今週の注目レース

JRA70周年記念 アンタレスステークス(GⅢ)

阪神競馬場 1800メートル(ダート)別定 4歳以上オープン

出走馬情報

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ヴィクティファルス

せん6歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ヴィルジニア
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

ダートへの路線変更がはまっただけでなく、去勢手術の効果も徐々に出てきている様子。馬体重の変動に当日の精神状態が出やすいタイプでもあるので、前走程度の数字で出走できているかどうかは確認したいところだ。

父はハーツクライで、母の父はヨーロッパの大種牡馬ガリレオ。本馬は3歳春にスプリングSでの重賞勝ちもあっただけに、ダート路線への転向が遅くなったが、その適性は予想していた以上に高いものだった。ダート競走に初めて挑戦した前々走のオープン特別・太秦S(京都・ダート1800メートル)を1馬身1/4差で快勝すると、ダート重賞初挑戦となった前走の東海Sでも勝ち馬ウィリアムバローズから0秒4差の3着に入り、このレベルでも戦えることを証明している。芝とはいえ、直線に急坂のある中山競馬場で重賞を勝った馬。阪神へのコース替わりもノープロブレムだろう。

ハギノアレグリアス

牡7歳

調教師:四位洋文(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:タニノカリス
  • 母の父:ジェネラス
ここに注目!

前走は特殊な馬場状態(不良)だったうえ、距離の2400メートルも少し長かったのかもしれない。すでに7歳となり、状態面の変動は小さくなった。490キログラム前後の馬体重での出走できれば、この馬の能力を素直に信用していいはずだ。

屈腱炎による1年8か月に及ぶ長い休養から復帰し、昨年の名古屋大賞典(JpnⅢ・名古屋・ダート2000メートル)、同じく昨年のシリウスSと2つの重賞タイトルを獲得。無理な日程で出走させることがないばかりか、適度に乗り込みが必要な状況でも、負担の少ない坂路のみで馬を仕上げていく陣営の尽力には頭が下がる思いだ。昨年の帝王賞(JpnⅠ・大井・ダート2000メートル)で4着、前々走のチャンピオンズCが6着と、大舞台でも着順をまとめている実力馬。GⅢの別定戦なら実力が一枚上だろう。重賞を勝っている阪神とのコース相性の良さにも注目したい。

テーオードレフォン

牡5歳

調教師:梅田智之(栗東)

  • 父:ドレフォン
  • 母:エミネントシチー
  • 母の父:ブライアンズタイム
ここに注目!

キャリア通算で〔1・1・0・4〕と信頼度に欠ける阪神・ダート1800メートルだが、デビュー勝ちを決めている舞台であり、ゴール前に急坂がある中山コースでも勝ち鞍がある。馬体が充実している現在なら、不安材料にはならないだろう。

地方交流競走も含め、ダートのGⅠ、JpnⅠを計9勝しているエスポワールシチー(父ゴールドアリュール)を半兄に持つドレフォン産駒。大外枠を問題にせず、楽々と抜け出した3走前の3勝クラス・市川Sが非常に強い内容で、オープンクラスへの昇級戦となった前々走のオープン特別・ポルックスS(ともに中山・ダート1800メートル)こそ5着だったものの、直線で一度は先頭に立つ見せ場十分のレースぶりだった。前走のオープン特別・名古屋城S(中京・ダート・1800メートル)での逃げ切り勝ちは、素質開花を証明するもの。初の重賞挑戦でも期待のほうが大きい。

スレイマン

牡6歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ドナブリーニ
  • 母の父:Bertolini
ここに注目!

ブリンカーを着用し、小回りコースのダート1700メートルに照準を絞ったことで成績が安定。ゆえに阪神へのコース替わりが一番のポイントとなるが、過去に3戦して2着1回、3着1回の成績を残している。こなしても不思議はないはずだ。

2012年の三冠牝馬であり、2度のジャパンカップ制覇を含めGⅠを7勝した名牝ジェンティルドンナ(父ディープインパクト)の半弟にあたる血統馬。ゆえにデビューは芝のレースだったが、早い段階でダート路線に転向し、一昨年の春にはオープンクラスへ出世を果たしている。その後は勝ち星をなかなか挙げることができず、オープンクラス初勝利となったのが前走のオープン特別・門司S(小倉・ダート1700メートル)。2着のペースセッティングに4馬身差をつける快勝だった。レースの内容も実に力強く、初めての重賞挑戦になる今回への期待を抱かせるもの。6歳春での重賞初制覇も十分にありそうだ。

ダノンマデイラ

牡6歳

調教師:茶木太樹(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:キャンディネバダ
  • 母の父:Pure Prize
ここに注目!

