今週の注目レース

ターコイズステークス(GⅢ)

中山競馬場 1600メートル(芝・外)ハンデ (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

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ミアネーロ

牝3歳

調教師:林徹(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ミスエーニョ
  • 母の父:Pulpit
ここに注目!

今春のフラワーCで重賞初制覇。前々走の紫苑Sはコースレコード決着のなか、メンバー中最速タイの上がり3ハロンタイム(推定)で2着、前走の秋華賞では6着に入った。マイルも守備範囲内で、重賞2勝目を目指す。

フラワーCは内にこだわっての抜け出し。脚力の高さはもちろん、器用さも兼ね備えていることを示す勝利だった。前々走の紫苑Sもその器用さが発揮されての2着。最内枠スタートからインでじっくり脚をためると、直線はサッと外に出して、勝ったクリスマスパレードにクビ差まで迫った。前走の秋華賞は6着も、勝ったチェルヴィニアから0秒6差ならそれほど悪くなかった。中山のマイル戦は2戦目の1勝クラス・菜の花賞で経験済み。そこでは5着に敗れたが、勝ち馬とは0秒2差だった。半姉がファンタジーS勝ちのミスエルテ(父Frankel)なら、距離短縮もよさそう。さらなる飛躍のきっかけにしたい一戦だ。

アルジーヌ

牝4歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:キャトルフィーユ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

2走前のクイーンSは、オープンクラス初挑戦ながら3着に好走。続く牡馬相手のカシオペアS(リステッド・京都・芝1800メートル)であっさりと同クラス初勝利を挙げた。レース巧者で、初めての中山でも重賞初制覇のチャンスだ。

母は2014年のクイーンSをコースレコードで勝ったキャトルフィーユ。本馬も母同様に、デビュー時から素質の片りんを見せつつ、ゆっくりと階段をのぼるように力をつけてきた。オープンクラス入りを決めた3勝クラス・博多S(小倉・芝1800メートル)は、勝負どころからひとまくりで快勝。母仔制覇がかかったクイーンSでは、一転して最内のポジションから3着に好走しており、能力的な下地に加えて自在なレースぶりも母をほうふつとさせる。前走のカシオペアS(リステッド)は、終始手応え十分に進めて直線で抜け出す快勝。あのレースぶりなら初めての中山も問題なさそうだ。新馬勝ちがマイル戦で、距離も不安なし。初タイトル奪取へ期待が高まる。

イフェイオン

牝3歳

調教師:杉山佳明(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:イチオクノホシ
  • 母の父:ゼンノロブロイ
ここに注目!

未勝利勝ち直後にフェアリーSを優勝。桜花賞は11着だったが、NHKマイルCでは5着に健闘した。前走のクイーンSは7着も、勝ち馬から0秒3差ならそこまで大きくは離されていない。重賞勝ちを決めた舞台で再上昇を期す。

年をまたいで未勝利(京都・芝1600メートル)、フェアリーSと連勝。重賞初挑戦、初めての関東圏への輸送、さらには外枠(8枠13番)と克服すべき課題がいくつもあったなかでのフェアリーSの勝利は、能力の高さの証明と言っていいだろう。その後は桜花賞11着、NHKマイルC5着、クイーンS7着と結果が出ていないが、それぞれ勝ち馬から0秒7差、0秒8差、0秒3差なら、悲観する敗戦ではないはずだ。特にNHKマイルCでは、2着アスコリピチェーノと0秒4差。しっかり前で立ち回っての健闘だっただけに、着順以上の評価が可能だろう。今回は勝ったフェアリーSと同舞台。真価発揮といきたいところだ。

アドマイヤベル

牝3歳

調教師:加藤征弘(美浦)

  • 父:スワーヴリチャード
  • 母:ベルアリュールⅡ
  • 母の父:Numerous
ここに注目!

フローラSで重賞タイトルをゲット。そのフローラSでの鮮やかな差し切りを思えば、9着だったオークス、12着だった秋華賞が実力とは思えない。マイルは初めてだが、脚をためることができれば巻き返し可能。素質を見直す。

抜群の反応を見せて差し切ったフローラSが好パフォーマンス。百日草特別(3着)、フリージア賞(2着、ともに東京・芝2000メートル)というクラシック路線にもつながる中距離1勝クラスで、牡馬相手に互角の戦いをしていたことからも、高い能力を有していることは疑いようがない。GⅠ2戦だけの結果で評価を下げるのは早計だろう。実際、秋華賞後の調教は春シーズン同様に良好で、4日には美浦Wコースで6ハロン81秒5をマークするなど、意欲的な調整が進められている。半姉アドマイヤリード(父ステイゴールド)は、2017年ヴィクトリアマイルの勝ち馬。血統面からも、この距離こそが最適という可能性は十分にある。

