馬場情報含水率に関する基礎知識

含水率とは?

馬場から採取した試料(芝コースは路盤砂、ダートコースはクッション砂)に含まれている水分の割合を重量を基準として百分率(%)で示されます。
例えば、含水率が15パーセントのときは、100グラムの試料に15グラムの水分が含まれていることとなります。数値が大きいほど湿っていることになります。

含水率の測定方法

1. 試料の採取

芝コース、ダートコース、それぞれ内柵から1メートルの箇所で試料を採取します。

芝コース(内柵から1メートル)
ダートコース(内柵から1メートル)

試料の採取箇所

芝コースは芝の下の路盤砂を試料として採取し、ダートコースは表層のクッション砂を試料として採取します。(図中の赤丸部分)

芝コース構造断面図
ダートコース構造断面図

2. 測定の準備

芝コースは、試料から芝(根、葉、茎)を取り除き(写真下)、路盤砂だけで測定します。ダートコースは、試料をそのまま測定します。

試料の測定

3. 計測・測定

試料の含水率を赤外線水分計(写真下)という測定器にて計測します。
試料は180度に熱せられ(写真右下)、蒸発した水分量から含水率が測定されます。

赤外線水分計
試料が180度に熱せられた状態

含水率と馬場状態区分の関係

各競馬場の芝コースは、使用している路盤の材料等が同一ではないため、含水率と馬場状態区分の関係性は競馬場によって違いがあります。
したがって、含水率が同じ数値でも、競馬場によって馬場状態区分との関係性は異なります。

一方、ダートコースについては、表層に使用しているクッション砂の性状に大きな違いはありませんので、含水率と馬場状態区分の関係は全競馬場で同じものとなります。
馬場状態区分は馬場全体の状態を総合的に判断するもので、測定された含水率で自動的に決めるものではありません。

下表は、競馬場ごとに、これまでの馬場状態区分と含水率のおおよその関係を整理したものです。
含水率を公表する際には、測定した数値と共に、この両者の関係性を表した早見表を公表します。

芝コースの馬場状態と含水率の関係性(単位はパーセント)
競馬場 稍重 不良
札幌競馬場 15以下 14から18 17から21 20以上
函館競馬場 15以下 14から18 17から21 20以上
福島競馬場 15以下 13から17 15から19 17以上
新潟競馬場 15以下 13から17 15から19 17以上
中山競馬場 13以下 11から15 14から18 17以上
東京競馬場 19以下 17から21 18から23 20以上
中京競馬場 14以下 12から16 14から17 16以上
京都競馬場 13以下 11から14 13から16 14以上
阪神競馬場 12以下 10から13 12から14 13以上
小倉競馬場 10以下 8から12 10から14 12以上
ダートコースの馬場状態と含水率の関係性(単位はパーセント)
競馬場 稍重 不良
全場 9以下 7から13 11から16 14以上

含水率早見表

含水率の測定値は早見表に合わせて記載されます。

芝コースの含水率早見表の例
ダートコースの含水率早見表の例

含水率の公表方法

開催前日および当日に測定した含水率は、JRAホームページ馬場情報にて公表いたします。
発表時刻は開催日前日(金曜日)が昼過ぎ、開催当日は概ね9時30分頃を予定しています。
なお、ホームページに公表する含水率は、開催日早朝などに測定した数値を以下のような各競馬場の早見表と合わせて記載します。

芝コースの含水率早見表の例
ダートコースの含水率早見表の例
ダートコースの含水率早見表の例
  • ❶ 測定時刻

    測定時刻は競馬場により異なります。原則として、開催前日は午前中、開催当日は早朝に実施しています。

  • ❷ マーク

    • マルG
      ゴール前の含水率
    • マル4
      4コーナーの含水率
  • ❸ 馬場状態

    馬場状態はマークのある列で表されます。測定時刻現在の馬場状態です。

  • ❹ グラフ

    これらの範囲はこれまでの記録を参考に、馬場状態区分と含水率のおおよその目安を示したものです。

  • ❺ 馬場状態区分

    馬場状態区分は馬場全体の状態を総合的に判断して決定しており、含水率の数値で自動的に決まるものではありません。
    したがって、含水率は測定箇所や測定時の天候等によって、早見表内に示した範囲を外れる場合があります。

  • ❻ 欄外の注記

    測定時の天候や測定箇所等に注記すべき事項があった場合は欄外へ記載します。

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