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牡7歳
調教師:中尾秀正(栗東)
昨年の北九州記念は逃げたピューロマジックを捕まえ切れず1/2馬身差の2着に惜敗したが、小倉コースへの高い適性に加え、夏競馬への順応性も示した。速い時計での決着への対応が今回のポイント。少し時計を要するくらいがちょうどいいはずだ。
前走の春雷S(リステッド・中山・芝1200メートル)は、1番人気のロードフォアエース(2着)を見る形でレースを進め、残り100メートル付近で抜け出してオープンクラス2勝目をマーク。騎乗した内田博幸騎手が「人気馬をマークする形が取れたのも良かったのでしょうが、力がある馬。一度使って調子も上がっていたようです」と称賛する素晴らしいパフォーマンスだった。ルーラーシップの産駒は晩成傾向が強く、7歳でドバイターフ(G1・UAE)を勝ったソウルラッシュはその筆頭格。本馬も年齢を重ねるごとにたくましさを増し、パフォーマンスに安定感が出ている。7歳での重賞初制覇を期待したい。
牡4歳
調教師:友道康夫(栗東)
通算〔4・8・0・1〕と安定した成績ではあるが、陣営はレースを使いながら良化するイメージを持っているようで、今回のポイントは休み明けと考えている様子。直前の調教の動き、当日の仕上がりはしっかりとチェックしたい。
4走前の3勝クラス・カウントダウンS(京都・芝1200メートル)を制し、オープンクラス入り。ポテンシャルの高さを評価されているだけでなく、大崩れのないパフォーマンスも支持の対象となり、近3走は1番人気で出走して全て2着。陣営は「スタートが良く、楽にポジションを取れるので、他の馬のいい目標になってしまうんですよね。もうひとつタメが利かせられるといいのですが」と、人気を背負っているがゆえの難しさを伝える。今回が初の重賞挑戦で、実績馬もいるメンバー構成だけに、過度なプレッシャーは避けられるかもしれない。オープンクラス初勝利が重賞となる可能性も十分にあるだろう。
牝3歳
調教師:坂口智康(栗東)
前走時の馬体重が420キログラムの小柄な牝馬。小倉で勝利があるだけでなく、デビュー勝ちも福島と、小回りコースへの適性はかなり高いと考えていい。持ち時計がないことが唯一の懸念材料だが、キャリアの浅い3歳馬なら問題ないはずだ。
直線で力強く抜け出した前走の葵Sで重賞初制覇。騎乗した岩田望来騎手は、自身が騎乗して勝利した3走前の1勝クラス・萌黄賞(小倉・芝1200メートル)から本馬に好印象を持っていたようで、「自信を持って臨みました。しっかりと折り合い、脚をためながら運べたことでラストはいい脚を使ってくれましたね。小柄な牝馬ですし、これから成長してくれれば、もっと活躍できると思います」と振り返った。前走の15番人気での勝利をフロックと考えないほうがいいだろう。他世代との初対戦になるが、昨年のピューロマジックに続く葵Sとの重賞連勝を狙う。
牡6歳
調教師:中竹和也(栗東)
小倉コースは過去に1走して2番人気で4着。走破時計の1分07秒6は及第点とみることもできるが、そのレース内容はスピード負けに近いものだった。今回も速い時計を要求される決着になるのは歓迎できないだろう。少し渋った馬場状態のほうが走りやすいはずだ。
ダートを試した前々走の京葉S(リステッド・中山・ダート1200メートル)は16着。芝に戻した前走のオープン特別・鞍馬S(京都・芝1200メートル)では、過去に勝ち鞍のある重馬場のなか、スプリント戦では珍しいスローペースとなった一戦を制して巻き返しに成功。3番手から直線でしっかりと脚を使って後続の追い上げを振り切り、2023年12月のラピスラズリS(リステッド・中山・芝1200メートル)以来となる勝利をマークした。騎乗した幸英明騎手は「4コーナーの手応えが良かったですし、もともと能力の高い馬ですから」とコメント。久々の勝利を挙げた勢いに乗り、重賞初制覇を飾るシーンもありそうだ。
