秋のGⅠシリーズの開幕を飾る当レース。サマースプリントシリーズを転戦してきた馬や、夏場を休養にあてた馬など、様々なタイプの馬が中山・芝1200メートルでスプリント王の座を争う。今回は新潟競馬場で開催された2014年を含む過去10年のデータから、傾向を洗い出してみた。
スプリンターズSの主要な前哨戦となるのがセントウルS。過去10年で5頭の優勝馬を出している。また、春GⅠからの直行馬の好走率が高く、その中でも注目したいのは前走で東京マイルGⅠを大敗していた馬が巻き返して穴をあけるケース。2022年5番人気3着のナランフレグは安田記念9着、2017年5番人気2着のレッツゴードンキはヴィクトリアマイル11着、2015年11番人気2着のサクラゴスペルは安田記念17着といった前例があるので、このパターンに当てはまる馬がいれば注目したい。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
セントウルS | 5-4-2-42 | 9.4% | 17.0% | 20.8% |
安田記念 | 2-1-1-6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
キーンランドC | 1-1-4-37 | 2.3% | 4.7% | 14.0% |
北九州記念 | 1-1-1-18 | 4.8% | 9.5% | 14.3% |
CBC賞 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
函館スプリントS | 0-1-0-5 | 0% | 16.7% | 16.7% |
ヴィクトリアM | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
高松宮記念 | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
朱鷺S | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
パラダイスS | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
過去10年の前走の着順別成績で好走率が上位なのは前走1着馬、もしくは2着以下に敗れながらも勝ち馬とタイム差なしだった馬。前走で勝ち馬から0.1秒以上離されていた馬の好走も少なくはないが、好走率の低さが気になるところ。軸馬を選ぶなら前走1着馬、もしくは勝ち馬とタイム差なしだった馬が無難だろう。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順・タイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1着 | 4-3-3-22 | 12.5% | 21.9% | 31.3% |
2着以下・タイム差なし | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
2着以下・0.1〜0.2秒 | 1-3-0-29 | 3.0% | 12.1% | 12.1% |
2着以下・0.3〜0.5秒 | 1-1-4-24 | 3.3% | 6.7% | 20.0% |
2着以下・0.6秒以上 | 1-3-2-50 | 1.8% | 7.1% | 10.7% |
中山競馬場で開催された過去9回の馬番別成績を見ると、1番から5番、6番から10番の2グループの3着内率が25%前後あるのに対し、11番から16番は7.4%にとどまっている。しかも、11番から16番で馬券に絡んだ4頭のうち3頭は上位人気(2、3番人気)で、伏兵馬が上位に食い込む確率が非常に低くなっている。ちなみに昨年1番人気の支持に応えられなかったメイケイエール(14着)の馬番も13番。外枠の馬は少し評価を下げたい。〔表3〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜5番 | 3-3-5-34 | 6.7% | 13.3% | 24.4% |
6〜10番 | 5-4-3-32 | 11.4% | 20.5% | 27.3% |
11〜16番 | 1-2-1-50 | 1.9% | 5.6% | 7.4% |
中山競馬場で開催された過去9回の種牡馬別成績において、好成績が目立つのはミスタープロスペクター系で、スウェプトオーヴァーボード、アドマイヤムーン、キングカメハメハ、Raven's Passと、4頭の種牡馬で5勝を挙げている。ミスプロ系の中で注目したいのは、フォーティナイナーの系統で【3・2・2・9】(3着内率43.8%)と、半数近くが馬券に絡んでいる。該当馬がいればマークしておきたい。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
種牡馬 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
スウェプトオーヴァーボード | 2-0-1-2 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
アドマイヤムーン | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
ディープインパクト | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
キングカメハメハ | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
Kitten's Joy | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
フジキセキ | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
モーリス | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
Raven's Pass | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
直近4年の優勝馬は、いずれも2、3歳時にマイル重賞を勝った経験があった。マイルくらいはこなせるスタミナを持った馬に勝機があるようだ。なおこの4頭のうち3頭には、2、3歳時にマイル以上のGⅠで3着以内に入った経験もあった。〔表5〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 2、3歳時のマイル重賞実績 | 2、3歳時のマイル以上のGⅠでの最高着順 |
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2019年 | タワーオブロンドン | アーリントンC1着 | 朝日杯FS3着 |
2020年 | グランアレグリア | 桜花賞1着など | 桜花賞1着など |
2021年 | ピクシーナイト | シンザン記念1着 | NHKマイルC12着 |
2022年 | ジャンダルム | デイリー杯2歳S1着 | ホープフルS2着 |
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