用語
デジタルで被写体を撮影する際にはセンサーが必要になるが、一般的なデジタルカメラは「エリアセンサー」を用いて、シャッターを押した瞬間の画を撮影しているのに対し、JRAで使用している決勝写真撮影カメラはレンズの焦点面の前に特殊な「ラインセンサー(幅0.02ミリメートル)」を設け、これを一定の場所、つまり決勝線(ゴール板の真ん中にある鏡)に合わせておき、決勝線上の時間の経過を撮影している。エリアセンサーが面として被写体を撮影するものとすれば、ラインセンサーは線として被写体を撮影するものといえる。このラインセンサーは身近な例で挙げるとコピー機、スキャナー、バーコードリーダー等に使用されている。コピー機はラインセンサー自体が動くことにより被写体(紙)を撮影しているが、決勝写真撮影カメラは、ラインセンサーを固定し決勝線を通過する被写体(馬)を撮影(1万分の1から1万分の2秒毎にスキャン)していき、その静止画を時系列に繋ぐことで決勝線を通過した競走馬が画像となって表れる仕組みになっている。こうしたことから、決勝写真は各馬が決勝線に到達する順序で撮影されることになり、その写真を参考に決勝審判委員が到達順位を判定する。従って、決勝写真上のゴールはどこか、という問いに対しては、「すべてがゴールである。」が答えになる。また、決勝写真上の各馬の差については、実馬の差つまり“距離”ではなく、決勝線に到達した“時間”の差ということになる。