今週の注目レース

福島記念(GⅢ)

福島競馬場 2000メートル(芝)ハンデ 3歳以上オープン

出走馬情報

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牝6歳

調教師:池上昌和(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:エミーズスマイル
  • 母の父:アグネスタキオン
ここに注目!

今年夏の七夕賞で勝ち馬から0秒2差の3着。牡馬相手でも戦える力を示したうえ、いつもより前のポジションで走れたことも強調できるものだった。秋初戦の新潟牝馬S(リステッド・新潟・芝2200メートル)は2着と好発進。重賞初制覇のチャンスだ。

昨年3月の3勝クラス・スピカS(中山・芝1800メートル)を勝ってオープンクラス入り。5歳春での昇級は牝馬としては遅咲きだが、それだけ伸びしろが大きい印象を受ける。オープンクラス初勝利は昨年のオープン特別・新潟牝馬S(新潟・芝2200メートル)で、中団から鋭く抜けての快勝。次走のエリザベス女王杯は7着、今年初戦の小倉大賞典は5着と、ゆっくりだが着実に力をつけている。ともに3着だった3走前のマーメイドSと前々走の七夕賞は、本馬らしい一瞬の脚を生かした走りで好走。また、前々走は福島適性を感じさせる立ち回りだった。七夕賞と同舞台のここで初重賞タイトル獲得を期す。

牝4歳

調教師:上原博之(美浦)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:コスモアクセス
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

前走のクイーンSは収穫大の2着。重賞でも通用する地力を証明したほか、好位の内で我慢が利いた点も強調できるものだった。前々走の福島牝馬S(13着)こそ崩れたが、もともと福島巧者。躍進を見込んでいい。

全4勝中2勝が逃げ切り、2勝が好位の外から早めに逃げ馬に並びかけて抜け出したもの。先行押し切りが勝ちパターンというなか、道中は逃げ馬の後ろに控え、直線で差して2着に入った前走のクイーンSは、本馬にとってエポックメイキングな好走だったと言えるだろう。勝ち切れなかったものの、ほぼ完璧な立ち回りを見せており、心身の成長を示すには十分な走りだった。福島では1着、1着、13着。前々走の福島牝馬Sは13着だったが、外枠(7枠12番)から位置を取りにいったうえ、直線では窮屈になるシーンもあり、参考外と言っていいだろう。あらためてコース適性の高さに注目したい。

牡5歳

調教師:奥村豊(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ハロースカーレット
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

オープンクラス入り後、4着、3着、16着、2着。大崩れしたのは逃げられなかった函館記念(16着)だけ。逃げ馬らしく自分のペースでなければ苦しい一方、気分良く行ければとにかくしぶとい。小回りの福島で押し切りを狙う。

初勝利こそダートでの差し切りだったが、芝に替わってからの3勝は全て逃げ切り。現状はこのスタイルがベストのようだ。前走の小倉記念は、開幕週の馬場コンディションと、55キログラムのハンデが奏功した面はあったかもしれないが、後続に脚を使わせる本馬らしい走りで2着に好走した。今春の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)は、かわされてからもよく踏ん張って、勝ち馬(カレンルシェルブル)と0秒5差の4着に健闘。オープンクラス初戦だったことを思えば、及第点以上の力走だった。スピードとしぶとさを生かすには、小回りコースの2000メートルは最適だろう。ここも迷いなき逃げがかなうかに注目だ。

牡5歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:カレンケカリーナ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

今年の春に同じ舞台の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)を勝利。夏の七夕賞は9着だったが、上がり3ハロンタイム最速タイ(推定)で駆けており、適性の高さは示している。前走の小倉記念でもいい脚を使って5着。台頭の余地は十分にあるはずだ。

特筆すべきは、今春の福島民報杯(リステッド)の勝ちっぷりの良さだろう。3コーナーから4コーナーにかけての勝負どころで動き出すと、一頭だけ手応えが違う印象で大外から一気に進出。直線も外から前の馬を一気にかわして、オープンクラス初勝利を挙げた。続く新潟大賞典(10着)は不良馬場で力を出せず、七夕賞(9着)と小倉記念(5着)は展開が向かなかった。今回は開催2週目の馬場コンディションがどうかだが、勝負どころで一気に動ける機動力は備えている。休養明けの良績もあり、約3か月ぶりの実戦でも軽視はできない。

牡3歳

調教師:新開幸一(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:シンメイミヤビ
  • 母の父:Langfuhr
ここに注目!

