海外競馬発売

アラブ首長国連邦(UAE)競馬のルール

アラブ首長国連邦(UAE)競馬のルール

JRAとアラブ首長国連邦(UAE)の主なルールの違い

競馬の実施にあたっては、各国・地域ごとにそれぞれ固有のルールが定められており、JRAのものとは異なる点があります。

JRAが海外競馬の勝馬投票券発売を行う際、払戻しは競走終了後に現地主催者のルールにより確定した着順に基づいて行います。なお、JRAの競走と同様、確定後に競走成績上の着順の変更があった場合でも、払戻しの変更はいたしません。

JRAとUAEにおける主なルールの違いを説明します。

馬番号とゲート番号

JRAでは、馬番号は抽選で決定し、ゲート番号は馬番号と同一になります(例:馬番号「5」の出走馬は5番ゲートから発走)。

ドバイワールドカップ諸競走では、馬番号は(1)負担重量の重い順、(2)馬名のアルファベット順で1からふられ、その後ゲート番号は抽選で決定します。したがって、ゲート番号と馬番号は異なります。(例:馬番号「5」の出走馬が10番ゲートから発走など)。

また、ゲート番号は、内側からの順序を示すもので、出走取消がある場合(競走直前の競走除外を除く)は、発走時にそれぞれゲート番号が繰り上がります。

JRAの海外競馬の勝馬投票券は、馬番号での投票となりますのでご注意ください。

馬齢

JRAでは、生まれた年を0歳と数え、生まれた年の1月1日から年齢を起算しますが、ドバイが所在するアラブ首長国連邦の競馬統括機関エミレーツレーシングオーソリティーの競馬施行規程では、南半球産馬は生まれた年の7月1日から、北半球産馬は生まれた年の1月1日から年齢を起算すると定められています。

馬体重

UAEでは馬体重の計測、発表はありません。

馬場状態

UAEでは、芝コースの馬場状態は、「Fast」、「Good」、「Yielding」、「Slow」、「Heavy」に区分されます。また、ダートコースの馬場状態は、「Fast」、「Good」、「Muddy」、「Sloppy」、「Sealed」に区分されます。

JRAからは表のとおりJRA基準(良、稍重、重、不良の4段階)に置き換えて発表します。

芝コース
Fast
Good
Yielding 稍重
Slow
Heavy 不良
ダートコース
Fast
Good 稍重
Muddy
Sloppy
Sealed
不良

出走取消(スクラッチ)

JRAと同様、UAEでは、出馬投票締切り後の出走取消は、馬の事故又は疾病が判明した場合等に認められます。

補欠馬の繰上り

UAEでは、補欠馬制度(最大で4頭)が採用されており、出走可能頭数を超える出馬投票があった場合、補欠馬が発表されます(出馬表発表時点で補欠馬にも馬番号が付されます)。レース当日の第1競走発走時刻の4時間前までに出走取消馬が発生した場合、補欠馬の上位馬から順次繰上りで出走することができます。なお、繰り上がった出走馬は、出走取消馬のゲート番号を引き継ぎますが、2頭同時に出走取消となった場合には、2頭の補欠馬のゲート番号は抽選で決定されます。

負担重量超過

UAEでは、裁決委員の許可により、騎手は所定の負担重量より1キログラムまで重い重量で騎乗することが認められています。この場合、負担重量の変更は0.5キログラム単位で公表されます。

なお、前検量において、公表された負担重量より1キログラムを超えて超過があった場合は、当該騎手は制裁対象となり、騎手変更となることがあります。

発走のやり直し及びノンランナー制度

JRAでは、発走委員が「真正な発走でない」と認めたときは、発走のやり直しを行います(通称“カンパイ”)。具体的には、(1)フライング発走、(2)発馬機の故障および誤作動、(3)外的要因によるトラブルのいずれかが起きた際に行います。

UAEでも、発走委員が「真正な発走でない」と認めたときは、発走のやり直しを行います。

また、UAEでは、(1)発馬機の不具合により発走できなかった場合、(2)発走合図時に騎手が騎乗していなかった場合、(3)真正な発走を受けられず、不利益があったと裁決委員が判断した場合については、当該馬のみを“ノンランナー”(=競走に参加していないものとみなす馬)とし、レース自体はそのまま継続し成立させることがあります。この場合、JRAの発売においても、当該馬に係る勝馬投票券は返還となります。

後検量失格

JRAでは、「前検量で計量した重量から後検量で計量した重量を差し引いた重量が、1キログラムを超えた場合」に当該馬を失格とします。

UAEでは、後検量で計量した重量が、公表された負担重量から0.5キログラムを超えて下回った場合に当該馬を失格とします。

走行妨害による降着・失格

JRA同様、UAEでは「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。

また、失格については、JRAでは「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となりますが、UAEでは、騎手が他の馬の勝つ機会を著しく損ねた場合などに、加害馬は失格となることがあります。

競走成績における着差

JRA同様、UAEの競走成績における着差欄には、一つ上の入線順位の馬との着差が記載されます。

降着・失格等の裁定に対する不服申立て

UAEにおいても裁決委員の降着・失格に関する判断について、レース確定後、馬主・調教師・騎手等が不服申立てを行う制度があります。裁定の結果、後日、競走成績上の着順の変更があったとしても、JRAが発売する勝馬投票券の払戻しに関する勝馬の変更はありません。

(2024年3月現在)

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