今週の注目レース

エリザベス女王杯(GⅠ)

京都競馬場 2200メートル(芝・外)定量 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

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牝5歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:モーリス
  • 母:ジェンティルドンナ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

京都コースは今回が初めてだが、父モーリス、母ジェンティルドンナともに同コースのGⅠ勝ち馬。血統的な不安はないと言える。直線が平坦の小倉コースでのパフォーマンスから、このコースを得意とする可能性までありそうだ。

昨年の本レース覇者であり、続く有馬記念では3着に好走。今年の宝塚記念でも4着に入ったように、実績は今回のメンバーに入っても最上位と言えるだろう。秋初戦をオールカマーで迎えてエリザベス女王杯に参戦するローテーションは昨年と同様だ。オールカマーを勝って勢いに乗った昨年との違いは6着に負けていることだが、距離ロスのないレース運びで突き抜けた昨年に対し、今年は外めを回る厳しいコース取り。最後の脚は目立っており、不安視する必要はないだろう。2019年、2020年のラッキーライラック以来となるエリザベス女王杯連覇に期待したい。

牝3歳

調教師:宮田敬介(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:インナーアージ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

優先出走権を獲得した秋華賞の回避を早々に決め、このレースに照準を定めていた。実際、器用さが求められる内回りコースよりも、広い外回りに向いた脚質。この選択は吉と出るはずだ。前走同様の栗東滞在もプラスと言えるだろう。

前走のローズSは、JRAレコードで勝ったマスクトディーヴァと0秒2差の2着。1分43秒2という自身の走破時計、出走馬中最速となった上がり3ハロン32秒9(推定)のタイムも素晴らしいものだが、この1戦で注目すべきは本馬が1番人気に支持されたことだろう。1勝クラスを勝ち上がったばかりで、休み明けでもあった2勝馬が、クラス的には2つも上のオープンクラス、それも重賞初挑戦で1番人気の高い支持。デビューから3戦のパフォーマンスがどれほどのインパクトだったかを如実に物語っている。立場的には重賞未勝利馬だが、資質はGⅠ級という認識で問題ないはずだ。

牝3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:セレスタ
  • 母の父:Jump Start
ここに注目!

キャリア6戦で出走馬中最速の上がり3ハロンタイム(推定)を記録したことが一度もなく、同3位以内もオークスの1回のみ。決め手不足を補うための立ち回りが、GⅠ制覇のキーポイントになるだろう。坂の下りで加速できる外回りコースを生かしたいところだ。

リバティアイランドの強さが目立った今年の牝馬三冠路線だが、次点とも言える活躍を見せたのが本馬。距離不足の桜花賞こそ4着と3着以内を外してしまったものの、高い距離適性を示したオークスで2着に好走した。オークス以来約5か月の休み明けで挑んだ前走の秋華賞は、勝負どころで馬が密集して閉じ込められるような厳しい状況になりながらも、3着まで押し上げて地力の高さを示している。初対戦になる古馬との力関係がポイントにはなるが、同世代最大のライバルと道を違えた今回は、GⅠ初制覇の大チャンスと言えるだろう。

牝5歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:モーリス
  • 母:ヴィルシーナ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

折り合いに進境を見せているとはいえ、コーナー通過2回のコースを選択してきたローテーションを思えば、3歳時以来となるコーナー通過4回のコース攻略と、距離克服が大きな課題となりそう。序盤の折り合いが鍵になる。

3走前の中京記念、前々走の関屋記念はともに2着と惜敗。悔しい結果が続いていたこともあり、思い切った大逃げから粘り込んで初重賞制覇を飾った前走の府中牝馬Sは、陣営にとって格別のものがあったようだ。もっとも、デビュー時から重賞クラスの評価を受けていた素質馬。出世を妨げていた気性面の課題がクリアされれば、これくらいの結果は出しても当然の存在だった。ヴィクトリアマイルを連覇した母ヴィルシーナは、2012年のエリザベス女王杯でクビ差の2着に惜敗。母が獲得できなかったタイトルを勝ち取ることができるのか、注目したい。

牝4歳

調教師:黒岩陽一(美浦)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ナッシングバットドリームズ
  • 母の父:Frankel
ここに注目!

