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芝のレースだけに、過去10年で6勝と、欧州勢(ゴドルフィンを含む)が優位に立っている。
ターフとダブル登録しているが、こちらに回れば有力と目されるのが、エミリーアップジョンだ。3歳時から戦線の最前線で活躍。3歳秋には英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1・イギリス)、4歳春には牡馬を破ってコロネーションC(G1・イギリス)を制している。ここ8戦ほど勝ち星がないが、前走ヴェルメイユ賞(G1・フランス)で先着を許した2頭は、その後凱旋門賞(G1・フランス)で1・2着になった2頭で、パフォーマンスが落ちているわけではない。【エミリーアップジョンはブリーダーズカップターフに出走予定・10月29日(火曜)追記】
春後半から力をつけ、プリティポリーS(G1・アイルランド)3着、愛オークス(G1・アイルランド)2着と善戦を続けた後、ヨークシャーオークス(G1・イギリス)を制しG1初制覇を果たしたのがコンテントだ。その際の馬場状態はGood to Firm(良)で、速い時計が出やすいデルマーの馬場への適性は高そうだ。逆に、近2走の敗因は道悪と思われる。
迎え撃つ米国勢の中心となるのは、ウォーライクゴッデスか。牡馬の一線級を撃破した2022年と2023年のジョーハーシュターフクラシック(G1・アメリカ)を含めて重賞10勝という実力馬である。2022年、2023年はいずれもブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)に挑んだが、3連覇を狙った9月28日のジョーハーシュターフクラシック(G1・アメリカ)で半馬身差の2着に敗れると、陣営は「今年はフィリー&メアターフを狙う」とコメント。牝馬同士なら、ここでも勝ち切るだけの力を維持していると見る。
西海岸でジョンC.メイビーS(G2・アメリカ)、ロデオドライブS(G2・アメリカ)を連勝中のハングザムーン、カナダでカナディアンS(G2・カナダ)、E.P.テイラーS(G1・カナダ)を連勝中のフルカウントフェリシアらも、争覇圏にいる馬たちだろう。2頭の前走で手綱をとっていたのは、いずれも木村和士騎手で、彼がどちらを選択するかも興味深い。
2021年のラヴズオンリーユー以来となる、日本馬による優勝を目指すのがアリスヴェリテだ。2021年のフォワ賞(G2・フランス)を制したディープボンド、2022年の1351ターフスプリント(G3・サウジアラビア)を制したソングライン、2022年のゴドルフィンマイル(G2・UAE)や2023年の1351ターフスプリントを制したバスラットレオンなど、海外で強いキズナ産駒というのが魅力である。【アリスヴェリテはブリーダーズカップディスタフに出走予定・10月29日(火曜)追記】
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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