今週の注目レース

アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

新潟競馬場 1000メートル(芝・直線)別定 3歳以上オープン

データ分析

直線競馬でスピード自慢が覇を競う

創設から20年以上たち、すっかり新潟の名物重賞となったアイビスサマーダッシュ。創設時から直線コース巧者が夏の新潟を盛り上げてきた。近年も、2015年、2016年とベルカントが連覇を成し遂げ、2019年から3年連続でライオンボスが連対を果たしている。サマースプリントシリーズのチャンピオンを占ううえでも注目が集まる一戦には、どのような特徴があるのだろうか。過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探る。

1番人気は堅実も近年は人気薄が台頭

過去10年で単勝1番人気は昨年こそ馬券圏外に敗れたが、それ以外の年では全て連対している。2番人気も昨年の2着を含め3年連続連対中で、軸は上位人気馬から選ぶのが無難だろう。ただし、2017年以降は8番人気以下の馬が毎回馬券に絡み、ここ2年は3着に14番人気が入って3連単20万円超の高配当が出現している。相手には人気薄の馬もピックアップする必要がありそうだ。〔表1〕

〔表1〕単勝人気別成績(過去10年)
単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7-2-0-1 70.0% 90.0% 90.0%
2番人気 1-4-0-5 10.0% 50.0% 50.0%
3番人気 0-2-2-6 0% 20.0% 40.0%
4番人気 0-0-2-8 0% 0% 20.0%
5番人気 0-1-0-9 0% 10.0% 10.0%
6〜9番人気 2-1-4-33 5.0% 7.5% 17.5%
10番人気以下 0-0-2-68 0% 0% 2.9%

コースの傾向どおり外枠優位

新潟の直線・芝1000メートルは、外めの枠に入った馬の活躍が目立つことで知られ、過去10年のアイビスサマーダッシュでも8枠が4勝を挙げている。そのうち2勝は単勝8番人気のラインミーティア(2017年)、7番人気のビリーバー(2022年)によるもの。また、6番人気以下で馬券に絡んだ延べ9頭中7頭は6枠から8枠に入っていた。〔表2〕

〔表2〕枠番別成績(過去10年)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 0-0-1-16 0% 0% 5.9%
2枠 1-2-0-14 5.9% 17.6% 17.6%
3枠 0-0-1-17 0% 0% 5.6%
4枠 1-1-0-18 5.0% 10.0% 10.0%
5枠 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
6枠 1-2-2-15 5.0% 15.0% 25.0%
7枠 2-2-4-16 8.3% 16.7% 33.3%
8枠 4-2-1-17 16.7% 25.0% 29.2%

韋駄天Sとスプリント重賞からの臨戦が中心

過去10年の前走別成績を見ていくと、当レースと同じコースで行われるオープン特別の韋駄天S組が10連対をマークしている。また、サマースプリントシリーズ第1戦の函館スプリントSと第2戦のCBC賞、3歳限定の葵Sといった芝1200メートルの重賞からもそれぞれ複数の連対馬が出ている。侮れないのが条件クラス組で、勝利こそないものの3着以内に入った6頭中5頭が単勝6番人気以下での好走だった。〔表3〕

〔表3〕前走別成績(過去10年)
前走 成績 勝率 連対率 3着内率
韋駄天S 4-6-1-26 10.8% 27.0% 29.7%
CBC賞 3-0-1-14 16.7% 16.7% 22.2%
函館スプリントS 1-1-2-14 5.6% 11.1% 22.2%
葵S 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
バーデンバーデンC 0-1-1-15 0% 5.9% 11.8%
3勝クラス 0-1-2-19 0% 4.5% 13.6%
2勝クラス 0-0-3-4 0% 0% 42.9%
その他 1-0-0-37 2.6% 2.6% 2.6%

なお、2014年の優勝馬セイコーライコウ、2018年の優勝馬ダイメイプリンセスのように、韋駄天S後に1戦挟んでいた馬の好走も見られる。同年の韋駄天Sで5着以内だった馬は〔6・5・5・19〕(3着内率45.7%)と半数近くが馬券に絡んでいるので、臨戦過程にかかわらず注目しておくべきだろう。〔表4〕

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表4〕2走前が韋駄天Sだった3着以内馬一覧(韋駄天Sが行われた過去9年)
年度 着順 馬名 前走 韋駄天Sの着順
2014年 1着 セイコーライコウ 函館スプリントS(4着) 1着
3着 アースソニック 函館スプリントS(6着) 3着
2015年 3着 アースソニック 函館スプリントS(2着) 3着
2018年 1着 ダイメイプリンセス CBC賞(9着) 1着
3着 ナインテイルズ 水無月S(1着) 5着
2022年 3着 ロードベイリーフ CBC賞(6着) 2着
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父と母の父の組み合わせをチェック

血統の傾向を調べると、第1回までさかのぼっても父がサンデーサイレンス系だった馬は優勝していない。一方、母の父がサンデーサイレンス系だった馬は過去10年で6勝を挙げている。そのうち5勝はここ5年で記録されたもので、いずれも母の父が芝2400メートル以上のGⅠ(海外G1を含む)優勝馬だった。1000メートルという非常に短い距離のレースだが、長めの距離で活躍した母の父を持つ馬の優勝が続いているのがポイント。また、父に目を向けるとミスタープロスペクター系が4連勝中で、近年はこれらの組み合わせがトレンドとなっている。〔表5〕

(高那実 マヤ)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表5〕優勝馬の血統(過去5年)
年度 優勝馬 父(系統) 母の父(その父)
2018年 ダイメイプリンセス キングヘイロー(ノーザンダンサー系) ダンスインザダーク(サンデーサイレンス)
2019年 ライオンボス バトルプラン(ミスタープロスペクター系) ステイゴールド(サンデーサイレンス)
2020年 ジョーカナチャン ロードカナロア(ミスタープロスペクター系) ネオユニヴァース(サンデーサイレンス)
2021年 オールアットワンス マクフィ(ミスタープロスペクター系) ディープインパクト(サンデーサイレンス)
2022年 ビリーバー モンテロッソ(ミスタープロスペクター系) ネオユニヴァース(サンデーサイレンス)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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