写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。
牝5歳
調教師:友道康夫(栗東)
前走後はリフレッシュ放牧を経て、ここを目標にした調整。追い切りでは状態の良さがわかるほどの行きっぷりを見せており、好仕上がりと言っていいだろう。今回も折り合いが一番のポイントだ。
ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナを母に持つモーリス産駒。だが、小柄な馬体と傑出した瞬発力は、母でなく秋華賞とドバイターフ(G1・UAE)を勝った叔母のヴィブロスを想起させる。GⅠレベルの資質の高さはデビュー前から認められていたものの、課題とされた折り合い面を克服することができず、オープンクラス入り後は目立った結果を残せずにいた。転機になりそうなのが、強敵相手に4着と健闘した前走のヴィクトリアマイル。序盤は後方に控え、直線の勝負に徹したことが功を奏した印象だ。あの末脚を再現できれば、直線一気のシーンがあってもいい。
牡4歳
調教師:安田隆行(栗東)
栗東坂路でラスト1ハロン11秒台を連発するなど、立て直した効果を感じさせる動きを見せているが、実績馬がゆえに背負うハンデもポイントになってくる一戦。左回りで長い直線のある舞台自体はベストと言えるはずだ。
昨年のNHKマイルCを制したGⅠ勝ち馬。秋初戦の富士Sは3着だったが、セリフォス(1着)、ソウルラッシュ(2着)といった実力馬とクビ+クビ差の接戦を演じた。この実績だけでなく、持っている能力も今回のメンバーでは上位のはずだが、11着に敗退したマイルチャンピオンシップ以降の成績が振るわない。スムーズな競馬ができたように見えた前走の安田記念でも直線で失速して13着と、本来のパフォーマンスを見せられなかった。GⅢからの再出発となるここできっかけをつかみたいところだ。
牡6歳
調教師:友道康夫(栗東)
精神面の問題だけでなく、肉体的に苦しい時にも内にモタれる面を見せる馬で、それは調教でも同様。だが、今回の調教ではそのような面を見せず、しっかりと走れている。状態が戻っているのであれば、オープンクラス3勝の実力を見直せる。
2度の長い休養があり、昨年は3戦のみ。ただ、順調さを欠くようなローテーションでも、前々走のカシオペアS(リステッド・阪神・芝1800メートル)ではプログノーシス(今年の金鯱賞勝ち馬で、続く香港のG1・クイーンエリザベスⅡ世Cも2着)を退けて勝利した。重賞タイトルこそ獲得していないが、それに準ずる能力の持ち主と判断していいだろう。前走の谷川岳S(リステッド・新潟・芝1600メートル)は14着も、挫跖の影響による6か月の休み明けに加えて、小柄な馬体に60キログラムの斤量も厳しかった。条件が好転する今回は、変わり身を見せられるはずだ。
牡6歳
調教師:畠山吉宏(美浦)
出走馬最速の推定上がり3ハロンタイムをマークしたのは、2年近くも前のこと。決め手に欠ける面があるタイプだけに、今回も道中のポジションと抜け出すタイミングがポイントになるだろう。待望の重賞初制覇を狙う。
4走前のニューイヤーS(リステッド・中山・芝1600メートル)でオープンクラス勝ちを果たしたスクリーンヒーロー産駒。約2か月半ぶりのレースだった前走の米子S(リステッド・阪神・芝1600メートル、4着)は、16キログラムの馬体減でも細くは見えず、逆に緩さを感じたほど。美浦トレーニング・センターの坂路閉鎖により、調整に苦労した面があったのかもしれない。そのような状況でも勝ったメイショウシンタケから0秒3差と、力は示したと言えるだろう。今回は栗東トレーニング・センターに滞在し、坂路とCWコースの併用で調整されており、筋肉の張りも戻ってくるはずだ。初の重賞制覇に期待したい。
牝4歳
調教師:藤原英昭(栗東)
調教段階からテンションの高さが目立つタイプで、栗東CWコースでの追い切りも半マイルのみがパターン。時計の速さよりも、前半を落ち着いて走れているかどうかをチェックしたい。牝馬でもタフな馬場コンディションは苦にしない。
昨年のフィリーズレビューを制した重賞勝ち馬で、今春の阪神牝馬Sでは10番人気の低評価を覆し、勝ったサウンドビバーチェから0秒2差の2着と好走した。前走のヴィクトリアマイルは13着と結果を出せなかったが、勝ったソングラインとのタイム差は0秒8と、大きくは離されていない。スタートの出遅れで流れに乗れなかったことを考慮すれば、悲観するような内容ではなかったはずだ。末脚勝負だけでなく、好位からの競馬もできるタイプ。まずはしっかりとスタートを決めたいところだろう。
牡5歳
調教師:矢作芳人(栗東)
中京コースは2歳秋以来の登場。当時は勝利しているものの、それ以外では成績を残せていない左回りの克服が最大のポイントだろう。長距離輸送が苦手であるとすれば、直前輸送の中京なら違う結果が見込めるはずだ。
3歳春にアーリントンCでGⅢを勝ち、GⅡは一昨年の阪神Cと昨年のマイラーズCで2度の2着と、今回のメンバーでは実績上位の一頭と言えるだろう。昨秋は好調時の迫力がなく結果を出せなかったが、今年は初のダートへの参戦や海外遠征を経験。前々走の阪急杯では勝ち馬から0秒4差の3着に好走しており、力の衰えもないはずだ。この中間の動きが良く、いい頃の雰囲気が戻ってきている様子。この馬らしいスムーズな先行策を取ることができれば、久々に先頭でゴールするシーンが見られそうだ。
牡5歳
調教師:千田輝彦(栗東)
中京コースの成績は資質開花に至っていない未勝利時代のもので、度外視できるだろう。左回り自体の経験も少ないが、抜け出す瞬間に右手前だった前走の内容から、プラスに働く可能性まで考えておきたい。
直線で馬群を割り、オープンクラス初勝利をマークした前走の米子S(リステッド・阪神・芝1600メートル)は、約2か月半ぶりのレースだった。それまでも休み明けで結果を出したことはあったが、基本的には使いつつ良化するタイプだ。前走時は速い追い切りが2本で、強い負荷も掛けられていなかった調整過程。初勝利まで7戦、3勝クラス突破に5戦を要した過去の戦績もあってか、13頭立ての10番人気という低評価だった。それでいて勝ち時計の1分31秒7は、今年の阪神・芝1600メートルにおける最速タイム。重賞初挑戦でも侮れない。
牝4歳
調教師:藤原英昭(栗東)
勝つか大敗かという極端な成績は、心身ともに成長途上であるがゆえ。折り合いをつけ、ディープインパクト産駒らしい瞬発力を生かしたいところだろう。2戦2勝と相性のいい中京へのコース替わりは歓迎材料だ。
デビュー当時から能力を高く評価されていたディープインパクト産駒で、キャリア3戦目のフローラS(15着)では1番人気に支持された。その後は1勝クラスから3連勝でオープンクラス入りと、着実にキャリアアップ。前々走の阪神牝馬Sは、昇級初戦でフローラS以来となる久々の重賞挑戦だったが1番人気の支持を集めた。陣営の評価だけでなく、ファンからの人気も非常に高い馬と言えるだろう。その阪神牝馬Sでは6着、GⅠに初挑戦した前走のヴィクトリアマイルも10着と結果を出せていないが、今回はGⅢのハンデ戦。変わり身があっていい。
(松浪 大樹)
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。