ドゥアイズ

牝4歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ローズマンブリッジ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

札幌2歳S2着、阪神ジュベナイルフィリーズ3着と早い時期から活躍。4走前の洛陽S(リステッド・京都・芝1600メートル)でオープンクラス初勝利を挙げ、ヴィクトリアマイルでは勝ち馬から0秒3差の4着と、成長力も示している。

キャリア13戦で、掲示板(5着以内)を外したのはオークス(9着)と秋華賞(10着)だけという堅実派。前走のクイーンS(4着)が勝ち馬と0秒1差という大接戦だったように、1800メートルも問題なく走れる。ただ、阪神ジュベナイルフィリーズ3着、桜花賞5着、ヴィクトリアマイル4着と、GⅠで上位に入っている点を考慮すればマイルがベストの印象で、新馬戦以来の勝利だった今年の洛陽S(リステッド)もマイルだった。鍵になるのは初めてとなる中山コースだろうが、外枠から好立ち回りを見せたクイーンSから、克服は可能だろう。栗東トレーニング・センター帰厩後の密度の濃い調教内容も強調材料だ。

ワイドラトゥール

牝3歳

調教師:藤原英昭(栗東)

  • 父:カリフォルニアクローム
  • 母:ワイドサファイア
  • 母の父:アグネスタキオン
ここに注目!

今年の紅梅S(リステッド・京都・芝1400メートル)の勝ち馬。桜花賞では勝ち馬ステレンボッシュから0秒3差の6着に頑張った。オープンクラス復帰を決めた前走も見事な差し切り。決め手はここでも通用するはずだ。

デビュー前から好調教を消化し、その調教通りの走りで新馬戦を快勝。ファンタジーS10着から臨んだ紅梅S(リステッド)では、後方追走から一気の差し切りでオープンクラス初勝利を挙げた。桜花賞は終い勝負に徹して6着。これらの実績を踏まえれば、前走は順当勝ちと言っていいだろう。半兄のワイドファラオ(父ヘニーヒューズ)は3歳時にニュージーランドTとユニコーンS、古馬になってかしわ記念(JpnⅠ)を勝つなど、芝・ダートを問わない活躍を見せた。本馬にも多彩な活躍を求めたくなるところだが、まずはここで重賞勝ちを決め、さらに上のステージを目指す。

フィールシンパシー

牝5歳

調教師:小島茂之(美浦)

  • 父:ベーカバド
  • 母:スマートシンパシー
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

昨年のターコイズSの2着馬。今年4月の福島牝馬Sでも2着に入っており、重賞タイトル奪取まであと一歩という現況だ。前走の府中牝馬Sは、久々ながら勝ち馬から0秒6差の6着。1度使った上積みが見込めるだけに、良績のある中山で躍進を果たす。

昨年のターコイズSは、好スタートから逃げの手。勝ったフィアスプライドの決め手には屈したが、それ以外は完封しており、1分32秒9の走破時計も例年なら勝ちタイムとなり得るレベルだった。今年の福島牝馬Sでも勝ち馬とクビ差の2着。またしても涙をのんだが、改めて能力の高さと先行してのしぶとさを示す格好となった。今回は1度使われての上昇を見込める点が強調材料。さらに、前々走はGⅠ、前走はGⅡと、強敵にもまれた経験もまた強調材料と言えるのではないだろうか。心身ともに厚みを増した本馬が昨年のリベンジを果たせるか、注目したい。

シングザットソング

牝4歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ザガールインザットソング
  • 母の父:My Golden Song
ここに注目!

昨年のフィリーズレビューの勝ち馬。芝1200メートルのオパールS(リステッド・京都)での2着がある一方、前々走のポートアイランドS(リステッド・中京・芝1600メートル)で4着に入るなど、マイルも問題なくこなす。ここでも好走可能だろう。

昨年のフィリーズレビューはなかなか強い勝ち方。好位直後から外を回りながら、4コーナーでは先頭に並びかける勢いで直線へ。そのまま早めに先頭へ立って後続の追い上げを振り切った。当時の走りを思えばもっと活躍できていい印象もあるが、実際に今年春の阪神牝馬Sは勝ち馬から0秒3差の4着、前走のスワンSでも同0秒3差の5着と健闘。随所に能力の一端が窺える。今回は前述の阪神牝馬S以来となる牝馬限定戦。器用さと一瞬の脚で勝負する本馬にとって、初めての中山のマイル戦も合うイメージが沸く。折り合いに進境を見せている点も推せる材料だ。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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