マーチSはGⅠ・フェブラリーSの約1か月後に行われるハンデ重賞ということもあってか、実績馬の参戦が少なく、混戦のメンバー構成になりやすい。2019年には3連単の配当が100万円を超える大波乱となったように、一筋縄ではいかない一戦だ。過去10年のデータから好走馬の傾向を調べていく。
創設からこれまでに31回行われてきたマーチSだが、1番人気はわずか5勝にとどまっている。過去10年に限定しても、1番人気は1勝どまりで、3着内率も50.0%とやや物足りない。創設当初から下位人気馬にも勝機のある重賞となっている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-2-2-4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
4番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 6-2-5-94 | 5.6% | 7.5% | 12.1% |
この時期の古馬重賞は“4歳馬が強い”というデータが出やすいのだが、過去10年のマーチSでは4歳馬の好走率が低くなっている。2024年1番人気6着のブライアンセンス、2021年1番人気14着のアメリカンシードなど、4歳馬が人気に応えられなかったケースもよく見られる。波乱を起こしているのは6歳以上の馬で、2桁人気で馬券に絡んだ7頭のうち5頭が6歳以上だった。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 0-2-0-24 | 0% | 7.7% | 7.7% |
5歳 | 4-3-3-25 | 11.4% | 20.0% | 28.6% |
6歳 | 4-4-4-40 | 7.7% | 15.4% | 23.1% |
7歳以上 | 2-1-4-37 | 4.5% | 6.8% | 15.9% |
過去10年の前走別成績を見ると、前走がどのようなクラス・格であっても勝負になることが見てとれる。配当的な狙い目は、前走でJRA重賞もしくは地方のダートグレード競走を負けていて、当レースでは下位人気となっていた馬。2022年12番人気2着のケンシンコウ(前走:東海S8着)、2019年12番人気3着のリーゼントロック(前走:佐賀記念2着)、2017年インカンテーション(前走:フェブラリーS13着)といった馬が高配当を演出している。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 4-1-1-25 | 12.9% | 16.1% | 19.4% |
オープン特別 | 4-6-7-66 | 4.8% | 12.0% | 20.5% |
3勝クラス | 1-0-1-11 | 7.7% | 7.7% | 15.4% |
地方 | 1-2-2-24 | 3.4% | 10.3% | 17.2% |
海外 | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
どの馬にも勝つチャンスのある重賞なので、1着馬をピンポイントで絞り込むのは難しい。あえてピックアップするなら、前走か前々走でダート1800メートルから2100メートルのレースを勝っていた馬が過去10年で7頭勝利している点であろうか。残る3頭も5走前にダートの中距離戦を勝利していたので、近走でダートの中距離戦を勝利していた馬が有力と考えたい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 直近の勝利 |
---|---|---|
2015年 | マイネルクロップ | 前走・ダート2000m |
2016年 | ショウナンアポロン | 5走前・ダート2100m |
2017年 | インカンテーション | 5走前・ダート1900m |
2018年 | センチュリオン | 前走・ダート1800m |
2019年 | サトノティターン | 前走・ダート2100m |
2020年 | スワーヴアラミス | 2走前・ダート1800m |
2021年 | レピアーウィット | 2走前・ダート1800m |
2022年 | メイショウハリオ | 2走前・ダート1800m |
2023年 | ハヤブサナンデクン | 5走前・ダート1800m |
2024年 | ヴァルツァーシャル | 前走・ダート1800m |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。