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牡3歳
調教師:武幸四郎(栗東)
レース間隔をしっかりと取っての調整は、馬の成長スピードに合わせてのもの。前走よりも一つ上の状態で出走できると判断していいだろう。2戦連続で出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムをマークした末脚は、阪神の外回りコースでさらに威力を増しそうだ。
前走のシンザン記念を制し、2戦無敗で重賞タイトルを獲得。約2か月半の休養明けを克服したことにも驚かされたが、それ以上に、他の出走馬よりも未完成に見えた状況での勝利に驚きを感じた。管理する武幸四郎調教師はレース後に「きっちりと仕上げてはいましたが、返し馬などを見ても腰がまだまだ弱くて。“今の馬ではないな”と改めて思いました。今回の勝利は能力としか言いようがないです」と振り返った。すでに重賞タイトルを獲得した実績馬ながら、“遅れてきた大物”と表現したくなるほどのインパクト。前走以上に注目されるレースになるだろう。
牡3歳
調教師:辻哲英(美浦)
1800メートルへの距離延長は血統構成から不安がなく、初となる関西への長距離輸送も、前走までのパドック気配などから減点材料になるとは思えない。自分のリズムで走り、折り合いをつけて運ぶことができれば、直線が長いコースへの対応も問題ないはずだ。
昨年9月のメイクデビュー中山(芝1600メートル)で1分32秒8の2歳コースレコードをマークして優勝。約4か月ぶりとなった前走のジュニアC(リステッド・中山・芝1600メートル)は初戦よりも遅い勝ち時計になったが、手応えに余裕を残した状態での勝利に着差以上の強さを感じさせた。手綱を取った北村宏司騎手も「平常心で臨めてスタートも決まったので、馬のリズムで自信を持って運びました。少し先頭に立つのは早かったですが、余力はありましたからね」と、完勝だったことを強調した。重賞へのステップアップとなる今回でも素質は上位と思える存在だ。
牡3歳
調教師:田中博康(美浦)
3月20日の1週前追い切りで、同週の水曜、木曜を通じて美浦Wコースの1番時計となる78秒6(6ハロン)をマークするなど、秘める脚力は相当。ただし、操作性の難しさも感じさせる内容だった。強過ぎる前進気勢を制御できるかどうかが鍵になりそうだ。
1番人気の支持を受けた前走の京成杯は、勝ち馬から0秒2差の4着。期待には応えられなかったが、ハイペースを積極的に追いかけ、楽な手応えで早々と先頭に立った内容に能力の高さは感じられた。騎乗したC.ルメール騎手は「3コーナーの手応えは良かったけど、坂を上がってから苦しくなりました」とコメント。前向きな気性と展開面がミスマッチだったということだろう。半兄に天皇賞(春)を勝ったジャスティンパレス(父ディープインパクト)がいる良血馬。持っているポテンシャルの高さを発揮できれば、前走で果たせなかった重賞制覇を成し遂げるシーンが見られそうだ。
牡3歳
調教師:大久保龍志(栗東)
大外枠で前に壁を作ることができなかった前走。今回も道中のリズムが大事になるが、コーナー通過2回のコースに替わり、距離も1800メートルに短縮。流れには乗りやすいのかもしれない。馬体重は前走よりも増えたほうがいいだろう。
3馬身1/2差をつけてメイクビュー京都(芝2000メートル)を完勝。キタサンブラック産駒らしい見栄えのする馬体、ダイナミックなフットワークなどに資質の高さを感じさせた。一方で管理する大久保龍志調教師は「1コーナーで行きたがるところをR.ムーア騎手が上手に抑えてくれました。2戦目でテンションがどのように変わっていくかですね」と、気性面の課題も指摘している。折り合いを欠くというほどではなかったものの、道中で力む面を見せた前走・1勝クラス(中京・芝2000メートル、3着)の敗因もここにありそうだ。秘める能力をフルに発揮することができれば、重賞のメンバーが相手でも好勝負になるはずだ。
