海外競馬発売

イギリス競馬のルール

イギリス競馬のルール

JRAとイギリスの主なルールの違い

競馬の実施にあたっては、各国・地域ごとにそれぞれ固有のルールが定められており、JRAのものとは異なる点があります。

JRAが海外競馬の勝馬投票券発売を行う際、払戻しは競走終了後に現地主催者のルールにより確定した着順に基づいて行います。なお、JRAの競走と同様、確定後に競走成績上の着順の変更があった場合でも、払戻しの変更はいたしません。

JRAとイギリスにおける主なルールの違いを説明します。

馬番号とゲート番号

JRAでは、馬番号は抽選で決定し、ゲート番号は馬番号と同一となります(例:馬番号「5」の出走馬は5番ゲートから発走)。

イギリスでは原則として、馬番号は(1)負担重量が重い順、(2)馬名のアルファベット順で1からふられ、その後、ゲート番号は抽選で決定します。したがって、ゲート番号と馬番号は異なります(例:馬番号「5」の出走馬が10番ゲートから発走など)。

JRAが発売する海外競馬の勝馬投票券は、馬番号での投票となりますのでご注意ください。

馬齢

イギリスでも、JRA同様、生まれた年を0歳と数え、生まれた年の1月1日から年齢を起算します。

馬体重

イギリスでは馬体重の計測、発表はありません。

馬場状態

イギリスでは、芝コースの馬場状態は、「Hard」、「Firm」、「Good to Firm」、「Good」、「Good to Soft」、「Soft」、「Heavy」に区分されます。また、オールウェザーコースの馬場状態は、「Fast」、「Standard to Fast」、「Standard」、「Standard to Slow」、「Slow」に区分されます。

JRAからは表のとおりJRA基準(良、稍重、重、不良の4段階)に置き換えて発表します。

芝コース
Hard
Firm
Good to Firm
Good
Good to Soft 稍重
Soft
Heavy 不良
オールウェザーコース
Fast
Standard to Fast
Standard
Standard to Slow
Slow 稍重

出走取消(スクラッチ)

JRAでは、出馬投票締切り後の出走取消は、馬の事故又は疾病が判明した場合や病気等で騎乗できる騎手がいなくなった場合のみ認められます。

イギリスでは、馬場状態等の理由により、当日まで調教師の意思による出走取消も可能となっています。

負担重量超過

イギリスでは、騎手は超過重量で騎乗する場合、前検量時にその重量を申告しなければならず、所定の負担重量より重い重量(+4ポンド未満まで)で騎乗することが認められています。この場合、変更となる負担重量はレースが始まる前に競馬場内で公表されます。なお、所定の負担重量より1ポンド以上の超過がある場合で、裁決委員が認めたときには騎手変更となることがあります。

  • 注記:
    1ポンドは、約0.454キログラムです。

発走のやり直し及びノンランナー制度

JRAでは、発走委員が「真正な発走でない」と認めたときは、発走のやり直しを行います(通称“カンパイ”)。具体的には、(1) フライング発走、(2) 発馬機の故障および誤作動、(3) 外的要因によるトラブルのいずれかが起きた際に行います。

イギリスでも、(1) 発馬機の誤作動、(2) フライング発走、(3) 発走させるためではなく安全上の理由によりゲートを開いた場合など、発走委員が「真正な発走でない」と認めたときは、発走のやり直しを行います。

また、イギリスでは、(1) 発走合図時に発馬機の誤作動により発走が妨げられた、(2) 発走合図時に騎手が騎乗していなかった場合に、裁決委員の判断により当該馬のみを“ノンランナー”(=競走に参加していないものとみなす馬)とし、レース自体はそのまま継続し成立させることがあります。この場合、JRAの発売においても、当該馬に係る勝馬投票券は返還となります。

後検量失格

JRAでは、「前検量で計量した重量から後検量で計量した重量を差し引いた重量が、1キログラムを超えた場合」に当該馬を失格とします。

イギリスでは、後検量で計量した重量が、前検量で計量した重量から1ポンドを超えて下回った場合や、騎手が後検量を拒否した場合に当該馬を失格とします。

  • 注記:
    1ポンドは、約0.454キログラムです。

走行妨害による降着・失格

JRA同様、イギリスでは「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。

また、失格については、JRAでは「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となりますが、イギリスでは、故意に妨害するなどの危険な騎乗を行った場合に、加害馬は失格となることがあります。

鞭の過剰使用による失格

イギリスにおいては、騎手が同一レースにおいて、鞭を過剰に使用したと裁決委員が判断した場合、レース確定後に失格となる制度があります。鞭使用に関する審査委員会による裁定の結果、後日、競走成績上の着順の変更があったとしても、JRAが発売する勝馬投票券の払戻しに関する勝馬の変更はありません。

競走成績における着差

JRA同様、イギリスの競走成績における着差欄には、一つ上の入線順位の馬との着差が記載されます。

降着・失格等の裁定に対する不服申立て

イギリスにおいても裁決委員の降着・失格に関する判断について、レース確定後、馬主・調教師・騎手等が不服申立てを行う制度があります。裁定の結果、後日、競走成績上の着順の変更があったとしても、JRAが発売する勝馬投票券の払戻しに関する勝馬の変更はありません。

(2024年8月現在)

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