キャリア10戦のうち7戦が東京コースで、右回りを走るのは3歳2月の1勝クラス・デイジー賞(中山・芝1800メートル、1着)以来約1年8か月ぶり。とはいえ、右回りは2戦2勝の戦績なので、そこまで不安視する必要はないのかもしれない。良馬場で競馬がしたいタイプだ。

昨年のオークスでは勝ったスターズオンアースから0秒7差の6着。当時は壁を感じたGⅠ級との差を埋められているかどうかが焦点になるだろう。まだ重賞タイトルには手が届いていないものの、前々走のエプソムCが勝ったジャスティンカフェから0秒2差の2着。前走の府中牝馬Sでは、スタートひと息のロスはあったものの、直線では馬群の外からいい伸び脚を見せ、勝ったディヴィーナにハナ差の2着まで迫った。父は4歳秋に急成長を遂げたジャスタウェイ。父と同じように、4歳秋でのGⅠ初制覇がありえそうな雰囲気だ。

牝4歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:サロミナ
  • 母の父:Lomitas
ここに注目!

レースの2週前に栗東トレーニング・センターへと移動。420キログラム台の小柄な馬でもあり、長距離輸送の負担がないことは大きなプラス材料となりそうだ。今回のメンバーでは唯一のディープインパクト産駒。瞬発力勝負ならチャンス十分だ。

勝ち馬から0秒4差の7着に敗れた前走の新潟記念が、3着以内を外した初のレース。重賞未勝利の身でありながら、堅実なパフォーマンスが高い評価を受けている馬で、過去6戦のうちの4戦で1番人気の支持を受けている。アパパネ、アーモンドアイと2頭の三冠牝馬誕生をはじめ、多くの牝馬限定GⅠを制している国枝栄調教師だが、このエリザベス女王杯は5戦して未勝利。前述のアパパネだけでなく、秋華賞馬アカイトリノムスメで挑んだ2021年も涙を飲んだ。サリエラで本レースを制し、牝馬限定GⅠ完全制覇を達成できるかにも注目が集まる。

牝4歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:パールコード
  • 母の父:ヴィクトワールピサ
ここに注目!

父のスクリーンヒーローは古馬になって本格化。本馬にも同様の成長力を期待したいところだが、今回は骨折明けでのGⅠ挑戦。順調に調整できているとはいえ、不安材料の一つにはなるだろう。折り合いもポイントになる。

昨年のオークスが勝ち馬から1秒0差の7着、秋華賞でも同0秒4差の5着とGⅠでは壁に跳ね返されてきたものの、8戦4勝のキャリアで2度の重賞勝ちは立派の一言。その重賞2勝(2022年ローズS、2023年愛知杯)の舞台がともに中京・芝2000メートルだったため、コース適性の高さを要因に挙げる声もあるかもしれないが、右回りでも忘れな草賞(リステッド・阪神・芝2000メートル)を快勝した実績がある。左回りでしか走れない馬ではないことは強調しておきたい。母パールコードは2016年の本レースで勝ち馬から0秒3差の4着と惜敗。ここは母を超える走りを期待したいところだ。

牝4歳

調教師:相沢郁(美浦)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:ヴィーヴァブーケ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

前走時の馬体重448キログラムは過去最高で、前々走の宝塚記念から18キログラムの増量。これは大きなプラス材料と考えていい。長距離輸送もあるレースで、この数字をどれだけ維持できるかが鍵になりそうだ。

素軽さよりもパワーがセールスポイントのオルフェーヴル産駒らしい馬で、重馬場でのレースになった昨年のエリザベス女王杯ではウインマリリンと同着の2着。12番人気での連対で高配当の立役者となったのは記憶に新しいところだ。それだけに、速い上がりを求められる展開だった前走の府中牝馬Sでの3着好走は、以前は見られなかった好位からのレース運びも含め、いい意味で予想を裏切るパフォーマンス。あれが4歳秋を迎えての成長であるのなら、京都の外回りコースでも期待値は上がってくる。阪神で行われた昨年に続く激走が見られるかもしれない。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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