1番人気に支持された前走・有馬記念。道中は中団でロスなく運べたが、ラストはセントライト記念（1着）、菊花賞（1着）のように伸び切ることができず、優勝馬レガレイラから0秒5差の6着に敗れた。騎乗したC.ルメール騎手は「直線は伸びてくれましたが、他の馬のほうが加速している感じでした。全体的にいい競馬はできたけど、もう少しペースが流れてくれればよかったですね」と振り返った。日経賞で2022年、2023年と連覇を飾ったタイトルホルダーは、前年の有馬記念で5着、9着に敗れてからの反撃V。本馬も同条件の大舞台での敗戦が生きてくるはずだ。ここは内容と結果を求められる始動戦となる。

2番人気で挑んだ前走のステイヤーズS。楽に好位を追走すると、JRA平地最長距離重賞の流れでも折り合いを欠くことはなかった。直線入り口で先頭を奪い、外から猛追してきたシルブロンをハナ差振り切り勝利。2600メートル以上のレースは初挑戦だったが、長距離戦への高い適性を示した。騎乗した北村友一騎手は「理想的なポジションでリズム良く走ってくれました。乗っていても楽でしたし、馬も楽だったのではないかなと思います」と、そのスタミナを称賛した。2走前・京都大賞典ではディープボンド（2着）、ブローザホーン（11着）のGⅠ好走馬たちを破って勝利。遅咲きのディープインパクト産駒が、充実期を迎えている。

6番人気で2着に頑張った前走・アメリカジョッキークラブC。道中は好位をロスなく立ち回り、直線でグッと加速。最後は勝ち馬ダノンデサイルに外からかわされたが、併せ馬となったコスモキュランダ（3着）にはハナ差競り勝った。管理する昆貢調教師は「よく頑張ってくれました。ダービー馬には負けてしまったけど、いい頃の感じに戻ってきました。どこかでチャンスがあると思います」と、復調に手応えを感じていた。2走前・中日新聞杯もデシエルト、ロードデルレイに次ぐ3着。骨っぽいメンバー相手の連続好走は簡単ではなかったはずだ。昨年の日経賞は勝ち馬から0秒2差の4着。昨年以上の走りを期待したい。

6番人気で挑んだ前走・京都記念。内枠（3枠3番）から好位のインを進み、直線は最内を選択した。同じような位置から勝負した勝ち馬ヨーホーレイクには及ばなかったが、最後までしぶとく伸び続けて2着に好走。ソールオリエンス（5着）、チェルヴィニア（9着）のGⅠ馬たちに先着した。騎乗した松山弘平騎手は「スタートの一歩目が出られなかったけど、逃げ馬の後ろでうまく脚をためることができました。馬は成長していると思います」と振り返った。近2戦は芝2200メートルでの好走だったが、芝3000メートルの2023年菊花賞で4着に善戦した経験があり、距離延長への不安は少ないはずだ。

昇級初戦で挑んだ前走の日経新春杯。徹底先行型のメイショウタバル（11着）が厳しいラップを刻み、勝ち馬ロードデルレイを筆頭に上位は差し・追い込み勢が独占した。そのなかで、本馬は好位からしぶとく粘っての3着。重賞でも十分に通用する能力を証明してみせた。騎乗した幸英明騎手は「初めて乗りましたが、乗りやすかったです。先行馬の中ではよく残ってくれました」と相棒を称えた。半兄が2021年新潟記念を制したマイネルファンロン（父ステイゴールド）、全姉が2021年オークスを優勝したユーバーレーベンと、スタミナ豊富な血脈。本馬自身も2400メートル戦で2度の2着がある。タフな競馬になっても大丈夫だろう。

13番人気で挑んだ前走の有馬記念。外枠（8枠15番）から好スタートを切ったが、序盤で落ち着くところをつくれず、掛かり気味に外を駆け上がる形になった。GⅠの大舞台で本来のスタイルを貫けなかっただけに、15着でも見直しは十分に可能だろう。騎乗した吉田豊騎手は「スローペースになることは分かっていましたが、外枠で馬の後ろに入れることができませんでした。ハミも噛んでしまいました」と敗因を説明した。デビュー4戦目からしばらくはダートを走り、2022年函館記念では重馬場の洋芝をパワフルに走り抜いて勝利。やや力を要する芝コンディションになっている現在の中山はマッチしそうだ。2走前・アルゼンチン共和国のような直線強襲に期待したい。

10番人気の低評価を覆して3着に好走した前走のダイヤモンドS。前半はスローペースで、ラスト3ハロンのレースラップが11秒4、11秒6、11秒9と瞬発力を求められる展開に。1着、2着、4着を前で運んだ馬たちが占めるなか、後方から追い上げた内容は見どころがあった。騎乗した川又賢治騎手は「乗りやすくて折り合いも問題ありませんでした。距離が延びるほど良さが出るタイプです」と高く評価していた。重馬場の2勝クラス・三陸特別が4馬身差の快勝。今回と同じ中山・芝2500メートルも2走前にクリア済みだ。父ゴールドシップから受け継いだ豊富なスタミナが、好メンバーがそろったタフな一戦で生きてくるだろう。