日高育成牧場
生産育成研究室では、世界に通用する「強い馬づくり」に必要な科学的根拠にもとづいたサラブレッドの生産、飼養管理、疾病予防、育成調教技術の探求とその普及に取り組んでいます。
強い馬をつくるには、第一に、繁殖牝馬と子馬の飼養管理技術を向上させることが重要です。日本の気候風土に適した飼養管理方法はどうあるべきか、国内最大のサラブレッド生産地である日高地区に研究室を置くことで、生産育成関係者のニーズを肌で感じながら研究テーマに取り組んでいます。
また、自らも繁殖牝馬を繋養し、毎年10頭程度のサラブレッドを生産する中で、交配、妊娠の維持、周産期に関わる繁殖学的研究や栄養学、疾病の発生メカニズムや予防に関する調査研究に取り組んでいます。
さらに、生まれてきた子馬を競走馬になるまで飼養することで、初期・中期・後期育成期における飼養管理を実践することができ、そこで発生する問題や課題に対する改善方法を模索、検討しています。
これらの調査研究で得られた成果は、専門誌や学会で発表するだけでなく、生産地における講習会や講演、書籍の発刊(JRA育成牧場管理指針)などを通じて生産牧場、育成牧場への還元、普及に努め、国内の競馬産業基盤の向上に寄与したいと考えています。
分娩後発情、早期胚死滅、分娩予知などについて調査研究をしています。
いろいろな条件下の放牧について、生理、栄養、行動面から研究しています。
胎子の健康診断法の確立を目指し、画像やホルモン測定を用いて研究しています。
特に肢勢異常やOCDの成長に伴う変化や、その診断法について研究しています。
育成馬へのトレーニング効果や最適な強度などをV200や乳酸値といった指標を使い研究しています。
超音波診断装置や内視鏡を用いて、発育期における腱や喉の疾患やその多様性を調査しています。