牡3歳
調教師:福永祐一(栗東)
牡馬にしては小柄な馬体はまだ腹構えが薄く、テンションも他馬と比べて少し高め。長距離輸送のない関西圏で競馬ができることはプラスに働きそうだ。軽さが生きる馬場状態が理想。雨の影響を受けたコンディションは避けたいところだ。
武豊騎手と福永祐一調教師が初めて重賞でタッグを組んだことでも注目された前走の共同通信杯。結果は4着だったが、キャリア1戦での重賞挑戦。武豊騎手も「イレ込みは想定内でした。直線は弾けそうで弾けなかったけど、まだこれからの馬ですし、素質は感じました」と一定の評価をしており、悲観する内容ではなかったはずだ。国内外でGⅠ・G1を計4勝したリスグラシュー(父ハーツクライ)の半弟にあたる血統馬だが、その姉は古馬になって覚醒した晩成型。キャリアを重ねるごとに強くなっていくタイプなのであれば、重賞に挑んだ前走の経験は今回に生きてくるはずだ。
牡3歳
調教師:藤原英昭(栗東)
着順はひと息ながら、ホープフルSも弥生賞ディープインパクト記念(ともに6着)も4コーナーの位置取りより順位を上げており、控える形の競馬が板についてきた。直線の長い今回のコース設定を考えれば、近2走の内容が生きてくる可能性はありそうだ。
昨夏の北海道シリーズで2勝をマーク。オープン特別・コスモス賞(札幌・芝1800メートル)では2着馬を7馬身も引き離すなど、資質の高さを感じさせるパフォーマンスを見せたが、重賞にチャレンジした近3走は思うような結果を得られていない。6着だった前走の弥生賞ディープインパクト記念の後に、騎乗した横山武史騎手が「折り合いに難しいところがあるので、壁を作りながら運ぼうという話を先生としていました。ただ、ペースが上がったところでついていけませんでした。これからの成長に期待したいです」とコメント。勝ち星のある1800メートルへの距離短縮で前進がありそうな雰囲気だ。
牡3歳
調教師:国枝栄(美浦)
メンタル面の課題を残している馬。前走はコーナー通過4回のコースで折り合いを欠く面を見せた。スタンドから遠い向正面発走で、コーナー通過2回の今回のコースのほうが合う印象。いずれにしろ、レースの序盤がポイントになる。
前走の京成杯は14頭立ての14着。早い段階で折り合いを欠き、前半1000メートル通過タイム58秒3というハイペースを演出。レース内容を見れば、力を出し切れるような状況でなかったことがわかるだろう。デビュー戦を快勝しながら、手綱を取ったC.ルメール騎手が「能力はあるけど、乗りづらいですね」とコメントした気性の難しさが表面化した印象だ。NHKマイルCを勝ったGⅠ馬アエロリット(父クロフネ)の半弟という血統馬で、潜在的なポテンシャルはかなり高そうだが、それを発揮できるだけの状態に持っていけるかどうかが大事になってくるはず。まずはパドックの様子に注目したい。
牡3歳
調教師:牧田和弥(栗東)
成長途上だったとはいえ、1800メートルでは結果が出ず、距離を短縮して良さが出てきた背景がある。相手強化に加え、距離延長にも挑む今回のハードルは決して低くないが、馬自身は着実に力をつけている。
メイクデビュー京都(芝1800メートル)は13頭立ての13番人気で10着。2戦目からダートに活路を求めたものの、すぐには結果を出せず、勝ち上がりはデビューから3か月後でキャリア6戦目の未勝利(中京・ダート1400メートル)だった。今回とは全く異なる条件での勝利となったが、前走の1勝クラス(中山・芝1600メートル)では再び芝に挑んで3着に好走。そのパフォーマンスを見れば、デビュー当時は成長が伴っていなかったと判断できるだろう。今回のポイントは距離に加えて、速い時計での決着になりやすい阪神・外回りコースに対応できるかどうか。重賞挑戦でどのような走りができるかに注目したい。
(松浪 大樹)
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