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競馬場・コース紹介

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グッドウッド競馬場

グッドウッド競馬場はイングランド南部のウエストサセックス州チチェスターにあり、首都ロンドンからは南西に100キロメートルほど。最寄りのチチェスター駅まではロンドンから電車で約1時間半、そこからはバスやタクシーを利用し約15分でアクセスできる。競馬場は場内のエレガントな雰囲気ももちろん魅力的だが、隣接するトランドルヒルと呼ばれる丘から見下ろす競馬場とそれを囲む丘陵の風景はまるで絵画のような素晴らしさ。世界で最も美しい競馬場と評されるのもうなずける。

グッドウッド競馬場で初めて競馬が行われたのは1801年のこと。2日間行われたこの年のレースは土地を所有していた第3代リッチモンド公爵の手による私的なものだったが、翌年には小規模ではあったがゲストを招くためのスタンドが設けられ、ジョッキークラブのルールに基づく形で3日間にわたってレースが開催された。
その後、グッドウッド競馬場は、1830〜40年代にかけて第5代リッチモンド公爵とその友人のジョージ・ベンティンク卿によって、指定された場所での装鞍、パドック、そして返し馬という出走馬を下見して確認することを可能とする流れの導入、フラッグスタート(それまで一般的だった掛け声ではなく、旗を振って発走を知らせるもの)の実施、それに発走時刻の厳守など競馬の公明さを高めるための様々な施策が行われたこともあって人気を獲得。イギリスを代表する競馬場のひとつとなっていった。
なお、グッドウッドエステートと呼ばれる競馬場とその周辺の約1万2000エーカーにも及ぶ土地は現在でもリッチモンド家(初代は国王チャールズⅡ世の非嫡出子。現在の当主は第11代)が所有しており、競馬のほかにもモータースポーツの「フェスティバルオブスピード」や「グッドウッドリバイバル」の開催場所として広く知られている。

グッドウッド競馬場は平地競馬専用で、2023年は5月から10月にかけて年間19日間の予定でレースが行われる。
そのハイライトとなるのは毎年7月末もしく8月頭に組まれる「グッドウッドフェスティバル」。5日続けて行われるこの開催(2023年は8月1日の火曜日から5日の土曜日まで)では、イギリスにおける真夏のマイル王者を決めるレースで、2011年と2012年には14戦無敗の名馬フランケルが連覇したことでも知られるG1サセックスS(3歳以上、芝1600メートル)、2019年に日本のディアドラが優勝したG1ナッソーS(3歳以上牝、芝1980メートル)、そして1812年に創設された伝統の長距離戦G1グッドウッドC(3歳以上、芝3200メートル)と3つのG1を含む計13の重賞レースを実施(2023年の予定)。レースの質の高さのみならず、真夏の煌びやかな日差しに彩られたこの開催は「グロリアスグッドウッド」(壮麗なグッドウッド)の異名を取る。

競馬場は芝コースのみ。コースレイアウトは独特で、1200メートルまで実施可能な直線コースに8の字をつぶしたようなコースを組み合わせた形(3200メートル以上のレースではコーナーを一度左回りで回った後、その後は右回りで回ってゴール)。最終コーナーは外側のトップベンドと内側のロウアーベンドの2つが競走距離によって使い分けられている。
コースは全体的に起伏に富んでいるほか、特にトップベンドのコーナーの曲がりがシャープであることが大きな特徴(サセックスSは比較的コーナーが緩やかなロウアーべンドを使用)。タフでかつトリッキーなコースとして知られている。最後の直線はトップベンド使用時で800メートル強(ロウアーべンド使用時で700メートル弱)。

文:秋山 響(TPC)
(2023年6月現在)

  • グッドウッド競馬場 イメージ1
  • グッドウッド競馬場 イメージ2
  • グッドウッド競馬場芝1600メートル

    グッドウッド競馬場 芝1600メートル コース図

    サセックスS(G1・イギリス)が行われるグッドウッド競馬場の芝1600メートルは8の字をつぶしたような形をしたコースの右上部分にある直線からのスタート(コース図を参照)。2つある最終コーナーのうち、ロウアーベンドと言われる内側にあるコーナーを右回りに回った後、最後の直線(700メートル弱)を走ってゴールというのが大まかな流れになる。
    ひとつ目のポイントとなるのはスタートから200メートル弱ある下りと、その後、残り1000メートルの辺り(コーナーの中程)まで続く急な上り。最初の下りでいかに折り合いをつけて上りを迎えるかが、スタミナの消耗を最小限に抑える意味で重要になる。上りは急で、その意味では当然パワーも要求される。
    もうひとつのポイントはコーナーの終盤から直線にかけての下り。上りほどの高低差はないものの、スピードに乗りやすい部分で、バランスやコーナリング能力が求められる。また、最後の直線はおおむね緩やかな下りとなっており、トップスピードを含めた高いスピード能力が問われることになる。

    過去20年のサセックスSにおける最速タイムは2006年にコートマスターピースが良馬場で記録した1分36秒10。前半にきつい上りがあるというコース形態的に序盤のペースは上がりにくく、速い時計の決着にはなりづらい。また降雨によって馬場が悪化するとかなりタフなレースになり、重馬場で行われた2017年(勝ち馬ヒアカムズホエン)の勝ちタイムは1分46秒11だった。

    文:秋山 響(TPC)
    (2023年6月現在)

グッドウッド競馬場 紹介動画(2022年制作)

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