馬体重的には8キログラム増だった前走だが、長期休養明けの影響もあったのか、馬体には少し緩みが感じられた。前走ほどではないものの、今回も6か月半ぶりのレースとなるだけに、当日の仕上がり度合いは重要なチェックポイントになる。

芝でこそのイメージが強いディープインパクト産駒で、前走の馬体重が476キログラムと馬格も平均サイズ。ダートで結果を出し続けていることが不思議なタイプだが、この路線に転向してからの成績は〔4・0・0・1〕とほぼパーフェクト。繋靭帯炎による約1年5か月の長い休養からの復帰戦となった前走の3勝クラス・内房S(中山・ダート1800メートル)も、ゴール前の追い比べをクビ差制して勝利を飾った。今回がオープンクラスへの昇級戦で、重賞挑戦も初めてとキャリア的には見劣りするが、底知れない能力を感じるという意味では出走馬中ナンバーワンかもしれない。楽しみのほうが大きい一戦だ。

ミッキーヌチバナ

牡6歳

調教師:高橋亮(栗東)

  • 父:ダノンレジェンド
  • 母:ヌチバナ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

520キログラム台の大型馬だが、休み明けは全く苦にしない。むしろ、精神的にフレッシュな状態で出走できることを考えれば、プラス材料と考えたいくらいだ。今回は走り慣れている阪神コース。巻き返しがあっていい。

近親にダートのGⅠを計4勝し、種牡馬としても大成功したゴールドアリュールや、マイルチャンピオンシップを制したペルシアンナイトなどがいる血統背景の持ち主で、父ダノンレジェンドの代表産駒と言える馬でもある。スタートの出遅れを挽回して差し切り勝ちを決めた3走前の3勝クラス・御陵S(京都・ダート1800メートル)でオープンクラス入り。前走の東海Sは7着だったが、前々走のベテルギウスS(リステッド・阪神・ダート1800メートル)では、のちのGⅠ馬ペプチドナイルから0秒3差の3着と結果を残している。このメンバーに入っても力は足りるはずだ。

ホウオウルーレット

牡5歳

調教師:栗田徹(美浦)

  • 父:ロージズインメイ
  • 母:オメガフレグランス
  • 母の父:ゴールドアリュール
ここに注目!

関東馬でありながら、近走は関西へ遠征するケースが多かった。手前の変換が上手でない左回りのレースを避けていた印象もある。ひと息だった前走は左回りの中京。阪神へのコース替わりはプラス材料と言えそうだ。

東京大賞典4連覇の偉業を達成するなど、GⅠ、JpnⅠを計5勝したオメガパフューム(父スウェプトオーヴァーボード)の半弟という血統馬。地方競馬での活躍が印象深い兄だが、実は2022年のアンタレスSを勝っており、今回は兄弟による同一重賞制覇を目指す一戦となる。早くから重賞で活躍した兄と違い、5月の遅生まれだった本馬は成長過程もやや遅め。4走前の3勝クラス・堺S(阪神・ダート1800メートル)を制してオープンクラスへと昇級したが、これは4歳秋のことだった。オープンクラスでは目立ったパフォーマンスを見せていないものの、持っている末脚の切れはここでも上位。展開次第では面白いはずだ。

ラインオブソウル

牡5歳

調教師:音無秀孝(栗東)

  • 父:シニスターミニスター
  • 母:ファーストレディ
  • 母の父:スマートボーイ
ここに注目!

前々走はスタート後の不利も痛かったが、芝スタートで流れに乗り切れなかった部分もあった。ダートスタートで直線に坂もある阪神・ダート1800メートルは、全4勝のうちの3勝をマークする得意舞台。発馬を決めることが最も重要となる。

デビュー時から期待をかけられていたシニスターミニスター産駒だが、少しでもスムーズさを欠くと走り切れない面があり、またクラス慣れにも時間を要するタイプだったためか、オープンクラス入りを決めたのは4歳暮れの3勝クラス・摩耶S(阪神・ダート1800メートル)だった。課題のスタートを決め、流れに乗った競馬ができたことで持ち前のしぶとさを生かせた格好。この形のレース運びができるかどうかが今回もポイントになってくる。前走のマーチSではロスのない立ち回りで勝ち馬から0秒8差の5着を確保。今回はハンデ戦から別定戦に条件が替わるが、引き続き注目できるはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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