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  カーインライジング／サトノレーヴ

力の拮抗したメンバーがそろった混戦模様。

ここは、地元・香港にカーインライジングという絶対的存在がいる。陣営は同馬の今シーズン2戦目に、シドニーを舞台とする総賞金2000万オーストラリアドルのジ・エベレスト（G1・オーストラリア）を選択。香港同様にこの路線の水準が高いオーストラリアの精鋭を相手に、ここを快勝して見せた。11月23日に行われた前哨戦の香港ジョッキークラブスプリント（G2・香港）でも、最後の150メートルを軽く流しながら、自らが持つトラックレコードに0秒13差に迫る好時計で優勝。よほどのことがない限り、2024年2月から継続している連勝を16に伸ばし、レース史上5頭目の連覇を達成することになりそうだ。

セレクションの2番手には、日本調教馬サトノレーヴを挙げる。鞍上のR.ムーアは初騎乗となるが、6月のクイーンエリザベス2世ジュビリーS（G1・イギリス）へ向けたレースコースギャロップで同馬に騎乗しており、好感触を口にしたことを覚えている。ケガから復帰した欧州の名手が、この馬が隠し持つ未知の能力を引き出すことを期待したい。

合田　直弘（海外競馬解説者）

1959年（昭和34年）東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年（昭和57年）大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年（昭和63年）テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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  カーインライジング／ファストネットワーク

世界最速のスプリンターカーインライジングが、昨年に続くこのレース連覇を狙うとともに、2024年2月以来継続している連勝記録を”16”に伸ばすべく出陣する。木曜日の枠順抽選で、ここまでの18戦で一度も経験したことのない「1番」という最内枠を引いたが、これが致命的な足かせになるとも思えず、中心は動かしがたいとみる。

2番手グループは大混戦模様だ。地元のヘリオスエクスプレスやファストネットワーク、日本調教馬のサトノレーヴやウインカーネリアンらがひしめく中、セレクションの2番手にはファストネットワークを取り上げたい。前哨戦の香港ジョッキークラブスプリント（G2・香港）で2着に入った同馬。3着馬ヘリオスエクスプレスとは1馬身3/4差という、1,200メートル戦としては決定的な差がついており、ここは前哨戦での順位付けをそのまま信じたいと思う。

馬券的には、先に上げた2番手グループの各馬を、何らかの形で絡めたいと考えている。（訳：合田直弘）

Emma Berry（エマ・ベリー）

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング（オーストラリア）など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。