牡7歳
調教師:坂口智康(栗東)
昨年夏の福島で1分07秒0のタイムをマークして勝利。時計勝負への対応力を証明している点は心強い。6月26日の1週前追い切りでは、栗東坂路でラスト2ハロン23秒6、1ハロン11秒6をマーク。かなり目立つ動きで、7歳となった現在こそが充実期の印象だ。
GⅠに初めてチャレンジした前々走の高松宮記念は、相手が強くなったこともあり離された15着に敗れたが、前走のオープン特別・鞍馬S(京都・芝1200メートル)では持ち味である末脚を発揮。メンバー中最速の上がり3ハロン33秒8(推定)をマークし、勝ち馬オタルエバーに1/2馬身差まで迫る2着に好走した。展開に左右されやすいイメージもある馬だが、オープンクラスでの初勝利となった3走前のオープン特別・北九州短距離S(小倉・芝1200メートル)では、早めに押し上げて4コーナー4番手の積極的なレース運びを披露。あの競馬ができれば、今回のメンバーでもチャンスは十分にあるだろう。
牡3歳
調教師:河嶋宏樹(栗東)
3歳で重賞未勝利の1勝馬。ハンデを生かせる立場なのは大きい。1200メートルは3戦して全て2着と適性が高く、前走のような積極的な競馬をするのであれば、小回りの平坦コースも魅力と言えるだろう。夏競馬の経験があるのも心強い。
未勝利馬ながら小倉2歳Sで2着に好走し、以降もオープンクラスのレースに出走。3走前のクロッカスS(リステッド・東京・芝1400メートル)で初勝利をマークした。前々走のファルコンSでは16着と大敗を喫したが、前走の葵Sでは外枠(8枠15番)から積極的な競馬を見せ、勝ったアブキールベイに0秒1差の2着と、改めて能力を示した。騎乗した小崎綾也騎手は「1400メートルではリズム重視で運んできましたが、1200メートルの今回はスピードを殺さないことを最優先事項と考えてレースに臨みました」と説明した。今回も1200メートル戦。思い切りのいい積極策なら、初の重賞制覇も期待できそうだ。
牝5歳
調教師:前川恭子(栗東)
6月18日の2週前追い切りでは、栗東坂路で4ハロン49秒8の好時計をマーク。調教駆けするタイプであることを考慮しても、夏場は本当に動きがいい。時計の速い決着を好むタイプでもあり、開幕2週目の芝もプラスのはずだ。
重賞は3歳時にチューリップ賞と葵S、4歳の昨年にはアイビスサマーダッシュを勝利。重賞3勝の実績は、今回のメンバーでも最上位と言える。近走は3着以内で走ることができず、前走の高松宮記念も13着と苦戦が続いているが、夏場に調子を上げてくるタイプ。昨年は6戦連続の2桁着順から夏競馬で一変を見せ、前述したアイビスサマーダッシュの勝利だけでなく、北九州記念は16番人気ながら勝ち馬ピューロマジックと0秒4差の3着、セントウルSでは勝ったトウシンマカオから0秒2差の3着に好走した。得意の季節を迎え、4つ目の重賞タイトルを虎視眈々と狙う。
牡6歳
調教師:石橋守(栗東)
良馬場向きのフットワーク。道悪はマイナスのタイプなので、当日の馬場状態はポイントとなるだろう。未勝利勝ちは夏の小倉だが、それ以降は夏場のイメージがあまりない馬。休み明けでもあり、仕上がりがポイントのひとつになりそうだ。
3走前のオープン特別・タンザナイトS(京都・芝1200メートル)を制し、オープンクラスでの初勝利をマーク。前々走の淀短距離S(リステッド・中京・芝1200メートル)は13着に敗れたが、前走のシルクロードSでは5着と健闘した。前走後に酒井学騎手は「ゲートの中がうるさくて、いつもよりスタートが良くなかったですが、内枠だったので上手に立ち回れました。序盤に脚を使った分だけ伸びきれなかったですが、内容は悪くありませんでした」と振り返った。ゲートの中での落ち着きは今回も課題となりそうだが、GⅢのハンデ戦なら能力は通用するはず。展開次第でチャンスがありそうだ。
(松浪 大樹)
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