海外競馬発売
競馬の実施にあたっては、各国・地域ごとにそれぞれ固有のルールが定められており、JRAのものとは異なる点があります。
JRAが海外競馬の勝馬投票券発売を行う際、払戻しは競走終了後に現地主催者のルールにより確定した着順に基づいて行います。なお、JRAの競走と同様、確定後に競走成績上の着順の変更があった場合でも、払戻しの変更はいたしません。
JRAと香港における主なルールの違いを説明します。
JRAでは、馬番号は抽選で決定し、ゲート番号は馬番号と同一となります(例:馬番号「5」の出走馬は5番ゲートから発走)。
香港では、馬番号は(1)負担重量が重い順、(2)レーティング順、(3)馬名のアルファベット順で1からふられ、その後、ゲート番号は抽選で決定します。したがって、ゲート番号と馬番号は異なります(例:馬番号「5」の出走馬が10番ゲートから発走など)。
また、ゲート番号は、内側からの順序を示すもので、出走取消がある場合(競走直前の競走除外を除く)は、発走時にそれぞれゲート番号が繰り上がります。
JRAが発売する海外競馬の勝馬投票券は、馬番号での投票となりますのでご注意ください。
JRAでは、生まれた年を0歳と数え、生まれた年の1月1日から年齢を起算しますが、香港では以下のとおり年齢を起算します。
香港では競走の2日前に馬体重が計測され、発表されます。なお、公式成績表にもその馬体重が記録されます。
香港では、芝コースの馬場状態は、「Firm」、「Good to Firm」、「Good」、「Good to Yielding」、「Yielding」、「Yielding to Soft」、「Soft」、「Heavy」に区分されます。JRAからは表のとおりJRA基準(良、稍重、重、不良の4段階)に置き換えて発表します。
Firm Good to Firm Good |
良 |
---|---|
Good to Yielding Yielding |
稍重 |
Yielding to Soft Soft |
重 |
Heavy | 不良 |
JRAと同様、香港では、出馬投票締切り後の出走取消は、馬の事故又は疾病が判明した場合や病気等で騎乗できる騎手がいなくなった場合に認められます。
香港では、補欠馬制度(最大で2頭)が採用されており、出走可能頭数を超える出馬投票があった場合、補欠馬が発表されます。レース前日の11時30分(現地時間)までに出走取消馬が発生した場合、補欠馬の上位馬から順次繰上りで出走することができます。なお、繰り上がった出走馬は、出走取消馬の馬番号およびゲート番号を引き継ぎます。
香港では、122ポンド未満の負担重量の場合、1ポンドもしくは2ポンドの負担重量超過が認められています。負担重量を超過して騎乗する場合は、原則として事前の申告が必要であり、変更となる負担重量が公表されます。
また、122ポンド以上の負担重量で、前検量において負担重量を超過した場合は、原則として騎手変更となり、当該騎手は制裁の対象となります。
JRAでは、発走委員が「真正な発走でない」と認めたときは、発走のやり直しを行います(通称“カンパイ”)。具体的には、(1)フライング発走、(2)発馬機の故障および誤作動、(3)外的要因によるトラブルのいずれかが起きた際に行います。
香港では、
として取り扱うルールがあり、いずれの場合もレース自体はそのまま継続し成立することになります。
ノンランナーとなった場合は、JRAが発売する勝馬投票券においても返還を行いますが、上記2において失格となった場合は、返還対象となりません。
また、発馬機の故障またはその他の理由により真正な発走が行われなかったと発走委員が認めた場合、発走のやり直しを行うこともあります。なお、発走委員が真正な発走ではないと宣言したものの、そのことを騎手に伝えられなかった場合は、裁決委員は競走の中止を命じ、当該競走を無効とします。
JRAでは、「前検量で計量した重量から後検量で計量した重量を差し引いた重量が、1キログラムを超えた場合」に当該馬を失格とします。
香港では、後検量で計量した重量が、公表された負担重量から1ポンドを超えて下回った場合に当該馬を失格とします。
JRA同様、香港では「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろに降着となります(ただし、香港では、加害馬が賞金を得る順位で入線した場合に限ります)。
また、失格については、JRAでは「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となりますが、香港では、騎手が他の馬の勝つ機会を著しく損ねた場合などに、加害馬は失格となることがあります。
香港の競走成績における着差欄には、1位入線馬との着差が記載されます。
香港においても裁決委員の降着・失格に関する判断について、レース確定後、馬主・調教師・騎手等が不服申し立てを行う制度があります。裁定の結果、後日、競走成績上の着順の変更があったとしても、JRAが発売する勝馬投票券の払戻しに関する勝馬の変更はありません。
(2024年11月現在)