セントウルSはサマースプリントシリーズの最終戦であるとともに、スプリンターズSの前哨戦に位置付けられている。今年は4年ぶりに本来の舞台である阪神・芝1200メートルで、シリーズを転戦してきた馬と夏場を休養に充てていた馬がしのぎを削る。今回は中京・芝1200メートルで行われた2020年から2022年も含めた過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝1番人気馬は連対率100%と圧巻の成績で、目下7連勝と近年はとことん強さを見せつけている。ただ、2015年は10番人気のアクティブミノルが勝利を収め、2020年は12番人気のメイショウグロッケが2着と、2桁人気馬が馬連万馬券を演出したこともある。基本的には上位人気馬中心の傾向だが、1頭までなら6番人気以下の伏兵が3着以内に入り込む余地もあるようだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 7-3-0-0 | 70.0% | 100% | 100% |
2番人気 | 1-3-2-4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
4番人気 | 1-0-3-6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
6〜9番人気 | 0-3-2-35 | 0% | 7.5% | 12.5% |
10番人気以下 | 1-1-0-54 | 1.8% | 3.6% | 3.6% |
過去10年の前走別成績を調べると、前走がGⅡだった馬は出走数こそ3頭と少ないものの、そのうち2頭が優勝を果たしている。また、国内外のGⅠから臨んだ馬も3着内率が40%を超えているので、上半期のGⅠやGⅡ出走後に休養していた馬が参戦した際はマークしておきたい。一方、前走がオープン特別だった馬は延べ30頭の出走で3着が2回あるのみと振るっていないので、評価を下げる必要がありそうだ。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 3-2-2-10 | 17.6% | 29.4% | 41.2% |
GⅡ | 2-0-0-1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
GⅢ | 4-8-6-70 | 4.5% | 13.6% | 20.5% |
オープン特別 | 0-0-2-28 | 0% | 0% | 6.7% |
3勝クラス | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
地方 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
海外 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
なお、前走GⅢ組は3着以内に入った18頭中16頭がサマースプリントシリーズの転戦馬で、同シリーズを構成する全てのレース(函館スプリントS・CBC賞・アイビスサマーダッシュ・北九州記念・キーンランドC)の出走馬から3着以内馬が出ている。特に、前走で同シリーズ対象レースを連対していた馬は半数以上が3着以内に入っており、GⅠ・GⅡ組と同等以上の成績だ。該当馬がいれば押さえておくべきだろう。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 2-2-0-3 | 28.6% | 57.1% | 57.1% |
2着 | 1-2-0-3 | 16.7% | 50.0% | 50.0% |
3着 | 0-1-0-2 | 0% | 33.3% | 33.3% |
4着 | 0-0-2-7 | 0% | 0% | 22.2% |
5着 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
6〜9着 | 0-0-2-15 | 0% | 0% | 11.8% |
10着以下 | 0-2-1-26 | 0% | 6.9% | 10.3% |
阪神・芝1200メートルで行われた2013年から2019年の7回では、同コースでの優勝経験を持つ馬が5勝を挙げていた。この経験を持つ馬の中でも特に注目したいのが4歳馬と5歳馬。合わせて〔5・1・1・5〕と過半数が馬券に絡む活躍ぶり。阪神競馬場に舞台が戻る今年は、コース実績を重視する手もありそうだ。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-1-3-18 | 18.5% | 22.2% | 33.3% |
なし | 2-6-4-60 | 2.8% | 11.1% | 16.7% |
過去10年の優勝馬は5歳以下の馬に限られるので、6歳以上の馬は勝つ可能性が低いと考えてよさそうだ。また、2017年優勝のファインニードルを除く9頭は、前走がサマースプリントシリーズ対象レースで2着以内、もしくは国内外のGⅠ・GⅡと、臨戦過程も前項までで記した傾向に合致していた。さらに、この9頭には芝1400メートル以下の重賞勝ちの実績があったので、これらの傾向を総合して勝ち馬の候補を絞り込みたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 前走 | 芝1400m以下の重賞勝ち鞍 |
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2013年 | ハクサンムーン | 4歳 | アイビスSD(GⅢ)1着 | アイビスSD(GⅢ)など2勝 |
2014年 | リトルゲルダ | 5歳 | 北九州記念(GⅢ)1着 | 北九州記念(GⅢ) |
2015年 | アクティブミノル | 3歳 | ニュージーランドT(GⅡ)15着 | 函館2歳S(GⅢ) |
2016年 | ビッグアーサー | 5歳 | 高松宮記念(GⅠ)1着 | 高松宮記念(GⅠ) |
2017年 | ファインニードル | 4歳 | 北九州記念(GⅢ)5着 | なし |
2018年 | ファインニードル | 5歳 | チェアマンズSP(G1)4着 | 高松宮記念(GⅠ)など3勝 |
2019年 | タワーオブロンドン | 4歳 | キーンランドC(GⅢ)2着 | 京王杯SC(GⅡ)など2勝 |
2020年 | ダノンスマッシュ | 5歳 | 安田記念(GⅠ)8着 | 京王杯SC(GⅡ)など5勝 |
2021年 | レシステンシア | 4歳 | ヴィクトリアマイル(GⅠ)6着 | 阪急杯(GⅢ)など2勝 |
2022年 | メイケイエール | 4歳 | 京王杯SC(GⅡ)1着 | 京王杯SC(GⅡ)など4勝 |
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