JRAの全ての競馬場にてベースの砂として青森県産の砂を使用しています。
JRAで使用するクッション砂は全て以下の基準を満たすものとなります。
1 | JIS A1204に定める土の粒度試験により、最大粒径は2ミリメートルとし、シルト・粘土(注記)の含有量は1%以下。 |
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2 | 粒子形状は丸く、材質は硬いこと。 |
3 | 石・貝殻などの雑物の混入が一切入ってないこと。 |
クッション砂は競走馬の走行やレース間のハロー掛けにより潰れ細粒化してしまいます。
細粒化した砂が多くなってしまうと、乾いているときは埃が立ちやすくなる・雨天時は騎手のゴーグルへ付着しやすくなり視認性が悪化する等の影響があるため、各競馬場で1年に1回洗浄プラントにより砂洗浄作業を実施し、細粒分を除去し適正な状態を保つようにしています。
砂洗浄作業により数%の細粒化した砂が除去されるため、補充用としてJRAの基準を満たす砂(補充砂)を各競馬場にて洗浄後の砂にブレンドしています。
各競馬場で使用している補充砂は、潰れて減ってしまった粒度の砂を補うように競馬場ごとに決定しています。また、砂の産出量や立地条件により競馬場により産地が異なります。この補充砂を洗浄後の砂とブレンドすることにより一定の品質を保つようにしています。
ブレンドする砂が異なることにより、競馬場ごとにクッション砂の色味は変わりますが、クッション性に違いはありません。
参考までに、現在各競馬場で使用しているクッション砂の大まかな割合について紹介します。
注記:2025年1月現在
各競馬場で使用している砂の産地の代表的な特徴は以下の通りです。
青森県産:黒い粒が多く、粒の大きさは粗目から中間が多い。
新潟県産:黒い粒が多く、粒の大きさは粗目が多い。
宮城県産:黒みが少なく灰色。粒の大きさは中間が少なく粗目と細目が多い。
福島県産:やや茶色みがかった白色。粒の大きさは粗目から中間が多い。
愛知県産:灰色みがかった白色。粒の大きさは中間が少なく粗目と細目が多い。
オーストラリア・アルバニー産:白色。粒の大きさは中間が多い。
宮崎県産:黒い粒が多く、粒の大きさは細目がやや多い。