サマー2000シリーズの最終戦となる新潟記念は、最後の直線で横いっぱいに広がっての白熱した追い比べとなることが多い。果たして、今年はどのような結末が待ち受けているのだろうか。過去10年の結果を参考に、レースの特徴を探ってみた。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、1番人気から3番人気はそれぞれ3着内率が40%と上位人気の信頼度が今ひとつ。特に1番人気は2018年を最後に馬券に絡めておらず、過信は禁物だろう。さらに、ここ2年は12番人気のマイネルファンロン、10番人気のカラテが勝利するなど6番人気以下の馬の台頭が目立っているので、波乱の決着も想定して予想を組み立てた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
2番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 0-2-2-6 | 0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
5番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 2-5-3-30 | 5.0% | 17.5% | 25.0% |
10番人気以下 | 3-0-3-73 | 3.8% | 3.8% | 7.6% |
過去10年の年齢別成績を見ていくと、3着内率は3歳と4歳が高くなっている。ただ、2021年は6歳のマイネルファンロンとトーセンスーリヤがワンツーを決め、2022年も1着のカラテが6歳、2着のユーキャンスマイルが7歳と、近年は6歳以上の馬の好走が多くなっている。また、6歳以上の馬は好走率で劣るものの、馬券に絡んだ10頭中9頭が6番人気以下と配当妙味がある点も覚えておきたい。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 1-0-1-6 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
4歳 | 2-3-3-22 | 6.7% | 16.7% | 26.7% |
5歳 | 3-4-3-40 | 6.0% | 14.0% | 20.0% |
6歳 | 3-2-1-38 | 6.8% | 11.4% | 13.6% |
7歳以上 | 1-1-2-33 | 2.7% | 5.4% | 10.8% |
2022年の連対馬はともに前走がGⅠで、ここ5年はGⅠから臨んだ牡馬が〔3・2・0・7〕(3着内率41.7%)と活躍している。過去10年で見れば3着以内馬の頭数は前走GⅢ組が19頭と最も多く、そのうち14頭は前走がサマー2000シリーズ対象レースの七夕賞・函館記念・小倉記念のいずれかだった。シリーズの最終戦ということを考えれば、この結果も納得のいくところだ。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 3-2-0-15 | 15.0% | 25.0% | 25.0% |
GⅡ | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
GⅢ | 6-6-7-77 | 6.3% | 12.5% | 19.8% |
オープン特別 | 0-0-2-15 | 0% | 0% | 11.8% |
3勝クラス | 1-2-1-23 | 3.7% | 11.1% | 14.8% |
2勝クラス | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
血統に注目すると、ディープインパクト産駒が、2014年にワンツースリーフィニッシュを決めるなど過去10年で延べ10頭が馬券に絡んでいる。ただ、近年は少し様相が変わってきたようで、ここ5年はキングカメハメハを父か母の父に持つ馬が延べ7頭も3着以内に好走。また、表に入っていない2022年優勝のカラテは、父のトゥザグローリーがキングカメハメハの産駒だった。近年の傾向を重視するのであれば、キングカメハメハの血を引く馬は評価を上げた方がよさそうだ。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 着順 | 馬名 | 父 | 母の父 |
---|---|---|---|---|
2013年 | 3着 | ファタモルガーナ | ディープインパクト | エリシオ |
2014年 | 1着 | マーティンボロ | ディープインパクト | Nureyev |
2着 | クランモンタナ | ディープインパクト | トニービン | |
3着 | ラストインパクト | ディープインパクト | ティンバーカントリー | |
2015年 | 1着 | パッションダンス | ディープインパクト | ジェイドロバリー |
2016年 | 1着 | アデイインザライフ | ディープインパクト | サクラバクシンオー |
2着 | アルバートドック | ディープインパクト | Unusual Heat | |
2018年 | 1着 | ブラストワンピース | ハービンジャー | キングカメハメハ |
2019年 | 1着 | ユーキャンスマイル | キングカメハメハ | ダンスインザダーク |
2着 | ジナンボー | ディープインパクト | キングカメハメハ | |
3着 | カデナ | ディープインパクト | French Deputy | |
2020年 | 1着 | ブラヴァス | キングカメハメハ | ディープインパクト |
2着 | ジナンボー | ディープインパクト | キングカメハメハ | |
2021年 | 3着 | クラヴェル | エピファネイア | キングカメハメハ |
2022年 | 2着 | ユーキャンスマイル | キングカメハメハ | ダンスインザダーク |
過去10年の優勝馬10頭中9頭は前走がGⅠ、もしくは7月か8月のGⅢだったことから、まずは前走でふるいにかけたい。また、その9頭のうち8頭は7、8月の重賞で連対経験があったか、同時期の新潟のレースを勝っていたので、夏場に好結果を残せているかどうかも1着候補を選ぶ際の指標となりそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走 | 7、8月の主な成績 |
---|---|---|---|
2013年 | コスモネモシン | クイーンS(GⅢ) | 2011年クイーンS(GⅢ)2着 |
2014年 | マーティンボロ | 小倉記念(GⅢ) | 2014年小倉記念(GⅢ)2着 |
2015年 | パッションダンス | 小倉記念(GⅢ) | 2012年3歳以上500万下(新潟)1着 |
2016年 | アデイインザライフ | 常総S(1600万下) | 7、8月の出走なし |
2017年 | タツゴウゲキ | 小倉記念(GⅢ) | 2017年小倉記念(GⅢ)1着 |
2018年 | ブラストワンピース | 日本ダービー(GⅠ) | 7、8月の出走なし |
2019年 | ユーキャンスマイル | 天皇賞(春)(GⅠ) | 2018年阿賀野川特別(新潟・1000万下)1着 |
2020年 | ブラヴァス | 七夕賞(GⅢ) | 2020年七夕賞(GⅢ)2着 |
2021年 | マイネルファンロン | 函館記念(GⅢ) | 2019年函館記念(GⅢ)2着 |
2022年 | カラテ | 安田記念(GⅠ) | 2021年関屋記念(GⅢ)2着 |
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