今週の注目レース

小倉2歳ステークス(GⅢ)

小倉競馬場 1200メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

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牡2歳

調教師:西園正都(栗東)

  • 父:ビッグアーサー
  • 母:アンナペレンナ
  • 母の父:Tale of Ekati
ここに注目!

前走時も調教時計の速さは目立っていたが、この中間は併走パートナーに全兄のビッグシーザーを配し、時計以上に中身の濃いハードな調教をしている。大型馬らしい重さも解消し、走りが軽くなってきた点も注目ポイントだ。

オープン特別・リステッド3連勝を含む4連勝を飾り、初の重賞挑戦だった5月の葵Sでは3着だったビッグシーザーの全弟にあたる血統馬。好時計を連発していたデビュー前の調教から、兄と同等のレベルか、もしくは兄以上のスピードと脚力を持った存在ではないかと話題になり、前走のメイクデビュー福島(芝1200メートル)での単勝オッズは1.4倍。これが単なる前評判で終わらず、6馬身差の圧勝という形で応えたあたりに大物の相を感じさせる。キャリア2戦目での重賞制覇を決めるようなら、周囲の評価はさらに高まるはずだ。注目のレースとなる。

牡2歳

調教師:武英智(栗東)

  • 父:モーリス
  • 母:ペルレンケッテ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

パドックの段階からテンションはやや高め。返し馬の行きっぷりも良過ぎるような面があった。2度目の実戦を平常心で迎えられるどうかが最大のポイントだろう。能力は確かな馬。環境への適応に注目したい。

種牡馬としての活躍も目立ってきたモーリスを父に持ち、ディープインパクト産駒の母ペルレンケッテはJRA4勝馬。本馬の前進気勢の強いレースぶりは父のモーリスに近いものを感じさせるが、スラッと見せる馬体はディープインパクトのそれ。両者の良さを抽出した馬と言えるのかもしれない。稍重馬場もあってそこまで速い勝ち時計ではなかった前走のメイクデビュー阪神(芝1200メートル)だが、あっさりと下した2着のドナヴィーナスが次走を快勝したことで、同馬の評価も相対的に上がっている。栗東CWコースでの1週前追い切りでマークしたラスト1ハロンタイムは10秒9。末脚はかなり切れる印象だ。

牡2歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:Iffraaj
  • 母:Rainswept
  • 母の父:Frankel
ここに注目!

前走は上手にリカバリーしたが、重賞の舞台でスタートの遅れは致命傷になりかねない。まずはスタートをしっかりと決めたいところだ。目一杯に追われていない状況での初戦勝ち。実戦を1度使った上積みは大きそうだ。

父は、ジャックルマロワ賞などヨーロッパの主要なマイルG1を4勝したリブチェスターの父として知られるイフラージで、母の父は日本でも多くの産駒が走っている近年最強馬フランケル。ハイレベルの良血と呼ぶべきだろう。素晴らしいのは血統だけでなく、垢抜けた馬体と2歳馬らしからぬレース運びの上手さも注目ポイント。最内枠での出遅れにも慌てず、直線で楽に抜け出して勝利した前走のメイクデビュー小倉(芝1200メートル)は、1分09秒1の走破時計。2着馬につけた0秒2というタイム差以上の奥深さを感じさせた。日本で初のイフラージ産駒の重賞勝ち馬となるかもしれない。

牝2歳

調教師:鈴木孝志(栗東)

  • 父:バゴ
  • 母:ヴォルドニュイ
  • 母の父:Sky Mesa
ここに注目!

4月下旬の生まれながら、すでに馬体がまとまっている仕上がり早の牝馬。リズムのいい歩き方をするパドックの所作も好感が持てるもので、前向きな気性が見て取れる。2歳戦に向いたタイプと言えそうだ。

クロノジェネシスが代表産駒となっている父のバゴではなく、スピード豊富な母の父スカイメサの影響を感じるタイプ。2馬身1/2差で快勝したメイクデビュー中京(芝1200メートル)は、ハイペースで飛ばす逃げ馬を2番手で見る格好から、直線であっさりと抜け出すレースセンスの高さも披露した。馬場状態に変化のある日だったとはいえ、走破タイムの1分08秒7は、アスクワンタイムが勝った同日の未勝利の勝ち時計よりも0秒6も速く、翌日に行われた古馬1勝クラスでも4着に相当する数字。ここも好評価のポイントだろう。重賞でもチャンスは大きいはずだ。

牝2歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:スワーヴリチャード
  • 母:スパイチャクラ
  • 母の父:Shamardal
ここに注目!

