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牡5歳
調教師:戸田博文(美浦)
前走の新潟大賞典は接戦の末2着。ハナ差で涙をのんだが、オープンクラス入り直後での重賞連対は地力強化の証と言える。これまで18戦して、掲示板(5着以内)を外したのが2回という堅実派。初の福島でも好勝負ができそうだ。
未勝利勝ち直後のプリンシパルS(リステッド・東京・芝2000メートル)で2着に入ったように早くから能力の片りんを示してはいたが、オープンクラス入りを果たしたのは今年の3月。とはいえ、3勝クラスでも強敵と差のない競馬をしており、前走の新潟大賞典での2着は、それまでに培った経験と地力のたまものと言っていいだろう。その新潟大賞典は勝ち馬がスローペースに持ち込み逃げ切る不向きな展開のなかで、ラストは目立つ伸び。重賞を勝つだけの力量は十分に見せた。2着9回が示すように詰めが課題とも言えるが、それだけどんな状況でも好走できるタイプ。初コースでも重賞制覇のチャンスだ。
牡6歳
調教師:鮫島一歩(栗東)
特筆すべきは前々走の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)。後方から大外一気で差し切ったパフォーマンスは衝撃だった。前走の新潟大賞典は展開不向きの5着。前記福島民報杯を含めて2戦2勝の本舞台で巻き返しを期す。
3勝クラス突破に14戦を要したが、オープンクラス入り初戦だった福島民報杯(リステッド)を快勝。前走の新潟大賞典は初めての重賞挑戦で5着と、ここにきての充実ぶりは本物とみていいだろう。とりわけ強調できるのが福島民報杯だ。決して展開が向いたわけではなかったが、道中13番手から4コーナー手前で一気に動くと直線も勢いは衰えず、前にいる馬をすべてのみ込んでの優勝。1勝クラスを本舞台で勝っていた適性の高さはもちろん、それ以上に地力強化を感じさせる圧巻の勝ちっぷりだった。その福島民報杯と同じ舞台なら、巻き返しがあっても不思議はない。
牡4歳
調教師:木村哲也(美浦)
昨年の新潟記念の勝ち馬。同年春の日本ダービーでは勝ったタスティエーラから0秒2差の5着に入った。新潟記念後は苦戦続きだが、資質の高さは証明済み。中間は活気あふれる動きを見せており、立て直した効果に注目したい。
昨年の新潟記念を勝ったあとは菊花賞15着、金鯱賞12着、新潟大賞典8着と精彩を欠いているが、菊花賞は4コーナーでスムーズさを欠くシーンがあり、金鯱賞は休み明け。そして前走の新潟大賞典は負担重量増に加えて、レース前に落ち着きを欠く面を見せるなど、ここ3戦は力を出し切れない要因があった。いずれにしてももっと走れていいはずで、実績を見直したいところだ。この中間は調整方法を工夫し、美浦Wコースで丹念に仕上げられている印象。追い切りを重ねて力強さも出てきている。新潟記念で結果を出したように、夏に調子を上げる馬なのかもしれない。
牡5歳
調教師:友道康夫(栗東)
2着だった前走のメトロポリタンS(リステッド・東京・芝2400メートル)は、昇級初戦を思えば十分な好走。3走前の3勝クラス・日本海S(新潟・芝2200メートル、2着)では、のちの菊花賞馬ドゥレッツァと互角の走りをしており、まだまだ出世が見込める好素材だ。
11戦して4勝、2着5回、3着1回で、3着以内を外したのはデビュー戦の6着だけ。前走のメトロポリタンS(リステッド)では昇級初戦ながらいきなり2着に好走したように、素質は今回のメンバーでも上位の印象だ。そのメトロポリタンSは勝ち馬が逃げ切るなか、好位からしっかりと脚を使って、メンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。オープンクラスでもやれるメドを立てた。福島・芝2000メートルは2勝クラス時に2着があり経験済み。何より先行力があるうえ、終いも確かというレース巧者。現況の戦法からは、福島のような小回りでこそ本領発揮のイメージが沸く。
牡6歳
調教師:安田翔伍(栗東)
