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『世界の合田』によるレース展望
合田 直弘(海外競馬解説者)カランダガン/マスカレードボール
分厚い戦力がそろった今年の”キングジョージ”だが、力量ということで言えば、昨年秋のジャパンカップ(GⅠ)における1・2着馬が、頭1つずつ抜けているとみている。2025年ロンジンワールドベストレースを受賞したジャパンカップ(GⅠ)から8か月の時を経て、マスカレードボールが心身ともに、一段階成長したことは明らかだ。懸念されていた長距離輸送も無事に通過し、到着後も体を減らすことなく調教を積まれているとあれば、ここでカランダガンを逆転し、競馬発祥の地・英国の2,400メートル路線における、日本調教馬によるG1初勝利という金字塔の達成も夢ではなさそうだ。
ただしここは、同じ欧州内ということで、地の利があるのはカランダガンだ。起伏のあるコースも、マスカレードボールよりはカランダガンの方が有利な舞台である。同馬が末脚を炸裂させ、再びマスカレードボールの前に立ち塞がるというシナリオの方が、わずかだが確率は高いように思う。
2頭のセレクションからは外れたが、天皇賞(春)(GⅠ)でクロワデュノールにハナ差まで迫ったヴェルテンベルクは、峻険なアスコットの馬場を乗り切るパワーとスタミナがあり、穴馬として馬券はおさえておきたいと思う。

1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
エマ・ベリー(イギリス在住競馬ジャーナリスト)マスカレードボール/カランダガン
近年最高の顔触れがそろった今年のキングジョージ。見どころはたくさんあるが、昨年のジャパンカップ(GⅠ)で僅差の大接戦を演じた2頭、カランダガンとマスカレードボールによる、8か月ぶりの「リマッチ」が最大の呼び物となる。
昨年の6月から今年3月まで、昨年のこのレースを含めてG1・5連勝を飾ったカランダガン。前々走のコロネーションC(G1・イギリス)で大敗を喫し、快進撃は止まったが、当日の天候や馬場は本当にひどいもので、あの敗戦はノーカウントと考えてよいと思う。
一方、マスカレードボールは今年初戦で香港に渡り、クイーンエリザベスⅡ世C(G1・香港)にて、ゴール前で猛然と追い込んだものの、地元のチャンピオン・ロマンチックウォリアーに1馬身及ばぬ2着に敗れた。休み明けだったこともあろうが、距離的にも2,000メートルというのはいくらか短かったはずで、一度使われた強みも含めて、2,390メートルのここではパフォーマンスを一段と上げてくるはずだ。ということで、ここではマスカレードボールがカランダガンを逆転するとみている。
2頭のセレクションからは外れたが、昨年のこのレースの2着馬で、アスコットを非常に得意としているカルパナも、おおいに怖い存在だと思っている。(訳:合田直弘)

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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