他世代との初対戦となったオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)で2着。重馬場を思えば時計も立派だった。立ち回りのうまさを生かせる点で、福島替わりは好感。現実にラジオNIKKEI賞の2着馬でもある。

今年8戦目となるが、前走のオクトーバーS(リステッド)の走りから疲れなどは感じられず、むしろ良化している印象を受けるほど。まさに伸び盛りの3歳馬と言っていいだろう。これまでのキャリアでとりわけ強調できるのが、2着だったラジオNIKKEI賞。2勝目を挙げた直後の重賞挑戦で連対した点も優秀だが、勝ったエルトンバローズは毎日王冠でソングライン、シュネルマイスターらの強豪古馬を撃破。3着馬レーベンスティールは皐月賞馬ソールオリエンスを退けてセントライト記念を制覇と、ともに秋初戦で結果を残した。ラジオNIKKEI賞の株がグンと上がっただけに、本馬も重賞制覇のチャンスは十分にありそうだ。

牡7歳

調教師:藤原英昭(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ミスアンコール
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

前走のオープン特別・小倉日経オープン(小倉・芝1800メートル)は、3コーナー過ぎから動き、長く脚を使って勝利。クビ差の着差の印象以上に強さを感じさせるものだった。あのレースぶりなら福島も合いそう。成績はムラでも無視は危険だ。

昨年夏の3勝クラス・佐渡S(新潟・芝2000メートル)を勝ってオープンクラス入り。ダービー馬ワグネリアンの全弟という血統を思えば出世は遅れたが、集中力に欠ける面があったようだ。とはいえ、昇級初戦で挑戦したアルゼンチン共和国杯では、直線で一度は先頭に並ぶ見せ場を作っており、素質は確か。その後は成績が安定しなかったが、前走のオープン特別・小倉日経オープンで待望のオープンクラス初勝利。勝ち方も良かったが、最後まで集中して走れていたことは大きな収穫で、小回りコースの中距離戦は合いそうだ。200メートルの距離延長ながら、連勝が視野に入る。

牡5歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:パスオブドリームズ
  • 母の父:Giant's Causeway
ここに注目!

好メンバーがそろった前走の毎日王冠で、勝ち馬から0秒4差の6着。さすがに最後は伸び負けた格好に映ったが、GⅠ勝ち馬たちと戦った経験は大きな強みとなるだろう。今回はGⅢ。前走以上の走りを見込んでいいはずだ。

オープンクラス入りを果たしたのは今年の3月だが、戦績を振り返ると3歳夏のレパードSで4着に健闘し、秋には菊花賞にも挑戦(17着)。陣営が素質を高く評価していたことが分かる。3勝クラスでは2着が5回。掛かったりソラを使ったりと気性面の難しさは見られるが、それでも崩れずに走れていた点は能力の証明とも言える。先行も差しもできる自在性があり、初めての福島・芝2000メートルもこなせそうだ。2日の1週前追い切りは団野大成騎手を背に、栗東CWコースで6ハロン82秒7(ラスト1ハロン11秒3)を馬なりでマーク。前走を一度使っての上昇度も注目できるところだ。

牡6歳

調教師:浜田多実雄(栗東)

  • 父:ナカヤマフェスタ
  • 母:アートリョウコ
  • 母の父:タイキシャトル
ここに注目!

前走の毎日王冠は約8か月半ぶりの実戦。さすがに失速は早かったが、強敵相手でも先行する脚は見せた(10着)。初勝利が福島。重賞初勝利も福島というコース巧者。一変があっても驚けない。

一昨年の中山記念(14着)後に屈腱炎が判明し長期休養へ。昨年のオールカマーで復帰して4着、続く天皇賞(秋)は15着だった。そして今年初戦だったアメリカジョッキークラブCは8着、休みを挟んだ前走の毎日王冠が10着。近走の着順からは厳しい印象も受けるが、しっかりと先行態勢は取れており、前進気勢とスピードは衰えていないようだ。3歳時のラジオNIKKEI賞で、2着のパンサラッサに5馬身差をつけて逃げ切った逸材。今回は間隔を詰めて使える点が強調できるうえ、中間も十分な調教量を消化している。福島はラジオNIKKEI賞以来となるが、好走したコース。大きく変わるだけの材料がそろっている。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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