昨年の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)の勝ち馬で、同年の福島記念では3着。コース適性の高さが光る一頭だ。今年の福島民報杯は、ゴール手前で進路をなくす場面があっての5着。スムーズならもっとやれるはずで、ここは見直しが必要になる。
昨年の春から夏にかけては福島民報杯(リステッド)1着、新潟大賞典10着、七夕賞9着、小倉記念5着という成績。展開に左右されがちな脚質ゆえ、安定した成績を残しづらい面はあるが、秋初戦となった福島記念では勝ち馬と0秒2差の3着に好走し、改めて福島適性の高さを示した。また、この時からチークピーシーズを着用し、前々走の日経新春杯(5着)からはブリンカーに替えた。決勝戦手前で不利を受けた前走の福島民報杯(リステッド、5着)でも早めに動く態勢は作れていただけに、馬具を工夫した効果は出ているようだ。前走から間隔は空いたが、休み明けこそ走るタイプ。引き続き得意コースで、前走以上のパフォーマンスに期待したい。
せん5歳
調教師:宮本博(栗東)
一昨年のラジオNIKKEI賞の勝ち馬。その後は勝利こそないが、昨年には金鯱賞、鳴尾記念と2000メートルの重賞で連続2着に好走した。去勢手術明けだった前走の小倉大賞典で5着と復調の兆しを見せており、実績のある福島で完全復活をもくろむ。
昨年の七夕賞は3番人気の支持だったが、前にまったく進んで行かず14着。それ以後も以前の行きっぷりが影を潜めるレースが続いたが、去勢手術明け初戦となった前走の小倉大賞典は、久しぶりにこの馬らしい位置を取る競馬が見られた。大逃げの馬を追いかける厳しい競馬だったにもかかわらず5着を確保したあたり、復調のきっかけはつかめたのではないか。その小倉大賞典以来となるが、6月上旬からプール調教も取り入れながら熱心に乗り込まれており、6月26日の1週前追い切りは栗東CWコースで最後まで集中した走り。好ムードのまま臨むことができれば、久しぶりの勝利も見えてくる。
牡5歳
調教師:牧光二(美浦)
一昨年の弥生賞ディープインパクト記念の3着馬。その後は出世に時間を要したが、オープンクラス入り初戦だった今年の中山金杯で4着。前走の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)では2着と充実期にある。引き続き同舞台で上位を狙う。
2歳時のホープフルSで5着。3歳初戦の弥生賞ディープインパクト記念は、アスクビクターモア、ドウデュースに次ぐ3着だった。当時から能力の高さは明白だったが、抜け出してからソラを使うという集中力に欠ける気性もあって、オープンクラス入りしたのは昨年の12月だった。ただ、久しぶりの重賞だった中山金杯で4着に入ったあたり、むしろ相手強化のほうが最後まで集中して走れるのかもしれない。前走の福島民報杯(リステッド)もハンデ差があったとはいえ、早めに追い出しての2着確保は地力強化を示すもの。ハーツクライ産駒らしく、5歳にして本格化を迎えた印象もある。
牡7歳
調教師:和田勇介(美浦)
オープン特別2勝に加え、重賞での入着歴が多数。そのなかには福島記念での2年連続3着も含まれる。前走の金鯱賞(5着)は着差こそ大きかったが、再上昇を感じさせる走り。軽視はできない。
オープンクラス勝ちは、2021年のケフェウスS(中京・芝2000メートル)と昨年の巴賞(函館・芝1800メートル)。重賞勝利こそないが、福島記念の2年連続3着のほか、昨年の金鯱賞では勝ったプログノーシスから0秒3差の3着に好走した。これらの実績と今回のメンバーを考えれば、58キログラムのトップハンデはそれだけ力上位という証でもある。前走の金鯱賞は5着だったが、後方追走から直線で懸命に脚を伸ばして2、3着争いに加わっており、近走の不振は脱したとみてよさそうだ。その金鯱賞以来となるが、2週前、1週前と調教の内容は良好。躍進があっても驚きはない。
(山下 健)
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