近況は競走中止、競走除外と順調さを欠いており、仕上がり具合は鍵になるが、地力の高さから軽視はできない。
昨年初戦の黒船賞(JpnⅢ・高知・ダート1400メートル)は、5番手の内を追走し、直線の入り口で先頭に立つと、2着ヘリオス以下を3馬身突き放して、重賞4勝目をマークした。1番人気に支持されたかしわ記念(JpnⅠ・船橋・ダート1600メートル)は、好スタートを決めて4番手で折り合いに専念。4コーナーは最内を突き、直線で一度は先頭に並びかけて見せ場を作った。ラスト100メートルで脚色が鈍り、上位争いからは後退したが、勝ち馬から0秒4差の4着に踏ん張った。今回は競走中止となった昨年5月のさきたま杯(JpnⅡ・浦和・ダート1400メートル)以来の実戦になるが、帰厩後の調教では好調時と遜色のない動きを見せており、力の出せる態勢が整った。
せん8歳
調教師:西園正都(栗東)
重賞勝ちこそないが、2022年の南部杯(JpnⅠ・盛岡・ダート1600メートル)ではハナ差の2着に好走。昨秋のオープン特別・ペルセウスS(東京・ダート1400メートル)で8勝目を挙げたように、明け8歳でも衰えは感じられない。
2走前のオープン特別・ペルセウスSは、最内枠から二の脚を利かせて先手を奪い、道中の手応えは十分。直線半ばで後続を振り切ると、ゴール前はエーティーマクフィの追い上げをアタマ差でしのぎ、58.5キログラムのトップハンデを背負っての鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた。前走の武蔵野Sは10着に敗れたが、騎乗した菅原明良騎手は「ゲート自体は出ていますが、思っていたよりも芝の部分で進んでいきませんでした。外の速い馬に前をカットされたし、自分の競馬ができなかったです」と語っており、敗因は明白。本レースは4年連続の出走となるが、2022年には2着に好走している。ここはあらためて注目したい。
牡7歳
調教師:武藤善則(美浦)
2歳時から活躍を続け、昨年は栗東S(リステッド・京都・ダート1400メートル)で6勝目を挙げ、北海道スプリントC(JpnⅢ・門別・ダート・1200メートル)では2着に好走した。2000メートルもこなせるオールラウンダーだが、1400メートル前後の距離がベストの印象だ。
秋初戦となった2走前のみやこSは、約5か月の休み明けと600メートルの距離延長も影響したのか、直線の粘りを欠いて10着に敗れた。前走のオープン特別・ギャラクシーS(阪神・ダート1400メートル)は、気合をつけて3番手のインを追走。レースの前半600メートル通過タイムが34秒2というハイペースのなか、直線で一度は先頭のシーンを作った。差し・追い込み勢が上位に入って5着に敗れたが、59キログラムのトップハンデを背負いながら勝ち馬に0秒4差の5着なら、レース内容は高く評価できる。昨春の栗東S(リステッド)では7馬身差の圧勝劇を演じており、適距離の1400メートルで念願の重賞タイトル獲得を目指す。
(京増 真臣)
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。