今週の注目レース

ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス(GⅢ)

京都競馬場 2000メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

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エリキング

牡2歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ヤングスター
  • 母の父:High Chaparral
ここに注目!

調教で見せる動きはさすがと思わせるもので、仕上がりに不安は感じないが、実戦を経験した前走ではゲートや1コーナーの入りのところで少し気難しい面を見せていた。今後に向けての改善点であり、今回の一戦でチェックしたいポイントだ。

2023年セレクトセールにおいて2億3100万円(消費税込み)で取引されたキズナ産駒で、母の父は英ダービーなどG1を6勝したハイシャパラル。曽祖母ユーザーフレンドリーはG1・5勝馬であり、1992年のジャパンカップにも出走(6着)した名牝という優秀な母系を持つ。本馬は、約3か月ぶりで14キログラムの体重増だった前走のオープン特別・野路菊S(中京・芝2000メートル)を勝利。2着ジョバンニとの着差こそ1/2馬身だったが、レースのラスト2ハロン10秒9、11秒6の流れをサッと抜け出した瞬発力は、クラシック候補の評判に違わぬものだった。3連勝での重賞制覇なら、これまで以上の注目を集めることになるはずだ。

サラコスティ

牡2歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:サロニカ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

瞬発力勝負よりも長く脚を使うイメージの馬。序盤から速いペースを刻みながら最後までバテなかった1週前追い切りから、心肺能力はかなり高そうだ。スローペースになりやすい少頭数で、レースをどのように組み立てていくかに注目したい。

スタートの出遅れに加え、折り合いを欠いたメイクデビュー京都(芝1800メートル)は2着に敗れたが、それでも勝ち馬エリキングとの差は1馬身1/2。潜在能力の高さを認識したファンも多かったのではないだろうか。実際、前走の未勝利(中京・芝2000メートル)における単勝オッズは1.1倍と圧倒的なもの。結果も2着のバッケンレコードに9馬身の差をつけ、期待の上をいく圧勝劇で重賞挑戦に弾みをつけている。サリオス、サラキア、サリエラ、エスコーラと活躍馬の名が近親に並ぶ血統馬。重賞タイトル奪取で来春の主役候補に名乗りを上げる可能性も高そうだ。

ジョバンニ

牡2歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ベアフットレディ
  • 母の父:Footstepsinthesand
ここに注目!

外枠だったデビュー戦と内枠の前走ではレースぶりに多少の差があった。瞬時に加速するイメージでない過去2戦の内容を考慮すれば、自分から動いていける枠のほうが好ましいだろう。長く脚を使う展開に持ち込めるかがポイントになる。

デビュー2戦目のオープン特別・野路菊S(中京・芝2000メートル)は、勝ったエリキングに1/2馬身差の2着。だが、これは勝負どころのポジショニングが影響した印象が強く、マークした上がり3ハロン33秒3(推定)のタイムは出走馬中最速だった。力量差はほとんどなく、状況次第で逆転可能と考えていいだろう。母ベアフットレディはイギリスとカナダで重賞を勝った活躍馬で、これまでも現3勝クラスのマテンロウアレス(父ダイワメジャー)、今年のチューリップ賞で2着のセキトバイースト(父デクラレーションオブウォー)などを送り出している。そろそろ重賞勝ち馬が出てもいい頃だ。

スリーキングス

牡2歳

調教師:上村洋行(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ヒムノティック
  • 母の父:War Front
ここに注目!

稍重馬場だった前走でも問題のない走りを見せており、タフな馬場コンディションになっている今の京都でも評価を下げる必要はないだろう。ただ、走りそのものはきれいな馬。速い走破時計、速い上がりタイムが必要になった場合でも対応できるはずだ。

調教段階から目を引く動きを見せていたエピファネイア産駒。メイクデビュー中京(芝2000メートル)は直線で1頭になると気を抜くような面を見せ、一度は2着馬に前へ出られるシーンがあった。気性も含めてまだまだ粗削りではあるものの、内から差し返して勝利したように、持っているポテンシャルはかなり高そう。今後の成長がポイントになってくるだろう。もっとも、5月7日の遅生まれで成長の余地はかなり大きいはず。実戦を経験した2戦目でどのようなパフォーマンス見せるのかに注目したい。重賞でも結果を出せるようなら、来春が楽しみになる。

テイクイットオール

牡2歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:トップソリスト
  • 母の父:War Front
ここに注目!

コーナー通過2回で直線距離もたっぷりとある東京・芝1600メートルから、コーナー通過4回で少しトリッキーな京都の内回りに舞台が替わる。400メートルの距離延長には対応できても、舞台設定の違いが能力発揮に影響してくる可能性はあるだろう。

かなりのスローペースだったため、全体時計は平凡だった前走のメイクデビュー東京(芝1600メートル)だが、レースのラスト2ハロン10秒9、11秒2のラップを差し切った瞬発力とスピードは素直に評価すべきだろう。父はトップサイヤーの地位を盤石にしているキズナ、母の父は多くの活躍馬を輩出したダンジグ系の大種牡馬ウォーフロント、母系のその先にはガリレオ、シアトルスルー、リファールと、歴史に名を残す馬ばかりが並ぶ血統構成。キャリア2戦目の重賞挑戦で強力メンバーがそろっているレースだからこそ、血が騒ぐシーンがあるかもしれない。

ウォータークラーク

牡2歳

調教師:石橋守(栗東)

  • 父:ウォータービルド
  • 母:クリアーパッション
  • 母の父:キングヘイロー
ここに注目!

デビュー戦は稍重馬場での勝利で、多少の雨なら問題なくこなせることを示した。そこから中2週での参戦。詰まった間隔での出走とはなるが、調整過程は順調で、力を発揮できる状態とみてよさそうだ。

スローペースだったメイクデビュー京都(芝1800メートル)は、2番手でしっかりと折り合いをつけて直線で抜け出すと、後続に迫られても抜かされそうな雰囲気がなかった。着差以上の強さを感じさせるものであり、1800メートル以上の距離に対する適性を示すものでもあった。今回の距離延長はプラス材料と考えていいはずだ。父は今年の2歳が初年度産駒のウォータービルド。ディープインパクトの後継種牡馬ではあるものの、種付け頭数は決して多くなく、少ない産駒の中から活躍馬を送り出したい状況。産駒のJRA初勝利をマークした孝行息子のさらなる活躍に期待したいところだ。

クラウディアイ

牡2歳

調教師:橋口慎介(栗東)

  • 父:サートゥルナーリア
  • 母:モンクール
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

前走の体重が416キログラム。必要な筋肉はついているので、単純にコンパクトという印象でいいだろうが、クラシック路線で戦っていくのであればもう少しボリュームが欲しいところ。夏からの成長がどれほどあるかにも注目したい。

前走のメイクデビュー中京(芝2000メートル)は、3番手からスッと抜け出しての快勝だった。レースのラスト2ハロン11秒1、11秒1のラップ構成を差し切った内容も優秀なら、2着のサトノクローザーが次走であっさりと未勝利勝ちを決めたことから、メンバーレベルが低くなかったことも強調材料の一つと言える。父は新種牡馬のサートゥルナーリアで、母の父にはディープインパクト。本馬は名種牡馬サンデーサイレンスの4×3というインブリードを持っている。一瞬の切れという面では、今回の登録馬でも上位のものがありそうだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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