小倉へ輸送して馬体重12キログラム増。短期間でのボリュームアップに成功した前走時の馬体を維持したいところだ。一方、鞍上が左ムチを入れても外へ行ってしまったゴール前の走りには課題が残った。矯正したいポイントだろう。

躍進が続くスワーヴリチャード産駒の一頭で、現役時代に父を管理した庄野靖志調教師へ同産駒による初勝利を届けた。話題性の高い馬ではあるが、スプリンターらしいレース内容と豊富なスピードは、ジャパンカップを勝った父よりも1200メートルを主戦場にした母スパイチャクラの影響を感じさせるものだ。実際、過去の2戦はどちらもスピードを生かした逃げの形になっており、初勝利を飾った前走の未勝利(小倉・芝1200メートル)でマークした1分08秒3の勝ちタイムは、同日6レースの新馬戦のそれより0秒8も速いなど、数字の裏付けもある。注目の重賞挑戦を迎える。

牡2歳

調教師:梅田智之(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:ディープインアスク
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

初戦よりも楽にポジションを取れ、レース運びに余裕があった前走の内容を思えば、今回もスタートをしっかりと決めることが大事になりそう。2戦連続で水分を含んだ馬場状態だったが、本質的には良馬場のスピード競馬が合うはずだ。

よほど相性がいいのか、ロードカナロアとの配合でここまで2頭の重賞勝ち馬を産んでいる母のディープインアスク。重賞2勝の全兄ファンタジストは2018年の小倉2歳Sを制しており、全姉ボンボヤージは2022年の北九州記念を優勝。活躍馬を出しているだけでなく、小倉のスプリント重賞を勝っているところも注目したいポイントだ。前走の未勝利(中京・芝1200メートル)では、2着馬に5馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで初勝利をゲット。ここで全きょうだい3頭目の重賞勝ち馬が誕生しても不思議はない。

牝2歳

調教師:吉村圭司(栗東)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:ラソ
  • 母の父:パイロ
ここに注目!

前走は減量騎手同士で決まったレース。牝馬でも460キログラムの馬格がある馬だが、前走比で3キログラムの斤量増はポイントの一つと捉えていいだろう。前走のような位置を取れない可能性も考えたい。

開幕週の初日に行われた牝馬限定のメイクデビュー小倉(芝1200メートル)を勝ち上がった。スタートダッシュが速いわけではなかったが、開幕週の馬場を意識した積極的な騎乗が功を奏しての逃げ切り勝ち。2着馬に1馬身の着差以上に余裕が感じられる内容だった。父はGⅠ3勝馬のヴィクトワールピサで、母系はダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアンなどの活躍馬を輩出したスカーレットインク系。母のラソ自体は1勝馬だが、唯一の勝利が小倉・芝1200メートルでのデビュー戦だった。血統的に奥が深いだけでなく、この条件への適性も高そうだ。

牡2歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:War Front
  • 母:Crimson Maple
  • 母の父:Rahy
ここに注目!

460キログラム付近の馬体重だが、その数字よりも肉付きがいいと感じる馬。とはいえ、2戦目の前走でも少し余裕を感じたのは事実だ。今回でキャリア3戦目だが、上積みの余地は十分に残っている。450キログラム台の馬体重が理想かもしれない。

メイクデビュー阪神(芝1800メートル)はギャンブルルームの5着に敗れたが、これは適性によるところが大きいだろう。父はダンジグの後継種牡馬として活躍しているウォーフロント、母の父ラーイも種牡馬として大成功した馬だが、どちらも特徴は優れたスピードにある。条件を変更し、2番手から抜け出して勝利した前走の未勝利(新潟・ダート1200メートル)は、初戦よりも明らかに競馬がしやすそうな雰囲気を感じた。短距離だけでなく、ダートのほうにも適性を感じたレースぶりから、芝でも同程度のパフォーマンスを見せられるかが焦点となってくるだろう。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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